日本銀行法の一部を改正する法律案
参議院 大蔵委員会
衆議院 大蔵委員会公聴会
昭和24年法律第191号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会・大蔵委員会公聴会
- S24.5.7趣旨説明大蔵委員会 2660
- S24.5.9質疑大蔵委員会 27134
- S24.5.10補足説明・質疑大蔵委員会 28151
- S24.5.13公聴会大蔵委員会公聴会 142
- S24.5.14質疑大蔵委員会 3275
- S24.5.16委員長報告・討論・採決本会議 3088
- S24.5.16討論・採決大蔵委員会 3388
- S24.5.30参議院回付案・参議院回付案同意本会議 4047
提案理由
中野武雄 政府委員(大藏政務次官) 昭和24年5月7日次にただいま提案せられました日本銀行法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びに内容を御説明申し上げます。
御承知のように昭和二十四年度予算においては、経済九原則に基き実質的な均衡財政が確立されることにより、財政面からするインフレーシヨンは復興金融金庫の関係をも含めまして、完全に除去されることと相なつたのであります。今回は、財政と金融との区分が明確にされたのでありまして、この予算におきましては、財政面から金融機関の資金を新たに必要とすることはなくなつたばかりでなく、既往の復金債の現金償還の実施並びに援助資金による國債の償還ないし買入、または直接投資も期待されることになつたのであります。経済九原則に基く当面の通貨政策は、デイスインフレーシヨンの確保ということであろうと思いますが、経済の安定復興をはかるためには、経済、金融一般の情勢に應じ、金融機関の資金を最も有効に使用して、輸出の振興、生産の増加に寄與することを考えなければならないのでありまして、適時適当なる金融政策がとられることが肝要と存ずるのであります。
この意味におきましてわが國の中央銀行である日本銀行の占める地位は、きわめて重大となつて参つたのでありまして、日本銀行における通貨信用操作の是非いかんは、わが國経済の再建のために、非常に大きな関係を持つこととなつたのであります。
このような点にかんがみ、以上申し上げました要請に應ずるため、今般日本銀行にその最高の政策決定機関として、経済各界の権威をもつて構成される政策委員会を設置して、日本銀行がその中央銀行としての機能、金融の調整を行うに遺憾なからしめることといたしたのであります。
以下本法案につきましてその内容を御説明申し上げます。
すでに申し上げましたように政策委員会は、日本銀行の最高の政策決定機関として設置されるのでありますが、その任務は日本銀行の業務の運営、中央銀行としての機能及び他の金融機関との契約関係に関する基本的な通貨信用の調節、その他の金融政策を國民経済の要請に適合するように作成し、指示しまたは監督することに存するのであります。しかして日本銀行の割引及び貸付利率、公開市場操作その他その業務、運営についての基本方針、日本銀行の経理に関する事項、一般金融機関の金利の決定、取引金融機関の日本銀行預け金の割合の変更、一般金融機関の証券業者に対する貸付、投資及び貸付担保に関する事項の決定及び変更、並びに法律または契約関係により、信用調整に関して同委員会に委任される政策事項及び金融機関の檢査が、その所掌事項に属するのであります。またこの委員会は金融機関の業況、当該年中においてとつた政策等を、毎年大藏大臣を通じて國会に報告することとなつております。
この政策委員会は委員七人をもつて組織されるのでありますが、金融業関係で二人、うち一人は地方銀行の、また他の一人は都市大銀行の経驗と識見を有する者とし、また商工業関係で一人、農業関係で一人、いずれもすぐれた経驗と識見を有する者合計四人のほか、職務上当然の委員として日本銀行総裁、大藏省を代表する者一人、経済安定本部を代表する者一人、すなわち全部で七人の委員と相なつております。職務上当然に委員となるもの以外の委員は内閣において任命せられ、法令により公務に從事する委員となされ、その任期は四年で順次に各委員の任期が満了することになつております。またもつぱらその職務に從事し、四年未満で退職した者は、その後二年間は政策委員会によつて監督される金融機関の地位につくことができないこととなつております。大藏省及び経済安定本部を代表する委員各一人は、政策委員会において議決権を有しないこととなつております。また議長は委員の互選によつて定められ、政策委員会の会務を総理し、これを代表することとなつております。
以上のような機能構成を持つ政策委員会の設置に伴いまして、総裁以下の從來の日本銀行の役職員は、政策委員会の定める方策に從つて、日本銀行の業務を執行することとなり、また日本銀行の基準割引歩合及び基準貸付歩合、日本銀行の賣買することのできる債券の種類についての大藏大藏の認可制は、これを廃止することが適当と認められますので、これらの点等について日本銀行法に所要の改正を加えることとし、また政策委員会が金利に関する事項をつかさどることになつたのと照應いたしまして、臨時金利調整法に所要の改正を加えることといたした次第であります。
この政策委員会は、経済九原則に伴う財政と金融との分離の確立等、最近の経済情勢の変更に伴う要請に應じて設置されるものでありまして、最近の金融経済の情勢にかんがみ、この政策委員会が一日も早く設置され、その活動を開始することが、きわめて必要とされるのであります。
この法案の緊急性を御了解くだされ、御審議の上何とぞすみやかに御賛成あらんことを、切望いたす次第であります。
第5回国会衆議院大蔵委員会議録第26号7頁(昭和24年5月7日)〔中野武雄政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501185)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。