地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案
参議院 地方行政委員会
昭和28年法律第209号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会
- S28.6.30趣旨説明地方行政委員会 747
- S28.7.8逐条説明・質疑地方行政委員会 1133
- S28.7.9質疑地方行政委員会 1257
- S28.7.10質疑地方行政委員会 1372
- S28.7.28質疑・討論・附帯決議・採決地方行政委員会 24138
- S28.7.29委員長報告・討論・採決本会議 3145
- S28.8.10附帯決議本会議 391
提案理由
青木正 政府委員(自治政務次官) 昭和28年6月30日ただいま議題となりました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について、御説明申し上げます。
各地方団体に対して交付すべき地方財政平衡交付金の額の算定に用います単位費用につきましては、給与改訂に要する経費や市町村教育委員会設置に要する経費の年間所要額等を算入することとするため、これを増額する必要が生じている反面、別途国から地方公共団体に交付されることとなつた義務教育費国庫負担金相当額等を控除することとするため、これを減額する必要も生じているのであります。
これに加えまして地方税法の改正案との関連におきまして、個人に対する市町村民税の所得割にかかる基準財政収入額の算定方法に関する規定を整備する必要があるのであります。これらが、この法律案を提出するおもなる理由であります。
以下改正しようとする内容の概要について申し上げます。
改正の第一は、単位費用を改訂しようとすることであります。その一は、義務教育に従事する教職員の給与関係費、児童保護措置費及び義務教育教材費に対し、それぞれ国庫負担金制度が復活ないし新設されることになりましたので、これらにかかる基準財政需要額から国庫負担金相当額を減額することに伴う単位費用の改訂であります。
すなわち、道府県分の小学校費及び中学校費並びにその他教育費に含まれている盲聾唖学校費のうち義務制の児童生徒にかかる基準財政需要額から教職員給与関係費の五割を減額し、道府県及び市町村の社会福祉費にかかる基準財政需要額から児童の保護措置に要する経費の八割を減額し、市町村の小学校費及び中学校費のうち学級数及び児童または生徒数を測定単位とするものから、国が負担する教材費相当額を減額する方針のもとに、それぞれ当該単位費用を改訂することといたしました。
その二は、給与改訂に伴う単位費用の改訂であります。昨年一月から行われました給与改訂の結果、標準的な団体または、施設に配置されるものとされた職員の給与に要する経費は増加いたしますので、これらの団体または施設において、当該行政項目について必要な経費を測定単位の数値で除して定められる単位費用は、それぞれ増加する訳であります。従いまして反面、また橋梁費、戦災復興費及び災害復旧費の単位費用については、その算定に当り職員の配置を予想しておりませんため、給与改訂による増額はないのであります。
その三は、恩給費の算入がこれに伴う単位費用の改訂であります。恩給費は、従来、各行政項目に配置された職員に伴つて、各経費ごとの単位費用中に算入いたしておりましたが、地方団体ではこの種の経費は一括して経理していますので、警察、消防費及び教育費を除きその他の経費の単位費用中に算入されておりましたものは一括してその他の行政費のうちのその他の諸費の単位費用中に算入するこことしたのであります。
その四は、各種法令の制定改廃その他に伴う単位費用の改訂であります。すなわち石油関係資材統制の撤廃によるこの種経費の産業経済費からの減額、市町村教育委員会に要する経費の平年度所要額算入のための、その他教育費の増額、学校建物単価の引上げ等による教育費等の増額などであります。
改正の第二は、測定単位を改正しようとすることであります。その一は、港湾費にかかるものであります。現在港湾における船舶の出入トン数を測定単位としておりますが、トン数が毎年度かなり大幅に変化いたして参りました上に、その変化が港湾費として地方団体が出費いたします港湾管理費や港湾施設費と必ずしも、直接の関係があるとも考えられないのであります。もちろん港湾の態様というものは、千差万別でありまして、それぞれの財政需要を機械的に、しかも的確に測定するということは、技術的に困難なものでありますが、種々検討の結果、港湾における船舶の出入トン数よりも、港湾における繋船岸の延長と港湾における防波堤の延長とを併用いたしました方が、はるかに合理的であると考えられましたので、これをもつて測定単位としようとするのであります。この改正の結果は、個々の港湾について財政需要額に若干の異動は免れないのでありますが、総額においては従前の額を維持することとなつております。
