船主相互保険組合法案
参議院 大蔵委員会
昭和25年法律第177号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
舟山正吉 政府委員(大蔵事務官(銀行局長)) 昭和25年4月26日ただいま議題となりました船主相互保険組合法案につきましてその提案理由並びに要旨を御説明いたします。
現行の保険業法によりますと、保険事業を営むことのできるものは、株式会社または相互会社に限られておりますが、船舶海上保険におきましては、損害保険会社の引受けない分野があり、船舶所有者の間において、相互保険を行うための相互保険組合設立の要望は、大なるものがあるのであります。その理由は、まず第三に昭和二十三年七月、木船保険法による木船保険組合が解散しました後は、危険率の高い木船の保険は、保険会社が引受けることを好まず、現在では、木船のほとんどすべてが無保険の状態にありますことと、第二には大型鋼船船主が、船舶の運航に伴つて負担する費用及び責任につきましては、現在の損害保険会社の船舶海上保険約款では、担保されない範囲が少からずあるので、昭和二十四年四月一日から、船舶運航の方式が船舶運営会の裸傭船から定期傭船に変更されて、船主の負担する費用及び責任の範囲が拡大されるに伴い、保険会社の担保しない危険を相互に保険する必要が痛感されておりました。今回さらに、来る四月一日から、船舶の運航はすべて船主自身の手で行われることとなりましたので、その必要が倍加されて来たのであります。従いまして、これらの船主が相互扶助の精神で、船主相互保険組合を設立することは必要であると考えられますので、ここに本法案を提出して、組合組織による船主の相互保険事業を認め、右の要望にこたえようとするものであります。
次にこの法案の要旨は、大体次の通りであります。第一にこの法案は、船主相互保険組合の行う相互保険たる損害保険事業の健全な経営を確保し、その組合員及び組合の一般債権者の利益を保護しようとするものであります。
第二にこの法案に基いて設立される船主相互保険組合は、主として木船の船体に関して相互保険を行う木船相互保険組合と、大型鋼船船主の費用及び責任に関して相互保険を行う船主責任相互保険組合との二つに限られております。
第三に船主相互保険組合を設立するには、出資の総額が二百万以上、組合員の数が十五人以上、及びその組合員の所有または賃借する保険の目的たる船舶の数が百隻以上で、かつ主務大臣の認可を受けなければならないことといたしております。
第四に組合員たる資格を有するものは、木船相互保険組合にありましては、木船を所有または賃借するもの、船主責任相互保険組合にありましては、鋼船を所有または賃借するもので、それぞれ定款で定めるものに限り、組合への加入については、一口以上の出資及び保険料の払込みを條件としております。
第五に船主相互保険組合は、主務大臣の認可を受けて組合員に対し保険料の追徴または保険金の削減をすることができる規定を置きます一方、剰余金につきましては、組合員の出資額または事業の利用分量に応じて、分配することができる規定を設けております。
第六に船主相互保険組合の機関、計算、清算及び解散につきましては、保険業法及び商法の所要の規定を準用しております。
第七に監督は、木船相互保険組合につきましては、木船に対する海運行政と密接な関係がありますので、保険料率または責任準備金の積立て等に対する監督のごとく、純粋に保険行政上の監督を除いたほかは、大蔵大臣と運輸大臣との共管とし、船主責任相互保険組合につきましては、大蔵大臣の専管といたしております。
第八に右に述べました諸規定の違反に対しまして、所要の罰則を規定しております。
最後に附則におきまして、船主相互保険組合に対する事業者団体法の適用を排除し、また法人税を軽減いたしますため、事業者団体法及び法人税法に対する所要の改正をいたしております。
以上がこの法案提出の理由並びにその内容の要旨でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
第7回国会衆議院大蔵委員会議録第59号8頁(昭和25年4月26日)〔舟山正吉政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100701183)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。