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国会審議›第10回国会›閣法第45号
閣法第10回国会 第45号成立修正あり

地方税法の一部を改正する法律案

昭和26年法律第95号 地方税法の一部を改正する法律
提出昭和26年2月26日 内閣
付託衆議院 地方行政委員会
参議院 地方行政委員会
衆議院 地方行政委員会公聴会
衆議院 議院運営委員会
成立
昭和26年法律第95号
審議会議 25回・発言 1,607(政府答弁等 595)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院地方行政委員会・地方行政委員会公聴会・議院運営委員会

  1. S26.2.27趣旨説明地方行政委員会 1626
  2. S26.3.2質疑地方行政委員会 18200
  3. S26.3.6質疑地方行政委員会 19125
  4. S26.3.7質疑地方行政委員会 2053
  5. S26.3.8質疑地方行政委員会 219
  6. S26.3.9公聴会地方行政委員会公聴会 149
  7. S26.3.13質疑地方行政委員会 2259
  8. S26.3.14質疑地方行政委員会 2331
  9. S26.3.15質疑地方行政委員会 2445
  10. S26.3.17質疑地方行政委員会 2598
  11. S26.3.20法案中修正本会議 2232
  12. S26.3.20法案中修正・法案中修正趣旨説明・質疑地方行政委員会 2650
  13. S26.3.20法案中修正議院運営委員会 2861
  14. S26.3.27質疑・修正案・修正案趣旨弁明・討論・採決(修正)地方行政委員会 2757
  15. S26.3.28修正案・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 2673

参議院地方行政委員会

  1. S26.3.1趣旨説明地方行政委員会 1738
  2. S26.3.2質疑地方行政委員会 18103
  3. S26.3.5質疑地方行政委員会 19104
  4. S26.3.8質疑地方行政委員会 2091
  5. S26.3.12質疑地方行政委員会 2241
  6. S26.3.20質疑地方行政委員会 27147
  7. S26.3.23質疑・法案中修正地方行政委員会 28103
  8. S26.3.26質疑地方行政委員会 29116
  9. S26.3.27質疑地方行政委員会 30127
  10. S26.3.29質疑・衆議院修正部分趣旨説明地方行政委員会 32113
  11. S26.3.30質疑・討論・採決地方行政委員会 3345
  12. S26.3.31委員長報告・討論・採決本会議 35247

