海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律案
参議院 運輸委員会
昭和27年法律第35号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院運輸委員会
- S27.3.27委員長報告・討論・採決本会議 2560
- S27.3.27趣旨説明・質疑・採決運輸委員会 1530
参議院運輸委員会
- S27.3.31委員長報告・採決本会議 2798
- S27.3.31趣旨説明・質疑・採決運輸委員会 1390
提案理由
佐々木秀世 政府委員(運輸政務次官) 昭和27年3月27日ただいまから海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
従来海外からの日本国民の集団的引揚げについては、連合国最高司令官の覚書、すなわち帰還輸送に関する基本指令に基き、これに関する海上輸送は商船管理委員会が行つて来ました。しかし同委員会は、本年三月末日をもつて解散の予定であり、従つて今後の帰還輸送は、一般の船舶運航業者の協力にまたねばならなくなるのであります。このため政府といたしましては、予算的措置を講じた上、大阪商船株式会社と契約を結び、同社所有の高砂丸を待機せしめ、そのための航海に当らしめる方針でありますが、将来の引揚者の量、あるいはその他の事情により、右の措置をもつてしては船舶に不足を生ずることもあり得ないことではなく、このような場合にはさらに他に船腹を求めなければならないのであります。しかるに通常の契約をもつてしては所要の船舶を調達できないような場合も、万一の場合として予想せられないではありませんので、このような場合に備えて、運輸大臣が船舶運航事業者に対し、強制命令を発して必要な船舶を就航させることができるようにすることが必要であると考えられるのであります。これがこの法律案を提案する理由であります。
もちろんこの強制命令については、完全補償を行い、当該船舶運航事業者が、経済的損失をこうむらないようにする必要があります。この法律案はかかる強制命令を発する権限を運輸大臣に與えるとともに、あわせてその補償に関する事項を規定しようとするものであります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
続きまして、道路運送車両法の一部を改正する法律案の提出理由について御説明いたします。
この法律案は、現在施行しております道路運送車両法に基く行政事務のうち、自動車等の登録及び検査の制度を簡素化いたしまして、行政の能率化及び簡素化をはかるとともに、応益の要素を考慮して、新たに車両検査に関して手数料を徴収しようとするものでありますが、その骨子は次の通りであります。
第一に、二輪の小型自動車及び軽自動車についての登録の制度と、軽自動車についての車両検査の制度を廃止いたすことといたしました。これに伴いまして従来、登録の際に定めておりました車両の番号は車両検査または使用の届出のときに指定されることとなります。
第二には、車両検査証の有効期間を変更することであります。現在すべての自動車について一律に一年となつておりますが、自家用の乗用自動車等につきましてはこれを二年に延長いたし、バス、タクシー等の旅客運送事業用の自動車につきましては、自動車の整備を向上し、運送の安全をはかるために、九箇月に短縮することになつております。なおトラックについては従来通り一年とするものであります。第三に、原動機付自転車と軽車両に関しましては、現在行つております車両検査と、この際行われる車両番号の指定制度を廃止いたすことになつております。これに伴いましてこれらの車両は、車両の保安基準の適用が残るだけでありまして、官公庁に対する手続は一切不用になるのであります。
第四には、伴来無料で行つておりました自動車の車両検査について、手数料を徴収することにいたしたことであります。
以上がこの改正法律案の大要でありますが、行政の能率化及び簡素化をはかりますために、この法律の制定を必要とするものと考えますから、何とぞ十分御審議の上、可決されるようにお願いいたす次第でございます。
第13回国会衆議院運輸委員会議録第15号3頁(昭和27年3月27日)〔佐々木秀世政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301116)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。