公務員等の懲戒免除等に関する法律案
参議院 人事委員会
昭和27年法律第117号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院人事委員会
- S27.4.11趣旨説明人事委員会 86
- S27.4.15質疑人事委員会 940
- S27.4.17質疑人事委員会 1029
- S27.4.19採決人事委員会 114
- S27.4.24委員長報告・討論・採決本会議 3450
参議院人事委員会
- S27.4.16趣旨説明人事委員会 1213
- S27.4.25逐条説明・質疑・討論・採決人事委員会 1456
- S27.4.28委員長報告・採決本会議 3475
提案理由
菅野義丸 政府委員(内閣官房副長官) 昭和27年4月11日ただいま議題となりました公務員等の懲戒免除等に関する法律案につきまして、その提案理由並びに要旨を御説明申し上げます。
御承知の通り、従来天皇の即位及び大喪、皇太子の誕生等国民があげて悲喜をわかつ慶弔事のあります際には、一方で恩赦が行われると同時に、他方で公務員の懲戒の免除、弁償責任の免除及び公証人、弁護士等一定の職種についての懲戒の免除が行われるのがおおむね通例となつておるのであります。政府におきましては、今回日本国との平和條約の発効によりわが国自立達成の記念すべきときを迎えるに際し、広く恩赦を行うべく、別に準備を進めておるのでありますが、この際、先例にかんがみまして、公務員等の懲戒の免除及び弁償責任の免除をも同時に実施いたしたいと考えている次第であります。しかしながら、旧憲法の下にありましては、公務員等の懲戒の免除及び弁償責任の免除の措置、恩赦と同様、いずれも天皇の大権の事項とせられ、従つて勅令により、実施せられたのでありますが、新憲法下の今日におきましては、恩赦が恩赦法に基いて行われますように、懲戒の免除、弁償責任の減免につきましても、法律によるべきでありまして、特別の立法措置を要するものと考えられるのであります。これが本法律案を提案するに至りました理由であります。
次に本法律案の要旨の大要を御説明申し上げます。
第一に、従来の例によりますと、懲戒の免除及び弁償責任の免除は、その実施の都度国家公務員の懲戒の免除、地方公務員等の懲戒の免除、海技従事者及び水先人の懲戒の免除、公証人、弁護士、司法書士、弁理士及び計理士の懲戒の免除並びに出納官吏等の弁償責任の免除というように分けまして、それぞれ別箇の勅令によつて行われたのでありますが、本案におきましては、これらの措置を単一の法律にまとめ、かつ、恒久的な制度として確立することといたしたいのであります。
第二に、本案におきましては、大赦または一般的な復権が行われます場合において、これと並行して行われる懲戒の免除、弁償責任の免除につき、その基本的な事項を規定するのでありまして、実施についての具体的な必要な事項は、政令または地方公共団体の條例で定め得ることといたしました。
第三に、懲戒の免除について申し上げますと、まずその対象については、国家公務員、地方公務員、日本国有鉄道及び日本専売公社の職員のほかは、別に政令で定めることといたしましたが、これはおおむね先例の趣旨に従つて、公証人、弁護士その他を指定する所存であります。
次に、これらの者に対する具体的な措置は、実施の都度政令によつて行うのでありますが、ただ地方公務員につきましては、地方自治尊重の建前から、條例で定めることといたしました。第四に、弁償責任の減免につきましても、懲戒の免除と同様、その考え方は、おおむね従前の例を踏襲することといたしました。ただ従前におきましては弁償責任は、すべて一律に全部免除されるという建前になつておりましたが、これは恒久的な制度として考えますると、その影響するところ大であり、必ずしも妥当とは申されぬ点もありますので、本案では、弁償責任の一部免除の場合を含め、「減免することができる」といたしました。具体的な減免措置について、地方公務員については條例で、その他の者については政令で定められることは、懲戒の免除と同様であります。
第五に、懲戒の免除の効果につきましては、この免除を受けた日から将来に向つてのみ効果を持つのでありまして、既成の効果は変更されないことを明確にいたしましたが、これは従来も同様であります。
次に公務員、公証人などは、懲戒の処分によつて免職となりますと、その後一定期間は再びその職または特定の職につく資格を失うことになつているのでありますが、懲戒の免除によつて、それらの資格を回復するかいなかについて、従来は何らの規定なく、ただ実際の運用において回復するものとして取扱われていたのであります。本案におきましては、これらの事情及び一般的復権との均衡を考慮いたしまして、懲戒の免除により、それらの資格は当然回復する旨明記することにいたした次第であります。
最後に懲戒の処分等に関する訴訟、訴願等不服の申立等につきましては懲戒の免除または弁償責任の免除を受けても影響されないことを明らかにいたしました。
以上本法律案の提案理由並びに要旨の大要を御説明申し上げました。何とぞすみやかに御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
第13回国会衆議院人事委員会議録第8号2頁(昭和27年4月11日)〔菅野義丸政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301154)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。