当せん金付証票法案
参議院 財政及び金融委員会
昭和23年法律第144号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
荒木萬壽夫 政府委員(大蔵政務次官) 昭和23年7月2日ただいま本委員会の議題に相なりました当せん金附証票法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
いわゆる宝くじの発賣に関する根拠規定は、臨時資金調整法中に設けられてあつたのでありますが、本年四月同法の廃止に伴いまして、三月二十六日以後は新たな発行命令を出すことができなくなり、三月二十五日以前に命令の発せられているもののみが、同法廃止後も発賣せられているにすぎないのであります。今日インフレーションの高進を抑制するため、貯蓄の増強、租税の完納その他あらゆる手段を講じて購買力の吸收をはかる必要があるのでありますが、現下の國民の射倖的な心理をつかんだ購買力吸收手段もまた十分に認められるべきものと考えられますとともに、この方法は政府の財源獲得の一助ともなり得るのであります。他面、都道府縣におきましては、一般財源または公債によりがたい事業の財源獲得手段として、本制度の再現を期待しております点等に鑑みまして、当分の間從來に引続いて宝くじ制度を存置する考えのもとに、その根拠法律としまして、ここに当せん金附証票法案を提出いたした次第であります。
以下その概要を申し述べますれば、第一は、從來宝くじは命令の定める法人をして発賣させることになつていたのでありますが、この法律案におきましては、その目的に鑑みまして、証票の性格を鮮明にするため、政府または都道府縣がみずからこれを発賣することとしたのであります。なお都道府縣の発賣につきましては從來大藏大臣の認可を必要としたのでありますが、これを内閣総理大臣の許可事項とし、内閣総理大臣は大藏大臣に協議することといたしたのであります。
第二は、発賣者たる政府または都道府縣は、その発賣、当籤金支拂を希望する銀行に委託することといたしたのであります。
第三は、刑法の規定を解除して、発賣せられるこの証票の性質に鑑みまして、証票の條件その他の事項は、発賣前に告示することとし、なお当籤金品の最高額を法律に規定いたしたのであります。
第四は、当籤金品の支拂に関して、当籤証票は完全な引換証券とし、証票を離れて、当籤金品を請求し得ず、また発賣者は当籤金品支拂の責任をも有しないことを、規定の上で明確にいたしたことであります。
第五は、この当籤金品の性質に鑑みまして、これに一時所得としての所得税及び不動産取得税を課さないことといたしたのであります。
第六は、政府または都道府縣みずからが発賣者となるため、歳入及び歳出の処理に必要な規定を設けるとともに、発賣等の委託を受けた銀行の経理については、これを通常の業務と明確に区分せしめ、これを通常の業務に流用することを禁止する規定を設けることとし、なお必要な罰則を規定いたしたのであります。
以上、この法律案の要点につきまして御説明いたした次第であります。何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことを希望いたします。
次に、國営競馬特別会計法案提出の理由を御説明申し上げます。
今回競馬法を制定いたしまして、公正な競馬を行うため競馬を國営といたしますにつきまして、この競馬に関する歳入歳出のうち、勝馬投票券の発賣に関する歳入歳出は、性質上一般会計で経理することは不適当と存ぜられますので、今回國営競馬特別会計を設置し、勝馬投票券の発賣に関する経理を明らかにいたそうとするものであります。すなわち、この会計におきましては、勝馬投票券の発賣による收入金、勝馬投票券の発賣に伴う過誤受入金等の收入をもつて歳入といたし、拂戻金、返還金、事故現金の補填金、過誤受入金の拂戻金、一般会計への繰入金等の費用をもつて歳出とするものであります。
以上の理由によりこの法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことを希望いたします。
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第2回国会衆議院財政及び金融委員会議録第53号3頁(昭和23年7月2日)〔荒木萬壽夫政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100201222)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。