その二は、社会福祉費にかかるものであります。社会福祉費の測定単位につきましては、人口のほか、当分の間、児童福祉施設入所者数と被生活保護者数を用い、それぞれ児童保護措置費及び生活保護費を測定することといたしておつたのであります。
しかしながら、経費をあまり細分して測定いたしますことは、一般財源としての地方財政平衡交付金について、とかくひもつき財源のごとき感じを与えるおそれがありますし、本年度からは、児童保護措置費が生活保護費と同様、八割国庫負担となる関係もありますので、この特例は廃止することといたしたのであります。
その三は、公債費にかかるものであります。公債費と申しますと、土木、衛生その他各種の行政費に充てた地方債の元利償還額を全部ここで測定するかの誤解を与えますので、この本来の趣旨にかんがみ、その名を災害復旧費に改めるほか、測定単位は、現在災害復旧事業費及び防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金となつておりますのを、災害復旧事業費の財源に充てた地方債の元利償還金のみに改めたいのであります。
防空関係事業費の財源に充てた地方債の元利償還金を廃止いたしましたのは、この事業は面接には災害復旧費には該当いたしませんのと、インフレーシヨンの影響を受け、その元利償還金は現在ではきわめて少額なものとなつているからであります。
改正の第三は、道府県を通じ義務教育にかかる経費に必要な財源の保障を厚くするため道府県基準財政収入額の算定に用いる基準税率を地方税法で定められました標準税率の百分の七十から百分の八十に引上げようとすることであります。普通交付金の算定に用います基準財政需要額は、特別交付金及び地方税の収入のうち基準財政収入額に相当するもの以外のものを財源とすべき部分を除いて算定されるため義務的経費についても、ある程度圧縮されており、昭和二十七年度分についてみますと、義務教育教職員の給与関係費にかかる基準財政需要額は、地方財政計画上のそれに対し、八八%程度となつていたのであります。そこで基準財政需要額に充てられるべき財源たる基準財政収入額を標準税率で算定された税収入見込額の七割から八割に増額する半面、この種の義務的経費は地方財政計画に算入されているものとおおむね同額を基準財政需要額として算定することとして、すべての道府県に対する財源保障の程度を高くすることと致したのであります。
改正の第四は、新たに個人に対する市町村民税の所得割にかかる基準財政収入額の算定方法に関する規定を設けようとすることであります。
市町村にかかる基準財政収入額は法定普通税について標準税率の七〇%すなわち基準税率で算定した収入見込額であります。しかして個人に対する市町村民税の所得割については、現在、地方税法上、課税方式の選択が許されておりますが、基準財政収入額の算定においては、所得税額を課税標準とし、その標準税率百分の十八を用いておつたのであります。しかしながら、今回予定しております地方税法の改正法案によりますと、この種の標準税率が削除されることとなりますので、地方財政平衡交付金法甲に、基準財政収入額算定の際用いる課税標準を所得税額とし、その税率を百分の十八とすることを規定することといたしたのであります。
以上内容の概要について御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします
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以上内容の概要について御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします
第16回国会衆議院地方行政委員会議録第7号3頁(昭和28年6月30日)〔青木正政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
一政府の策定した昭和二十八年度地方財政計画はこれに算入された地方職員給与費につき実態に即しないものがあり、ためは地方財政を圧迫していると認められるのでさきに行われた予算修正の趣旨にのつとりこれを修正すること。
一地方財政平衡交付金の予算計上額増額を機会に単位費用その他同制度の全般にわたつてさらに必要な検討を加え、一段と運営の適正化を期するとともにその結果については、政府は次の国会において必要なる措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101601129)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。