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国会審議›第1回国会›閣法第81号
閣法第1回国会 第81号成立

農業災害補償法案

昭和22年法律第185号 農業保険法
提出昭和22年10月20日 内閣
付託参議院 農林委員会
衆議院 農林委員会
成立昭和22年11月24日
昭和22年法律第185号
審議会議 12回・発言 315(政府答弁等 70)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林委員会

  1. S22.10.25趣旨説明農林委員会 4110
  2. S22.11.4補足説明農林委員会 424
  3. S22.11.8質疑農林委員会 4344
  4. S22.11.10質疑農林委員会 4412
  5. S22.11.15質疑農林委員会 4618
  6. S22.11.17質疑・採決・附帯決議農林委員会 4746
  7. S22.11.20委員長報告・採決本会議 6187

参議院農林委員会

  1. S22.11.6趣旨説明・質疑農林委員会 2815
  2. S22.11.10質疑農林委員会 3016
  3. S22.11.12質疑農林委員会 3126
  4. S22.11.21討論・採決農林委員会 3325
  5. S22.11.24委員長報告・採決本会議 5663

提案理由

平野力三 農林大臣 昭和22年10月25日

農業災害補償法案につきまして、その提案理由の大體を御説明申し上げたいと思います。

 農業は申すまでもなく天然自然の支配力を受けることの最も多い産業でありますが、特にわが國におきましては、氣象變化の激しいいわゆるモンスーン地帶に属しております關係上、諸外國に類例を見ないほど、多くの生産上の危險にさらされておりますことは、御承知の通りであります。從いまして農業保險制度を整備して、農業經營の安定をはかりますことは、農業上にもまた社會的にみましても、不可缺重要なる案件であると思いますので、家畜については昭和四年以來、また農作物については昭和十四年以來、それぞれ保險制度の實施をしてきたのであります。しかるに近年の經濟事情の激變により、かつまた制度の内容においていろいろと制限がありますために、ほとんど從來の法案によりましては、その機能を發揮することが不十分なる状態に陷つたのであります。かつ一方食糧増産の推進、竝びに農地改革後における自由獨立なる農家の經濟の安定をはかる必要からいたしましては、農作物及び家畜の保險制度を根本的に擴充強化することが、最も急務でありますので、ここに現行の農業保險法及び家畜保險法を廢止して、新たに本法案を提出した次第であります。以下本法案の主要なる内容について御説明申し上げます。

 第一は機構の改革であります。農業協同組合法の施行に伴い、全員加入である市町村農業會は解散することになりますので、新たに市町村の區域に農業者全員加入の農業共濟組合を設置し、都道府縣の區域には農業共濟組合を設立して、この團體によつて農作物及び家畜の共濟、保險を併せて行うことといたしたのであります。

 第二は共濟目的及び共濟事故の擴充であります。まず農作物につきましては、共濟事故を氣象上のすべての原因に擴張いたしましたことが、著しいのであります。また冷害をこの中に加えておりますが、この改正によりまして、今後農家は、蟲害を除きましたすべての一切の原因による損失の補償を受けることができるのであります。また共濟の目的につきましては、從來桑葉について補償をしておりましたのを、一歩進めて蠶繭の保險とし、また將來は芋類にも及ぼしていくことにいたしたのであります。家畜につきましては共濟の目的を擴めましたほか、牛馬の廢用、疾病傷害及び生産についても共濟保險をいたすこととし、制度の完備をはかつたのであります。

 第三は共濟金額の改訂であります。現在農作物の共濟金額は、昭和十八年當時定めたままになつて、水稻についていへば段冨四十五圓の低額であつてほとんど保險的機能を喪失しておるのでありますが、本法案では毎年主務大臣が農作物については段當り、蠶繭についてはグラム當りの収穫價額の二分の一を標準として、その基準を定めることといたしたのでありまして、本年の水稻については段當二石以上は千二百圓、一石五斗未滿は六百圓として實施することになつております。家畜の死亡廢用については價格の八割、疾病傷害については主務大臣が定める額の範囲内とし、生産共濟については胎児は母畜の死亡廢用共濟の共濟金額の二割、生後のものはその生後の經過月數に應じて増額することとしております。

 第四は農家の負擔する共濟掛金率及びその掛金の農家と國家との分擔割合の合理化であります。掛金率は一定年間の被害統計を基礎として算定することに變りはありませんが、これを米麥については、各都道府縣ごとに通常、異常及び超異常の三段階に分析して、全國に共通する最低の掛金部分はこれほ農家負擔とし、これを超える通常及び異常部分は二分の一を國家が負擔し、超異常の部分については、全部を國家負擔といたしたのでありますが、平均してみますると、農家と國家の負擔は約半々となつております。蠶繭についても同様の趣旨で措置をいたすことにしております。

 次に農家共濟團體の事務費、すなわち農業共濟組合及び農業共濟保險組合の基準となる事務費は、國庫で負擔することといたしておるのであります。

 以上が本法案の主要なる内容でありますが、特にここでお願いいたしたいと思うことは、今年の水稻について本制度の改訂を適用いたしたいと思つておるのであります。從つて本制度の改正の經過に鑑みまして、本年度のものについても遡及適用することといたしておるのであります。何とぞかような意味において、愼重審議の上、速やかに御協賛あらんことを希望する次第であります。

第1回国会衆議院農林委員会議録第41号12頁(昭和22年10月25日)〔平野力三農林大臣発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100101081)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。