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国会審議›第2回国会›閣法第167号
閣法第2回国会 第167号成立

恩給法の一部を改正する法律案

昭和23年法律第185号 恩給法の一部を改正する法律
提出昭和23年6月19日 内閣
付託参議院 厚生委員会
衆議院 厚生委員会
成立
昭和23年法律第185号
審議会議 7回・発言 389(政府答弁等 154)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院厚生委員会

  1. S23.6.25趣旨説明厚生委員会 1670
  2. S23.7.3採決厚生委員会 2332
  3. S23.7.4委員長報告・採決本会議 59139

衆議院厚生委員会

  1. S23.6.26趣旨説明厚生委員会 16196
  2. S23.6.30質疑厚生委員会 20128
  3. S23.7.2質疑・採決厚生委員会 21142
  4. S23.7.2委員長報告・採決本会議 7695

提案理由

三橋則雄 政府委員(総理廳事務官(恩給局長)) 昭和23年6月25日

只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。

 今回の改正は、主として新民法の施行その他諸法令の改廃等に伴うものでありまして、その主な点は、凡そ次の諸点にこれを要約することができます。

 第一点は、民法の改正に伴う遺族に関する規定の整備であります。現行法によりますと、扶助料又は一時扶助料を給される遺族は、公務員の祖父母、父母、配偶者、子、又は兄弟姉妹であつて、公務員の死亡当時、これと同一戸籍内に、言換えれば、同一家にあることとを必要としているのでありますが、民法の画期的な改正に伴い、從來のような家は廃止されました結果、このような條件によつて遺族の範囲を定め、扶助料の給否を決定することは適当でないと考えられるに至りましたので、右のような親族であつて、公務員の死亡当時、これにより生計を維持し又はこれと生計を共にしていた者を以て遺族とすることにいたそうとするのであります。

 又現行恩給法の本文におきましては、未成年の子が数人ある場合には、これらの子は、死亡した公務員を被相続人としたときに、家督相続人になる順位で、扶助料権者になり、又祖父母又は父母の間にありましては、祖父又は父は、祖母又は母に先立つて扶助料権者になることになつており、又昨年日本國憲法施行に伴う民法の應急的措置に関する法律が施行せられました際には、未成年の子が数人ある場合において、扶助料権者となる順位につきましては、これに應じて、取敢ずの措置として、嫡出子を先にし、嫡出子でない子を後にいたしますると共に、長幼の順によらしめることといたして参つたのでありますが、新民法により相続制度が改正せられましたから、その改正の趣旨に鑑みまして、かような單なる男女の別、又は長幼の別等によつて差別的取扱すをることは適当でないと考えられますので、この差別的取扱いを廃し、祖父母、父母又は子の間にありましては、男女又は長幼の区別なく、等分の権利を以て、扶助料又は一時扶助料を受けることができるようにいたします等、民法の改正に伴い遺族に関する規定を整備いたしたのであります。第七十二條から第八十二條までの改正規定並びに改正法附則第三條及び第七條の規定がこれであります。

 第二点は、刑法の改正に伴うものであります。現行法によりますと、年金恩給受給者が、二年を超える懲役又は禁錮の刑に処せられた場合には、その権利を失い、二年以下の懲役又は禁錮の刑に処せられた場合には、その刑の執行中、恩給の支給を停止されることになつております。これは從來、執行猶予が二年以下の刑に対し言渡されていましたので、その二年の刑期を標準として定められたものであります。ところで、先般刑法の改正によりまして、執行猶予言渡をなし得る懲役又は禁錮の刑期二年以下は、三年以下に改められましたから、右のような恩給の失権又は停止の区分となる刑期につきましても、これと歩調を併せて、三年を超える場合には失権することとし、三年以下の場合には停止することといたそうとするのであります。第九條第一項第二号、第五十八條第一項第二号及び第七十七條第一項の改正規定並びに改正法附則第二條の規定がこれであります。

