企業再建整備法等の一部を改正する法律案
衆議院 財政及び金融委員会
昭和22年法律第163号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院財政及び金融委員会・財政及び金融委員会商業委員会連合審査会
提案理由
愛知揆一 政府委員(大藏事務官) 昭和22年11月11日ただいま議題となりました企業再建整備法等の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
昨年十月いわゆる戰時補償の打切が行われ、これに伴いまして企業のこうむる損失を適正に處理し、かつそれを契機として企業の健全なる再建復興をはかることを目的として企業再建整備法が施行せられたのでありますが、その後種々のやむを得ない事情によりまして、同法の規定に基く各企業體の最終的な損失の計算、再建計畫の策定等は今日まで完了をみないで推移してまいりました。しかしながら御承知のように、さきごろ特別損失の概算も終りましたので、いよいよ再建整備の最終的處理の段階であります整備計畫提出の時期に相なつたのでありますが、その後經濟界の實情に即しまして、企業再建整備法等の一部に若干の修正を加える必要を生じましたので、政府はここにこの法案を提出するに至つたのであります。
次に今囘の改正に趣旨につきまして、主要なる點を申し述べますと、まず第一に特別損失を處理して後特別經理會社が、その資本構成を整えるため増資をする場合におきまして、特別損失を負擔した株主及び債權者に滿遍なく會社の資産の含み利益に享受する途を與えるため、新株發行の際の額面超過金の交付を認め、かつ新株の引受權を他に讓渡することを認めようとするものであります。
その二は、特別經理會社の整備計畫の法律的效力を強化いたしまして、當該會社の株主、債權者、第二會社の株主等を拘束することをいたしたことであります。
改正の第三點は、特別經理會社がいわゆる第二會社を設立する場合におきまして、從業員の承繼を圓滑にいたしますため、舊會社におきましては、第二會社は承繼せられる從業員に對しては退職会を支拂わないこととし、これに代りまして、第二會社は舊會社におきます從業員の在職期間を引繼ぎまして、自分の會社における在職と同樣に取扱うとともに、舊會社の特別損失處理にあたつては、任意準備金の一部を退職金支拂の準備のため特に留保して第二會社に對してもこの準備金を承繼することであります。
第四に、特別經理會社の舊債の處理、第二會社の金融等を容易にいたしますために、商法等の特例を認めまして、社債の發行限度を緩和し、財團抵當の登記の場合の附屬物件の一括登記の特別措置を講じようとするものであります。
第五は、會社の整備計畫の作成にあたりましては、なるべく擴汎な利害關係者の意見をこれに盛り込み、その内容を公正ならしめるために、その提出に際しまして、利害關係人から反對意見の表明があつた場合には、これを附記し、提出せられてからは利害關係人から主務大臣に異議の申立ができることといたします。
第六は、整備計畫の適正なる實行を確保するため、定期的及び實行状況の報告義務を課するとともに、特別管理人の監督の制度を設けようとする點であります。
第七點は、以上の企業再建整備法の改正に伴いまして、會社經理應急措置法の一部を改正いたしまして、特別經理會社の舊勘定に所属する資産の上に存する擔保の處理を圓滑ならしめるための必要な改正規定を設けております。
最後に有價證券の處分の調整等に關する法律を改正して、特別經理會社の株主または債権者が新株の引受權を讓渡する場合にこれを證券處理調整協議會に委託することを認めるとともに、協議會に證券發行會社の經理その他の業務の内容を詳らかにする權限を與えることといたしております。
なお臨時石炭鑛業管理法案の國會提案に伴いまして、企業再建整備法の一部を改正いたしまして、同法によつて整備計畫に記載して主務大臣の認可を受けました事項については、他の法令の規定による認可、許可、免計等の處分を要しないこととなつているのでありますが、臨時石炭鑛業管理法による管理の重要性に顧み、同法に基く許可については、この特例を設けず、すでに整備計畫に記載して認可を受けました事項でありましても、臨時石炭鑛業管理法によつても主務官廳の許可を必要とします事項については、あらためて別個に許可を受けることを要することといたしたいと考えて、ここにこの法律案を提案いたした次第であります。
なお申すまでもございませんが、臨時石炭鑛業管理法案は、ただいま國會において審議中の法案でございまして、すでに提案せられておりますので、これが審議が行われまして成立いたした場合をかりに豫想いたしまして、この際かような法律案を提案いたしました次第でありまして、この點は御了承願いたいのでございます。
以上のような次第でございますが、何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことを希望する次第であります。
第1回国会衆議院財政及び金融委員会議録第33号7頁(昭和22年11月11日)〔愛知揆一政府委員発言・発言番号23〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100101092)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。