未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案
参議院 厚生委員会
昭和29年法律第29号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会
参議院厚生委員会
- S29.3.11趣旨説明・補足説明厚生委員会 1379
- S29.3.16質疑厚生委員会 1487
- S29.3.25質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)厚生委員会 1870
- S29.3.26委員長報告・採決(修正)本会議 2384
提案理由
草葉隆圓 厚生大臣 昭和29年3月2日ただいま議題となりました未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律の提案理由について、御説明を申し上げたいと存じます。
未帰還者の留守家族及び未帰還者が帰還した場合における援護につきましては、第十六回国会において、未帰還者留守家族等援護法が成立し、昨年八月一日から施行され、国の責任において各種の援護が行われるに至つたことは、これらの方々の心情と生活の実情に顧みて、まことに喜ばしいことであります。今回、援護の措置をさらに強化するため、この法律の一部を改正することにいたしましたが、ここにその理由及び内容の大要について御説明申し上げます。
第一に、従来の遺骨埋葬経費は、未復員者、ソビエト社会主義共和国連邦の地域内の未復員者と同様の実情にある者または戦争裁判受刑者の死亡の事実の判明した場合にのみ支給されていたのでありますが、右以外の一般邦人未帰還者の死亡の事実が判明した場合においても、その遺族に対してこの経費を支給することが遺族の心情にも、また国民感情にもかなうものであると考えられますので、この際、その名称を葬祭料と改め、右の一般邦人未帰還者をも含め、未帰還者の死亡の事実が判明した場合には、この経費をその遺族等に支給するこことした次第であります。
第二に、遺骨引取り経費は、遺族がない場合においても、葬祭を行う者があれば、その者に支給することができるようにいたしました。すなわち、この経費は遺骨の引取りを行う場合の経費でありますので、遺族がない場合においても、その近親者等が葬祭を行うために遺骨を引取る場合におきましては、この経費を支給することが適当であると考えられますので、このように措置する次第であります。
第三に、未帰還者留守家族等援護法は、沖繩地域にも施行されているわけでありますが、同地域の置かれている特殊の状態のために、法の実際上の適用がきわめて困難な状況にありますので、当初から法が円滑に適用されていたと同様の効果を生ぜしめるよう特別の措置を講ずることが適当と考えられます。右の措置を講ずるにあたつては極力現地の実情に即するよう配慮の要がありますので、これを政令で定めることができるようにいたした次第であります。
第四に、従来外務省において実施いたしておりました一般邦人未帰還者の調査業務は、明年度から厚生省に移管されることになりましたので、これを機会に厚生省の付属機関として、従来の留守業務部を改編し、これを未帰還調査部とし、旧軍人軍属未帰還者等の調査業務等とあわせて未帰還者等の調査究明を一元的に実施する等の措置をいたすことが適当であると考えられますので、厚生省設置法に所要の改正を行うことといたしました。
第五に、未癖者者留守家族等援護法の施行に伴い一般職の職員の給与に関する法律の一部が改正され、未帰還者の国家公務員は未帰還中の給与を支給されないことになり、従つて国家公務員共済組合員たる資格を失うこととなり、また、未帰還の地方公務員についても、国家公務員の例によりその給与が定められている関係上同様の事情になりますので、従来の実績を保障する意味におきまして、これらの未帰還者に引続き組合員たるの資格を保持せしめるようにするため、国家公務員共済組合法に所要の改正を行うことといたした次第であります。
以上提案理由につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
第19回国会衆議院厚生委員会議録第10号4頁(昭和29年3月2日)〔草葉隆圓厚生大臣発言・発言番号16〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901068)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。