 第三点は、警察法及び消防組織法の制定に伴う警察監獄職員に関する規定の整備であります。警察法及び消防組織法の制定によりまして、警部補、巡査、消防士補、消防機関士補及び消防手たる地方事務官又は地方技官と経済監視官補たる地方事務官とは、すべて廃官になりましたから、恩給法上の公務員たる警察監獄職員の中から、これらの諸官を除きますと共に、國家地方警察に属する警察官として、新たに設けられました警部補、巡査部長、又は巡査たる警察官は、從來の警部補及び巡査たる地方事務官と、恩給法上同じように取扱うべきものと考えまして、これを恩給法上の公務員たる警察監獄職員として指定することにいたそうとするのであります。第二十三條第一号及び第五号の改正規定並びに改正法附則第六條の改正規定がこれであります。

 第四点は、いわゆる若年者及び多額所得者の普通恩給の一部支給停止に関するものであります。現行法におきましては、普通恩給を受ける者が四十歳以下の者であるときは、その年齢に應じて、その恩給年額の四分の一乃至八分の一を停止し、又年額一千円以上の普通恩給を受ける者が、恩給外の所得年額一万円を超える者であるときは、その恩給年額の一割五分乃至三割に相当する金額の支給を停止することになつておるのでありますが、現行法における普通恩給額は甚だしく少額であり、從つてこの制度による停止額も亦甚だ僅少な額でありますことと、この制度運営のための事務負担とを考え合せまして、恩給金額が現状のごとき少額である間は、暫定的にこの制度の運営を中止することが適当であると思われますので、当分の中この停止に関する規定を適用しないことといたそうとするのであります。改正法附則第九條がこれであります。

 第九点は、保健所制度の改正に伴うものであります。保健所は從來都道府縣及び大阪、京都、横濱、神戸、名古屋の各都市がこれを設置することになつておつたのでありますが、去る四月から、これらの都市以外の都市においても、特に保健所法施行令第一條に定められて都市は、保健所を設置することになりましたから、從來これらの都市にあつた保健所は、都道府縣立から市立に移管されることになり、その機関に勤務する職員は、道府縣の吏員から市の吏員となることになりましたので、これらの職員の中、その移管の際まで、恩給法上の公務員としての取扱いを受けていた者につきましては、その退職給與制度の確立を見まするまでの暫定的な取扱いといたしまして、当分の間市吏員としての在職年を、恩給法上の公務員として引続いて在職するものとして、取扱うことといたそうとするのであります。改正法附則第十條の改正規定が、これであります。

 第六点は、立法の趨勢に伴う法令の整備であります。現行法におきましては、相当多くの実体的規定を政令に委任し、これを、恩施行令に規定しているのでありますが、最近の立法形式の趨勢に鑑みまして檢討を加えました結果、同施行令中手続的の事項を規定した僅少の條項を除きまして、殆んど大部分の條項は、これを恩給法自体において規定することが適決であると考えられますので、これらの第項を恩給法に移すことにいたそうとするのであります。第十條第二項、第十條ノ二、第七二條の規定、その他相当数の規定がこれでありますが、実質的改正となるものはありません。

 以上の外、國家公務員に基く法令或いは人事委員会規則等が逐次整備され、恩給法の規定の中で或いはこれらの法令規則と矛盾、抵触するものを生じたような場合には、それらの規定に矛盾する恩給法の規定の効力がなくなるように予め措置いたしますと共に、又簡單な字句の修正及び不要となつた條項の整理等をいたそうとするのであります。第八十二條ノ二の規定等の改正規定等がこれであります。

 以下が本案を提出するに至りました理由であります。尚詳細なことにつきましては御質問に應じまして御説明いたしたいと存じます。

第2回国会参議院厚生委員会会議録第16号1頁(昭和23年6月25日)〔三橋則雄政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100201167)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。