TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第5回国会›閣法第49号
閣法第5回国会 第49号成立修正あり

地方自治庁設置法案

昭和24年法律第131号 地方自治庁設置法
提出昭和24年4月18日 内閣
付託衆議院 内閣委員会
参議院 内閣委員会
参議院 内閣・地方行政連合委員会
参議院 地方行政委員会
成立
昭和24年法律第131号
審議会議 13回・発言 650(政府答弁等 186)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院内閣委員会・内閣委員会地方行政委員会連合審査会

  1. S24.4.20趣旨説明・質疑内閣委員会 1296
  2. S24.4.21趣旨説明・質疑内閣委員会地方行政委員会連合審査会 183
  3. S24.4.22質疑内閣委員会 1343
  4. S24.4.23質疑内閣委員会地方行政委員会連合審査会 2176
  5. S24.5.16質疑・修正案・討論・採決(修正)内閣委員会 22232
  6. S24.5.17委員長報告・討論・採決(修正)本会議 3154
  7. S24.5.30参議院回付案・参議院回付案不同意・採決(再議決)本会議 4047

参議院内閣委員会・内閣・地方行政連合委員会・地方行政委員会

  1. S24.4.21趣旨説明内閣委員会 737
  2. S24.4.25趣旨説明内閣・地方行政連合委員会 18
  3. S24.5.18質疑地方行政委員会 1866
  4. S24.5.19質疑地方行政委員会 1940
  5. S24.5.22採決(修正)内閣委員会 17300
  6. S24.5.23委員長報告・採決(修正)本会議 32255

提案理由

増田甲子七 政府委員(内閣官房長官) 昭和24年4月20日

政府はこのたび國立世論調査所設置法案を提出したのでありますが、ここにその提案の趣旨を御説明申し上げます。

 完全な民主政治が実現されるためには、自由な國民の意思、すなわち民意に基礎を置き、世論の動向に準拠した政治が行われなければならないので、このたび政府は國民の世論を行政施策に反映させて、行政の民主化を一層促進するために、その調査機関としてここに國立世論調査所を設置しようとするものであります。このことに関しては、すでに昭和二十一年十月十一日付をもつて、衆議院において國立世論調査研究所設置に関する建議が議決せられ、当時の衆議院議長から内閣総理大臣あて通告があつたものであります。

 公正な世論を尊重するということは、民主主義政治の根本原則でありますが、從來これを的確に把握することが困難であつたのであります。しかるにこの世論を科学的方法によつて正確に打診しようとするのが、輓近特に米國において発達した世論調査法であります。世論調査の方法は、米國において戰時中異常な進歩発達を遂げたのでありまして、特に七つの政府世論調査機関があり、これらは民間世論調査機関と竝んで、おのおのその特色を発揮し、政治の民主化に寄與しつつあるのが現状であります。わが國にあつても現在政府におきましては総理廳官房審議室内に世論調査部をおいて、政府施策のための世論調査を実施しつつありますが、さらに一層調査の公正と自主性とを完璧にするため、独立機関とし、この人員、予算をもつて本國立世論調査所にあてたいと存じます。

 國立世論調査所の目的とするところは、もつぱら政策の樹立に役立ち、行政の円滑な運営に資するために、科学的方法によつて公正に世論を把握することにあるのでありまして、事の性質上、その立場は、時の政府はもちろんのこと、党派にとらわれない、嚴正公平な自主的機関でなければならないのであります。そのゆえに法案の第一條に「自主的に」と明記し、また本調査所は機構としては、総理府の附属機関として設置され、これを運営するものは、世論調査の科学に関係のある民間の学術團体、すなわち日本社会学会、日本世論調査協会、日本心理学会、日本應用心理学会、日本新聞協会、日本統計学会、日本学術会議等の推薦した七名の学識経驗者から成る世論調査審議会が、自主的に独立してこれに当ることになつているのであります。

 調査所が行つた調査の結果は、内閣及び関係行政機関に報告されるとともに、これを公表し、内閣及び関係行政機関はこれを施策の立案、実施に役立てて、行政の民主化及び能率化と行政費の軽減をはかることができるのであります。

 なお本調査所は、関係方面の特別な要請もあり、その設置を急がれていたものでありまして、総理府設置法と並行して同時に発足せしめる必要から、今國会において本法案の審議をお願いする次第であります。

 以上が本法案の提案理由であります。十分御審査の上御協賛あらんことをお願いいたします。

 次に本委員会に付託になりました地方自治廳設置法案につきまして、その提案の理由及び主要な事項の概畧を御説明申し上げます。

 新憲法は、地方自治に関し特に一章を設け、地方自治の保障はわが國の政治組織の基本原理であることを明示いたしておるのでありますが、この條章に基き、地方公共團体の組織及び運営に関する基本的事項を規定した地方自治法が、新憲法施行と同時に施行されましたのを初め、警察法、消防組織法、教育委員会法、地方財政法等、一連の地方自治に関する法律が相次いで制定施行せられ、ここに地方自治に関する諸制度は、おおむね整備せられるに至つたのであります。

