屋外広告物法案
参議院 建設委員会
昭和24年法律第189号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
内海安吉 政府委員(建設政務次官) 昭和24年5月7日ただいま上程になりました屋外廣告物法案の提案理由及び要旨について御説明いたします。
現行の廣告物取締法は、明治四十四年の制定にかかり、その内容は新憲法及び地方自治法の精神に照らして改正を必要とするものでありますので、これを廃止して、これにかえて本法案を制定しようとするものであります。
第一に、現行法は、その建前といたしまして、廣告物に関する実質上の規制をすこぶる廣範囲にわたつて、包括的に行政官廳の命令に委任しており、これに基き実際上は都道府縣知事が都道府縣規則を制定して、規制を行つております。このような廣汎な行政命令えの委任を認めますことは、新憲法下におきまして、國民の権利の保障が高められました今日、はなはだその趣旨に添はぬものがありますので、屋外廣告物に関する制限態様をできるだけ法律をもつて明確にいたしたいと存ずるのであります。
第二に、現行法におきましては、廣物告の規制に関する事務は、國の事務として取扱われておるのでありまして、実質的には今も申し述べましたように、都道府縣知事が都道府縣規則によつて取締つております。すなわち、廣告物に関する実質的な取締りは、一切都道府縣知事單独の責任において行われ、都道府縣の議会は全然関與いたしておりません。なおまた美観風致の維持という点から、行政官廳において廣告物に関して統制を加えましたことは、勢い官治的色彩の濃いものとなるきらいもあります。したがつてこの際廣告物の規制に関しましては、國の事務としての取扱いをやめて、都道府縣固有の事務として、都道府縣の條例をもつて取扱わしめます方が、地方自治の本旨にかない、かつ廣告物に関する規制も適切に行われ、その効果もまたよりよく期待できると思うのであります。
第三の点といたしまして、都道府縣がその固有事務として、條例で廣告物の規制を行うことといたしましても、各都道府縣があまりに異なつた條例を制定して、取締りにはなはだしい差異懸隔を生じますと、廣告物業者はもちろん、廣告物を表示しようとする一般國民にとりましても、はなはだ迷惑な次第でありますので、都道府縣が條例を制定します場合の基準となるべき事項を、法律をもつて明瞭にすることにいたしたのであります。
第四点といたしまして、廣告物に関する規制の目的をもつぱら美観風致の維持及び公衆に対する危害の防止のみに止め、現行法のごとくに、安寧秩序または風俗を保持するために廣告物の内容にわたる制限をすることは、本法案の対象としないことにいたしました。
以上で本法案の大要を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、本法律案の成立に御協力あらんことをお願いいたします。
—————————————
第5回国会衆議院建設委員会議録第13号2頁(昭和24年5月7日)〔内海安吉政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501173)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。