提案理由

岡野清豪 地方自治庁長官 昭和26年2月27日

ただいま上程されました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。御承知のごとく昨年八月、地方税収入の拡充と地方税制の自主的の強化とによつて、地方自治の根基をつちかうとともに、住民負担の合理化と均衡化とを確保することを目途として、画期的な地方税制の改革が断行されたのでありますが、爾来新地方税制は、住民の積極的な理解協力と、地方団体当局の不断の努力精進とによりまして、逐次その本来の目的を達成し、地方自治の伸張、ひいては国政の民主化に寄與しようといたしているのであります。しかしながら、新地方税制は何分にも、未曽有の広汎かつ根本的な改革をその内容とするものでありまして、その施行の結果等に顧みますとき、住民負担の合理化及び税務行政の効率的運営の見地よりいたしまして、なお若干の改正を加えることが適当であると考えられる点があるのであります。たまたま先般シヤウプ第二次勧告が公表せられまして、新税制に対する批判とその運営に関する貴重な示唆も得られましたので、これらの諸点をも参考とし、また法施行後の運営状況に基いて、ここに地方税負担の均衡化と地方税徴収制度の改善をはかることを目的として、地方税法の一部を改正することといたした次第であります。改正の第一は、附加価値税に関するものであります。その一は、課税標準の算定について青色申告をなす法人に対し、加算法の選択的採用を認めたことであります。附加価値税の課税標準の算定については、現行法は、企業の一定期間における総売上金額から機械、設備、原材料、商品、動力等の外部に対する支出金額を控除した額によるところのいわゆる控除法によることといたしております。しかしながら複式簿記を備えつけて企業経理を行つている法人にありましては、これとほぼ同様な結果をみるところの、当該期間における所得、給與、利子、地代及び家賃の合計額によるいわゆる加算法を用いた方が経理上容易であり、かつ実際的でもあると考えられるのであります。従いましてこのような法人にありましては、附加価値税の課税標準を控除法によらないで加算法によつて算定することができるものとしたのであります。ただこのような選択を認めますためには、当該法人の帳簿の記載の正確を期する必要がありますので、青色申告を認められていることを要件といたしたのであります。その二は、控除法によつて附加価値税の課税標準を算定するに際しまして、同税の実施前に取得した固定資産の減価償却額を総売上金額から控除することを認めようとするものであります。その趣旨は、附加価値税実施前に、固定資産を取得した企業と同税実施後に固定資産を取得した企業との間に均衡を得せしめようとするものでありまして、同税実施の日における帳簿価額を残存耐用年数で除した額を順次爾後の各事業年度または各年の附加価値額から控除しようとするものであります。ただこのような取扱いを認められるためには、経理内容の明確であることが絶対の要件とされますので、附加価値税について青色申告を認められた法人または個人に限るものとしているとともに、総売上金額から控除する減価償却額の年次割について、法人にあつては昭和二十七年一月一日の属する事業年度の末日までに、個人にあつては昭和二十七年三月三十一日までに道府県知事の承認を受まてしまわなければならないものとしております。その三、二以上の道府県に事務所または事業所を設けて事業を行う法人または個人が関係道府県に納付すべき附加価値税額の基礎となる課税標準額について、その分割の方法を簡易化したことであります。すなわち分割の基準は、原則として従業員の数によることとし、ただ電気供給業、ガス供給業、地方鉄道事業、軌道事業及び倉庫業に限り、その事業の性格上、固定資産の価額及び従業者の数の両者によつて、按分するものとしたのであります。その四は、附加価値税の概算納付のうちで、その年の見込みに基いて納付するものを概算申告納付と呼ぶこととし、この部分については更正または決定を行うことができるものとしたことであります。その反面、現事業年度または現年の附加価値額の見込み額が前事業年度または前年の実績額の五割以下には低下しないが、七割以下であつても、現事業年度または現年の見込み額によつて概算申告納付することができるものとしたのであります。改正の第二は、市町村民税に関するものであります。その一は、法人に対する市町村民税について、新たに法人税割の制度を設けたことであります。現在法人に対しましては、均等割しか課税いたしておりませんし、また個人に対する市町村民税の所得割も、所得税額を課税標準とするときは、算出所得税額から配当所得の百分の二十五を控除したものを課税標準としているため、配当所得には個人の段階においても、法人の段階においても市町村民税を課税していないという結果になつているのであります。よつて改正案におきましては、配当所得について源泉課税しようとするねらいをも含め、かたがた個人及び法人間の課税上の不均衡を是正いたそうという考えから、新たに法人税割を設けることとしたのであります。税率は標準を一〇%、制限を二%といたしております。なお、徴収の方法としては、法人が法人税納付の際、同時に事務所または事業所所在地の市町村に申告納付する方法によることとし、法人が二以上の市町村に事務所または事業所を有するときは、従業者の数に按分してそれぞれ市町村に分割納付するものといたしているのであります。その二は給與所得について、源泉徴収の方法を採用することができるものとしたことであります。申すまでもなく、一般に給與所得者におきましては、市町村民税をまとめて徴収されますことは、非常な苦痛を伴うことでありますので、給與の支拂いを受ける際に給與の支拂者をして、便宜徴収せしめる道を開くのが適当であると考え、簡易な一般の源泉徴收の方法を市町村の任意によつて採用することができるものとしたのであります。この方法によつて給與の支拂者に源泉徴収をさせようとする市町村は、前年の所得について算定した個人別の市町村民税を、毎年四月十五日までに給與の支拂者に通知しなければならないものとするとともに、給與の支拂いを受ける者が転職、退職等をしたときは、その翌月からはもはや給與の支拂者は、特別徴収の義務を負わないことといたしたのであります。給與の支拂を受ける者の住所地市町村である課税地市町村と、給與の支拂いをなす者の支拂地市町村とが異なるときは、課税地市町村は支拂地市町村内の金融機関を指定いたしますので、給與の支拂いをなす者は、これに納入すれば足りるものとしております。なお、給與所得について源泉徴収の制度をとることにしたのと関連して、賦課期日を一月一日に改めたのであります。その三は、法人等が一市町村内に二以上が事務所または事業所を持つている場合においても、一の納税義務者として取扱うものとするほか、新たに年齢六十五年以上の者で、前年中に十万円を越える所得を有しなかつた者にも、市町村民税を課することができないものとしたことであります。その四は、市町村民税の所得割の課税標準に課税総所得金を採用する場合において、財政上特別の必要がある市町村においては、総所得金額から基礎控除額のみを控除したものを課税標準とすることもできるものとし、必要に応じ所得割の負担を広く住民から求めることができる道を開くこととしたことであります。その五は、所得税の納期の変更に応じて、市町村民税の納期の標準を六月、八月、十月及び一月中に変更するとともに、納期前の納付に対する報奨金の額を、税額の月百分の一に引上げることといたしたことであります。改正の第三は、固定資産税に関するものであります。その一は、使用者に対する固定資産税を廃止することといたしたことであります。現在国や地方団体などの所有に属する固定資産で、公用または公共用に供されているもの以外の固定資産については、その使用者に固定資産税を課するものとしているのでありますが、庶民住宅の居住者その他、この種固定資産の使用者の負担の状況にかんがみ、使用者に対する固定資産税を廃止することといたしたのであります。その二は、償却資産に対する固定資産税の免税点を、三万円に引上げたことであります。零細な償却資産まで課税の対象に取上げて、納税者に無用な圧迫感を與えることは避けようとする趣旨からであります。その三は、従来地方財政委員会が価格を決定していた船舶、車両、鉄軌道、発送配電施設のうち、関係市町村が一道府県内にとどまるものは、実情に明るい道府県知事をして、価格の決定を行わしめることとしたことであります。

