日本国有鉄道法施行法案
参議院 運輸委員会
昭和24年法律第105号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
大屋晋三 運輸大臣 昭和24年4月23日ただいまから日本國有鉄道法施行法案の提案理由について御説明申し上げます。
日本國有鉄道法は、さきに本國会におきまして、その施行期日を延期することに決定せられ、いよいよ六月一日をもつて日本國有鉄道が発足する次第でありますが、いうまでもなく日本國有鉄道は、從來政府が預かつて参りました國有鉄道及びこれに関連する諸種の事業を、包括的に政府から引継ぎまして経営するものでありますので、この日本國有鉄道法を施行するにあたりましては、種々の法的措置を必要とするわけであります。すなわちまず第一には、職員の引継ぎ、財産その他一切の権利義務の承継、会計上の整理等、政府から日本國有鉄道への引継ぎに関する問題であります。
第二には從前の官制の廃止、特別会計法の廃止、あるいは関係法律の読みかえ等、日本國有鉄道の設立に伴う関係法令の改廃の問題であります。
第三としましては、日本國有鉄道の監理委員会の委員及び総裁の任命についての準備的措置の問題であります。
これらの問題を項目別に簡単に御説明いたしますと、まず最初の職員の引継ぎにつきましては、現に運輸省の職員であつて、國有鉄道及びこれに関連する事業に関係している者は、原則として全部引継ぐことを建前としたいと考えております。権利義務の承継につきましては、現に國有鉄道及びこれに関連する業務に関して、國の有している権利義務は、これまた原則として一切承継したいと考えているのであります。また会計上の整理につきましては、種々のこまかい手続上の問題がありますが、建前としましては、日本國有鉄道設立の前日における、國有鉄道事業特別会計の資産及び負債の全部を引継ぐこととし、所要の整理上の措置を規定しているわけであります。これに関連しまして、日本國有鉄道の資本金の額も、当日における國有鉄道事業特別会計の資産の價額から、負債の金額を控除した額に相当する金額、すなわち四十九億円余となるわけであります。
次に関係法令の改廃につきましては、日本國有鉄道は運輸省から分離独立することとなりますので、從前の官制を廃止するとか、國有鉄道事業特別会計を廃止するとかの措置が必要とされるとともに、一方日本國有鉄道は、一應國とは人格上別個の独立体となります関係で、從前の法律を読みかえたりするために、所要の改正を必要とする必要があるわけであります。
最後に日本國有鉄道の監理委員会の委員及び総裁の任命についての事前措置でありますが、これは日本國有鉄道法の施行が六月一日でありまして、その時期に國会が開会中でないことが考えられますので、それに対処し、日本國有鉄道の発足に支障ないよう、この準備的措置が必要となるわけであります。日本國有鉄道法によりますと、御承知のように総裁の任命のためには、その前提として監理委員会が成立していなければならないのでありますが、この監理委員会の委員の任命については、日本國有鉄道法施行後において、國会の御同意を要することとなつておりますので、もしその時期に國会が閉会でもされておりますと、御同意を得ることができず、ために監理委員会も成立せず、從いまして総裁も、その他の役員も、任命できないことと相なりまして、日本國有鉄道の六月一日からの発足にも、支障を來す事態に立ち至るのであるます。このようなことをおそれまして、その対策といたしまして、日本國有鉄道法の施行前に、将來監理委員会の委員となるべき者を、正規の委員の任命の方式と同一方式で指名しておき、またこれらの者の推薦によつて、総裁となるべき者をも指名しておきまして、日本國有鉄道法の施行と同時に、別段の任命の手続を要せず、正式の委員及び総裁となり得るよう、規定したのであります。このように措置することによりまして、日本國有鉄道は何らの支障もなく、発足し得ることとなるわけであります。
以上が日本國有鉄道法施行法の制定の趣旨と内容であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願い申し上げます。
第5回国会衆議院運輸委員会議録第10号5頁(昭和24年4月23日)〔大屋晋三運輸大臣発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501083)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。