警察官等職務執行法案
参議院 治安及び地方制度委員会
参議院 治安及び地方制度・司法連合委員会
昭和23年法律第136号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院治安及び地方制度委員会
参議院治安及び地方制度・司法連合委員会・治安及び地方制度委員会
- S23.6.17趣旨説明治安及び地方制度・司法連合委員会 25
- S23.6.23質疑治安及び地方制度・司法連合委員会 3106
- S23.7.3議案(衆議院修正部分)治安及び地方制度委員会 3012
- S23.7.5質疑・採決治安及び地方制度委員会 3177
- S23.7.5委員長報告・討論・採決本会議 60262
提案理由
斎藤昇 政府委員(國家地方警察本部長官) 昭和23年6月15日今回政府より提出いたしました警察官等職務執行法案の提案理由について御説明申し上げます。
御承知の通り新警察法には、警察官及び警察吏員の職務執行上の権限や責任に関する具体的な規定はまつたくこれを包含していないのであります。從來は行政執行法及び行政警察規則において、警察官の職務執行の心得や、権限、責任等を規定いたしておつたのでありますが、その形式も内容もいささか新憲法の精神にふさわしくないものがありますので、先般御審議の結果行政執行法は廃止せられたわけでありまして、このために警察官等の行う保護や犯罪防止のための立ち入りや、緊急の場合におけるやむを得ざる措置について、新たに法的の根拠を設ける必要が生ずるに至つたのであります。その他警察官による緊急避難の処置や、犯罪の予防、制止の権能や、武器使用の権限などにつきましても、從來明確な規定がなかつたのでありますが、この際人権を尊重するまつたく新しい見地から、必要な最小限の事項を具体的に規定した方が新憲法の精神に副い、また民衆や警察にとつても好ましいと考えましたので、これらの事項を一括してこの法律を立案したわけであります。
次にこの法案の内容について御説明申上げます。この法案は本則八箇條、及び附則からなつておりまして、第一條はこの法律の目的を述べ、警察官等が警察法に規定されました職務権限を忠実に遂行する手段は右の目的のためにのみ用いられることを規定いたし、いやしくも濫用するようなことのないように戒めております。
次に第二條は犯罪の予防または搜査上必要な質問をすることができることを定めたものであります。
第三條は、應急の救護を必要とする者があつた場合、これに対しまして適当な保護を加えることを規定したものであります。
第四條は、天災、事変、交通事故、火災、爆発、極端な雑沓等の際、著しく秩序が乱れて、人の生命、身体、財産に危害の及ぶおそれのあるときは、警察官等の本務から考えまして、これらの場所に居合わせた者や、関係者に警告したり、必要なときはこれらの人々を避難させたり、または眞にやむを得ないときは、おのずから必要な措置をすることができる旨を規定したのであります。
第五條は人が無意識にまたはみずから意識して罪となるような事をしようとしているとき、これに警告してその行為をやめさせたり、それが著しく危險で急を要しまするときは、その行為を制止することができる旨を定めております。
第六條は、前の第四條、第五條のような場合に、その事の行われまたはこれに関係のある土地、建物、船等に立ち入ることと、人の多数集まる公開された場所において犯罪が行われたり、生命、財産に危險が起ることを予防するために、それらの場所に立ち入ることを規定しておるのであります。
第七條は、武器使用の規定でありまして、犯人の逮捕、逃走防止、正当防衞、緊急避難等の場合に限りまして、必要な限度で武器を使用することができるのでありますが、その場合におきましても、特に重大な犯罪を取扱う場合あるいは他にまつたく手段がない場合のほか、他人の身体に危害を與えてはならないと定められております。
以上がこの法律案の概要であります。何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
第2回国会衆議院治安及び地方制度委員会議録第38号5頁(昭和23年6月15日)〔斎藤昇政府委員発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100201132)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。