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国会審議›第5回国会›閣法第136号
閣法第5回国会 第136号成立修正あり

児童福祉法の一部を改正する法律案

昭和24年法律第211号 児童福祉法の一部を改正する法律
提出昭和24年4月27日 内閣
付託衆議院 厚生委員会
参議院 厚生委員会
成立
昭和24年法律第211号
審議会議 10回・発言 481(政府答弁等 153)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院厚生委員会

  1. S24.4.28趣旨説明厚生委員会 1456
  2. S24.5.10質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)厚生委員会 17149
  3. S24.5.10委員長報告・討論・採決(修正)本会議 2693

参議院厚生委員会

  1. S24.5.10趣旨説明・質疑厚生委員会 21118
  2. S24.5.12質疑厚生委員会 2271
  3. S24.5.14質疑厚生委員会 2386
  4. S24.5.17質疑厚生委員会 24136
  5. S24.5.19質疑厚生委員会 2523
  6. S24.5.23討論・採決厚生委員会 2721
  7. S24.5.26委員長報告・採決本会議 35136

提案理由

林讓治 内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣 昭和24年4月28日

ただいま議題となりました兒童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げたいと考えます。

 兒童福祉法は、廣く十八才未満の兒童の健全な育成をはかるため、昭和二十三年一月一日より施行され、國、公共團体、各兒童福祉施設関係者及び保護者の努力と協力によりまして、次第に福祉の実効をあげつつあるのでありますが、施行後の経驗に徴し、次のような理由によつて、その一部を改正する必要が生じて参つたのであります。

 今回改正をいたしたい主要な点は、第一に少年法との調整であります。御承知のごとく、兒童福祉法は、満十八才に満たない兒童の福祉を目的としながら、刑罰法令に触れる行為をした十四才未満の児童と、満十四才以上十八才未満の児童であつて、その性格又は環境に照らして、将來罪を犯すおそれのあるいわゆる虞犯児童は、いづれも少年法によつて取扱われることになつておつたのであります。

 しかしながら、兒童の犯罪を予防するとともに、その不良化を防止し、これが保護指導を全うするためにに、兒童に対する豊かなる愛情をもつてする医学的、心理学的及び精神医学的判断を内容とする鑑別と、その結果に基く適切な指導あるいは性格矯正のための施設への送致という一貫した措置が必要であり、そのための施設と人員が系統的に備わつている児童福祉法による処理に移すことが、より適切と考えられたのであります。このような理由から、刑罰法令に触れる行為をした十四才未満の兒童は、これを兒童福祉法によつて扱い、満十四才以上十八才未満の虞犯児童は、これを兒童福祉法と少年法との双方によつて扱えるように、少年法との間に調整をはかり、児童福祉法の適用範囲を拡げて、児童の福祉を徹底するようにいたしたいのであります。

 第二には、新聞で報道された栃木、福島両縣下における、いわゆる兒童賣買事件についてでありますが、これらの事件は農家における経済的貧困を理由とするものではありますが、やはり子を親の私物と見る因襲的な家族制度の欠陥と、兒童に対する基本的人権の観念の低さとを露呈したものとして、きわめて遺憾なことと存ずるのであります。しかもこのような不合理な慣行は、たんに栃木、福島同縣下のみでおりませず、廣く全國にわたつて見られる現象であることが指摘せられておるのであります。児童の自由、人権を保障し、その福祉をはかるためには、営利を目的として他人の兒童の養育をあつせんすることを禁止するとともに、法令により児童を委託された場合、及び児童を單に下宿させる場合のほか、他人の兒童をその家庭におく者に届出の義務を課し、その届出に基いて必要な指導監督ができるようにいたしたいのであります。

 第三には、児童福祉を地方行政の面でさらに一段と推進いたしますため、市町村長の地位を明らかにし、その機能の強化を促したいのであります。すなわち市町村長は、児童福祉司及び児童委員から状況の通報及び資料の提供を求めることができるほか、児童福祉司に対しては、必要な援助を、児童委員に対しては、必要な指示をすることができるようにするなどの改正を行いまして、なお市町村における児童福祉の円滑な運営をはかるため、從來中央及び都道府縣のみに設置せられていました児童福祉委員会に準じ、市町村児童福祉審議会を置くことができるようにいたしたいのであります。

 次に現下の世状にかんがみ、家庭と並んで社会環境の整序が、児童の健やかな育成の見地から特に要請せられるのでありますが、とりわけ児童の精神的環境とも申すべき芸能、出版物、玩具等のあり方は、兒童福祉の上から特に重視しなければならないわであります。中央及び都道府県児童福祉審議会は児童福祉の問題について、廣く專門的知識を有せらるる民間の方々を中心として構成せられており、もともとこの問題について深い関心を拂い、研究をいたしておるのでありますが、今般この審議会がこのような文化財の製作者等に対し、その自主的な改善を促進し得るよう規定を整備し、この面からも兒童の福祉に遺憾なきを期して行きたいのであちます。

 以上のほか、児童の不良化を防止するため児童の背後にあつてこれを不当に支配している者に対する取締りの規定を加えるとともに、この法律にいう児童相談所または児童福祉施設でない児童福祉事業を行う施設について、その指導、取締りを行うための規定を追加し、その他從來療育施設の中に含まれていた盲、ろう、あ児施設を新たに児童福祉施設として独立せしめる等、法條の整備をいたしたいと考えるのであります。

 今日児童の問題が國家の切実な関心事となつております実情に照らしまして、この法律案の意味するところは、きわめて重要なことと思料いたすのであります。何とぞ御審議の上御可決あらんことを切に希望いたす次第であります。

第5回国会衆議院厚生委員会議録第14号3頁(昭和24年4月28日)〔林讓治内閣総理大臣臨時代理発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501136)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。