 その他、市町村民税におけると同様、納期に若干の変更を加え、また納期前の納付に対する報奨金の額を引上げることといたしましたほか、固定資産評価審査委員会の委員の定数は、その処理する事務が多い市におきましては、これを十五人まで増加することを認めることといたしたのであります。

 改正の第四は、法人の事業に対する事業税につきまして、申告納付の制度を採用したことであります。従来事業税の中で法人事業税の徴収成績が必ずしも芳ばしくなかつたこと、特にその原因が、二以上の道府県にわたつて事業を行う法人について、課税標準の分割が非常に遅延していたことにあつたのにかんがみ、附加価値税に準じ分割の基準を簡素化するとともに、申告納付の制度をとることによつて、かかる弊害を打破し、早期に税収を確保することにしたいと考えたからであります。改正の第五は、国民健康保険税の創設であります。従来、国民健康保険事業を行う市町村は、保険料を徴収していたのでありますが、この保険料の徴収成績が必ずしも良好でなく、ために国民健康保険財政は、その運営に困難の度を加え、ひいては市町村の一般財政に重大な圧力を加えているのであります。この点にかんがみまして、保健料にかえて国民健康保険税を市町村の目的税として創設し、もつて国民健康保険事業の有します相互扶助の精神の徹底化をはかりますとともに、国民健康保険財政の確立をはかることにいたしたのであります。このことは国民健康保険事業を行う市町村年来の要望でありますし、かつはまた社会保障制度の確立のためにも、大なる貢献をなすべきことが期待されるのであります。この国民健康保険税は、新税ではありますが、従来の保険料にかえて創設されるものでありますがゆえに、住民の負担としては、何ら増減するものではないのであります。改正の第六は、その他に関するものでありまして、その一は国税と地方税との徴収順位は、差押えの場合において、先着手の順位によるほかは同順位によるものとし、それぞれの債権額に按分して收納することにしたことであります。その二は、狩猟者税、自転車税、荷車税等の罰則の規定中、体刑を廃止して、その合理化をはかつたことであります。以上が本改正案の内容でありますが、もつぱら地方税負担の均衡化と、地方税徴收制度の改善をはかり、新税制の運営を円滑ならしめようとするものであります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに議決せられんことを希望する次第であります。

第10回国会衆議院地方行政委員会議録第16号22頁(昭和26年2月27日)〔岡野清豪地方自治庁長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)
地方税法56条(法人の道府県民税の不足税額及びその延滞金の徴収)4地方税法72条の44(法人の事業税の不足税額及びその延滞金の徴収)4地方税法321条の12(法人の市町村民税の不足税額及びその延滞金の徴収)4地方税法57条(二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人の道府県民税の申告納付)3地方税法58条(二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人の法人税額の分割の基準となる従業者数の修正又は決定)3地方税法72条の31(法人の事業税の期限後申告及び修正申告納付)3地方税法321条(個人の市町村民税の納期前の納付)3地方税法72条の45(納期限後に納付する法人の事業税の延滞金)2地方税法72条の48の2(二以上の道府県において事務所又は事業所を設けて事業を行う法人の課税標準額の総額の更正、決定等)2地方税法72条の49の10(法人の事業税に係る総務省の職員の行う検査拒否等に関する罪)2地方税法72条の64(個人の事業税に係る総務省の職員の行う検査拒否等に関する罪)2地方税法74条の21(たばこ税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法321条の13(二以上の市町村において事務所又は事業所を有する法人の市町村民税の申告納付)2地方税法321条の14(二以上の市町村において事務所又は事業所を有する法人の法人税額の分割の基準となる従業者数の修正又は決定)2地方税法368条(申請又は申告をしなかつたことによる固定資産税の不足税額及び延滞金の徴収)2地方税法481条(たばこ税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法534条(鉱産税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法607条(特別土地保有税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法701条の59(事業所税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法27条(道府県民税に係る検査拒否等に関する罪)1地方税法365条(固定資産税に係る納期前の納付)1

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101001045)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。