 かくのごとく制度としての地方自治は一應完成の域に近づきつつあるということができるのでありますが、これらの制度的措置が進むにつれまして、反面において地方財政の逼迫、地方出先機関の整理等の諸問題を初め、次のごとき各種の困難な問題が発生してまいつたのであります。

 すなわちその第一には、地方公共團体の自主的体制が確立された結果、國との間に新たな意味の緊密な連絡を保つ必要を生じて参り、第二に、これがため地方公共團体の運営の実情に即した主張を常時國の地方行政に関係のある諸施策に反映せしめる必要をさらに生じて参つたことであり、第三には、地方公共團体の自主性の強化により、地方公共團体相互間の連絡協調を、ともすれば不円滑ならしめる結果となり、地方公共團体間に、その運営上に著しい不均衡を生じて來たことであります。これらの事態に対処して、國家公益と地方公共團体の自主性との間に、適当な調和を保つ措置を講ずることが、地方自治の本旨を確保するゆえんであるとともに、國家施策の円滑な遂行を期することとなるのでありまして、この目的を達成するための具体的方策として、地方自治に関する総合的連絡調整機関を政府部内に設置せられたいという要望が、昨年以來地方公共團体一致の要望として、廣くかつ熱心に主張せられてきたのであります。政府はこれらの地方公共團体一致の要望にこたえるとともに、かたがた地方自治に関する行政部面と、財政部面とを、別箇の政府機関が掌理していることの不便を克服し、民主的かつ能率的な行政運営をはかるため、今回行政機構刷新の一環として、地方自治の総合的連絡機関たる地方自治廳を設置しようとするものであります。

 次に本法案の内容について簡單に御説明を申し上げます。まず地方自治廳の任務について申し上げます。地方自治廳は、以上の趣旨にかんがみ地方自治運営の現状に即應して、國と地方公共團体との連絡及び地方公共團体相互間の連絡協調を、さらに緊密ならしめるとともに、國家公益と地方公共團体との自主性との間に、適当な調和を保ちつつ、地方公共團体の自治権を擁護し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを任務とするまつたく新たな性格の機関でありまして、もとよりこれによつて地方公共團体の事務処理について、新たな監督等を加えようとするものではないのであります。

 次に地方自治廳の所掌事務でありますが、地方自治廳は、現在、地方自治に関する國の機関として、行政の部面を担任しておる総理廳官房自治課と、財政の部面を担任している地方財政委員会の、双方の所掌事務を統一的に処理いたしますほか、上述の地方自治廳設置の趣旨に基く、新たな地方自治に関する総合連絡に関する事務をも処理するわけであります。なお地方自治廳がその任務を十分に遂行することができるための制度的保障として、二つの方法が規定されているのであります。その第一は、地方自治に影響を及ぼす國の施策の企画立案及び運営に関し、地方自治権擁護の立場から、必要な意見を内閣及び関係行政機関に申し出ることであり、その二は、國家行政組織法第十六條第一項の規定による地方公共團体の長の申出を受理し、これに関する調査を行い、関係各大臣に対し必要な指示をなし、その他適当な措置を講ずることであります。

 次に地方自治廳の組織でありますが、この点につきましては、地方自治廳の所掌事務を強力に遂行できるようにするとともに、地方公共團体の意向を、如実にその施策の上に反映せしめ、もつて民主的な、かつ能率的な事務処理を期することにしたのであります。すなわち地方自治廳は、國務大臣をもつて長官といたしますとともに、衆、参両議員の中から各院の指名した者それぞれ一人、全國の都道府縣知事、市長及び町村長の連合組織が、その代表者として推薦した者それぞれ一人、並びに学識経驗のある者一人、都合七人の地方自治委員をもつて組織する地方自治委員会議を地方自治廳に置くことにしたのであります。地方自治委員会議の権限としては、まず第一に、地方自治廳が所管事務を処理するにあたつては、その重要な事項については、一々地方自治委員会議の意見を聞かなければならないこととしたことであり、第二に、地方自治廳の所管事務に関して、関係機関に意見を提示することができることとしたことであります。なお地方自治廳の内部部局といたしましては、官房のほか連絡行政部及び財政部の二部を置くこととし、連絡行政部においては、連絡の事務及び現在の総理廳官房自治課の所掌事務、財政部においては、地方財政委員会の所掌事務をそれぞれ分掌することとしているのであります。

 最後に本法の施行期日その他についてでありますが、本法は地方財政委員会の存続期間及び各省設置法の施行期日とにらみ合せ、本年六月一日からこれを施行することとし、準備手続は事前においても行うことができることとしているのであります。以上地方自治廳設置法案の提案の趣旨及びその内容の概畧を御説明申し上げた次第であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに議決あらんことを切望いたします。

第5回国会衆議院内閣委員会議録第12号4頁(昭和24年4月20日)〔増田甲子七政府委員発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。