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国会審議›第16回国会›閣法第102号
閣法第16回国会 第102号成立修正あり

逃亡犯罪人引渡法案

昭和28年法律第68号 逃亡犯罪人引渡法
提出昭和28年6月24日 内閣
付託衆議院 法務委員会
参議院 法務委員会
成立
昭和28年法律第68号
審議会議 12回・発言 434(政府答弁等 176)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院法務委員会

  1. S28.6.26趣旨説明法務委員会 493
  2. S28.7.8内容説明・質疑法務委員会 832
  3. S28.7.9質疑法務委員会 995
  4. S28.7.11質疑法務委員会 1183
  5. S28.7.14質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)法務委員会 13112
  6. S28.7.16修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 2342

参議院法務委員会

  1. S28.6.26趣旨説明法務委員会 421
  2. S28.7.1補足説明法務委員会 6133
  3. S28.7.7質疑法務委員会 8157
  4. S28.7.15衆議院修正部分趣旨説明法務委員会 13104
  5. S28.7.16質疑・採決法務委員会 1492
  6. S28.7.17委員長報告・採決本会議 2342

提案理由

犬養健 法務大臣 昭和28年6月26日

 次にただいま議題となりました逃亡犯罪人引渡法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。

 日本国との平和条約第七条(a)に基き、アメリカ合衆国は本年四月二十二日わが国に対しまして、日米犯罪人引渡条約を同日より三箇月後であります本年七月二十二日から引続いて有効とする旨を通知して参つたのであります。御承知の通り、犯罪人の引渡しとは、外国の政府の請求により、その外国の法令にかかる罪を犯した犯罪人の現在する国の政府が、当該犯罪人を、審判または刑の執行のために当該外国の政府に引渡すことを申すのでありまして、諸外国におきましても、おおむね、犯罪人の引渡しに関する条約に基き他国より犯罪人引渡しの請求があつた場合についての国内手続を定めた立法を有しているのでありますが、わが国におきましても、明治二十年八月十日に制定された逃亡犯罪人引渡条例が現存いたしているのであります。しかしながら同条例は制定以来今日に至るまでほとんどその改正が行われず、従つてその規定のうちには現在の事情に適合しないものが多々あるのであります。そこで、今回日米犯罪人引渡条約が引続いて効力を有することとなるのを機会といたしまして、最近の諸外国の立法例を参酌し、逃亡犯罪人の引渡しに関する国内手続を整備するため右条例を廃止し、新たに逃亡犯罪人引渡法を制定すべく、この法律案を提出することといたしたのであります。

 この法律案は、三十三箇条と附則からなつておるのでありましてここにこの法律案の主要点を申し上げます。

 まず、第一条におきまして締約国、引渡し犯罪及び逃亡犯罪人についての定義規定を設けまして、この法律案の適用範囲を一応明らかにし、第二条におきまして引渡しに関する制限として、引渡しをしない場合を列挙し、第三条ないし第二十二条におきまして、締約国から逃亡犯罪人の引渡し請求があつた場合におけるその請求の受理から当該逃亡犯罪人の引渡しまでの手続及び逃亡犯罪人の拘禁について規定をいたし、第二十三条ないし第三十条におきまして引渡し請求前における仮拘禁手続について規定し、第三十一条ないし第三十三条におきまして、最高裁判所の規則への委任に関する規定、東京高等裁判所の管轄区域に関する特別及び引渡し条約発効前に犯された引渡し犯罪に関して、引渡しの請求があつた場合の特例について規定したのであります。附則におきましては、この法律の施行期日、現行の逃亡犯罪人引渡条例の廃止及びこの法律を遡及適用する場合について規定し、さらに逃亡犯罪人を拘禁するについて必要な監獄法の一部の改正及び日本国が締約国に対し、逃亡犯罪人の引渡しを請求した場合において締約国がした当該逃亡犯罪人の抑留または拘禁について刑事補償法を適用するための同法の一部の改正を定めたのであります。

 次に、現行の逃亡犯罪人引渡条例と異なる重要点につきまして御説明申し上げます。

 第一は、同条例によりますと、逃亡犯罪人の身柄を拘束するには、検察官の発する逮捕状によることになつているのでありますが、この法律案におきましては、裁判官の発する令状によるものとした点であります。

 第二は、同条例では、検察官が、逃亡犯罪人の取調べをいたしましてその結果を法務大臣に報告し、この報告を受けた法務大臣が当該逃亡犯罪人を引渡すべきかいなかについて決定することとなつておるのでありますが、この法律案におきましては、東京高等裁判所の審査により同裁判所が当該逃亡犯罪人の引渡しを行うことができる旨の決定をした場合に限り、法務大臣がその逃亡犯罪人の引渡しをなし得ることといたした点であります。

 第三は、現行の条例におきましては、逃亡犯罪人の身柄の拘束は、必要的なものとなつておるのでありますが、この法律案におきましては、逃亡犯罪人が定まつた住居を有し、かつ、逃亡のおそれがないことが認められる場合には、当該逃亡犯罪人の身柄を拘束しないものとした点であります。

 以上この法律案におきまして概略御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議のほどをお願いいたす次第であります。

第16回国会衆議院法務委員会議録第4号6頁(昭和28年6月26日)〔犬養健法務大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101601102)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。