国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案
衆議院 大蔵委員会
昭和27年法律第191号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
提案理由
西村直己 政府委員(大蔵政務次官) 昭和27年5月13日ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
今回わが国は国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定に加盟することといたし、これがため国際通貨基金協定及び国際復興開発銀行協定加盟につき承認を求める件を、別途国会へ提出中でありますが、加盟に伴つてわが国は基金協定及び銀行協定の規定によつて、出資の払込みその他各種の義務を負うこととなるのであります。これらの義務を履行いたしますためには、国内法的な措置を必要とするものがありますので、このためこの法律案を提出いたした次第であります。
次にその内容の概略を申し上げます。
まず、基金及び銀行に対する出資額は、それぞれ一億五千万ドルでありまして、現行のレートで換算いたしますと、それぞれ九百億円となりますので、政府はこの金額の範囲内で、基金及び銀行に対して出資し得ることを規定いたしました。この金額は現在ただちにその全額の支出を要するものではなく、負担の最高限を示したものであります。
次に、基金に対する出資は金及び本邦通貨で、銀行に対する出資は金または合衆国通貨その他の外国通貨及び本邦通貨で行い得ることと定めております。すなわち基金への出資は二つの部分にわかれ、割当額二億五千万ドルの二五%に当る部分は、金で加入前に出資することを要しますが、残額七五%に当る額は本邦通貨で加入後支払うことになるのであります。また銀行に対する出資は三つの部分に分れ、第一に、総額一億五千万ドルの二%に当る部分は、金または合衆国ドルで、第二に、総額の一八%に当る部分は本邦通貨で、いずれも加入前に払い込むことを要しますが、総額の八〇%に当る額、すなわち出資額総計の大部分は、将来銀行から払込みの請求があつたときに金、合衆国ドルその他の外国通貨のいずれかで支払うこととなるのであります。
次に、出資を行うにあたりましては、わが国の財政の現状にかんがみまして、日本銀行の所有する金地金をその帳簿価額で買い上げ、これを基金に出資する金の一部に充てることが適当と認められますので、これに関し必要な事項を規定いたしました。
次に、基金協定及び銀行協定によりますと、本邦通貨たる円で払い込む額については、必ずしも現金で全額出資する必要はなく、その大部分は、政府または中央銀行の発行する一定の証券をもつて、円貨の払込みにかえることができますので、わが国もこの協定の規定により、その払い込むべき本邦通貨の大部分を、国債の交付によつてかえることとし、この出資のために基金及び銀行に交付する国債の発行等に関して、必要な事項を規定したのであります。
なおこの国債は、基金または銀行から要求のあり次第、ただちに現金で支払われるべきものであることを要請されておりますので、政府は基金または銀行からこの国債について償還の請求があつた場合には、ただちに償還を行うことにしますとともに、償還財源に不足がある等のため償還ができない場合を考慮して、政府はその償還できない金額に相当する国債の買取りを、日本銀行に対して命ずることができることといたしておるのであります。
以上申しましたほか、基金との取引及び協定の規定による寄託所として、日本銀行を指定すること等について、所要の事項を規定しているのであります。
以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略でございます。何とぞ御審議の上、すみやかなる御賛成をいただきますようお願い申し上げます。
次に、議題となつております昭和二十七年度における行政機構の改革等に伴う国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の特例に関する法律案、これにつきましてその提案の理由を御説明申し上げます。
先般の行政整理に際しましては、退職者に対する優遇措置として、昨年十月から本年三月までの間に退職する職員に対しましては、特に従来の場合の八割増の退職手当を支給する措置を講じたのでありますが、今回の行政機構の改革に関連して退職する職員に対しましても、諸般の事情にかんがみまして、先般と同様の措置を講ずることが適当であると考えられますので、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。
次にこの法律案の内容を概略御説明申し上げますと、まず今回の行政機構の改革に関連して、または昭和二十七年度予算実行上の要請によりまして、昭和二十七年四月五日から同年十二月三十一日までの間において退職する職員で、閣議で定めるものに対しましては、さきの行政整理の場合と同様に、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律附則第五項の規定により計算した額の八割増の退職手当を、支給することといたしました。
次に昭和二十七年度予算実行上の要請によりまして、昭和二十八年一月一日から同年三月三十一日までの間において退職する職員で、閣議で定めるものに対しましては、従来の通常の整理の場合と同様、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律附則第五項の規定により計算した額の退職手当を、支給することといたしたという趣旨であります。
以上がこの法律案の提案の理由、内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださるよう御願い申し上げます。
第13回国会衆議院大蔵委員会議録第65号3頁(昭和27年5月13日)〔西村直己政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301190)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。