厚生年金保険法案
衆議院 厚生委員会公聴会
参議院 厚生委員会
参議院 厚生・労働連合委員会
昭和29年法律第115号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会・厚生委員会公聴会・厚生委員会労働委員会連合審査会
- S29.3.30趣旨説明・補足説明厚生委員会 2545
- S29.4.6質疑厚生委員会 3147
- S29.4.7質疑厚生委員会 3268
- S29.4.8質疑厚生委員会 3330
- S29.4.9公聴会厚生委員会公聴会 195
- S29.4.10質疑厚生委員会 3432
- S29.4.13質疑厚生委員会 3559
- S29.4.14質疑厚生委員会 3645
- S29.4.16質疑厚生委員会 3746
- S29.4.17質疑厚生委員会労働委員会連合審査会 1135
- S29.4.20質疑厚生委員会 3815
- S29.4.21質疑厚生委員会 3916
- S29.4.22修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議厚生委員会 4055
- S29.4.22修正案・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 4038
- S29.5.15参議院回付案・参議院回付案同意本会議 5033
- S29.6.15附帯決議本会議 671
参議院厚生委員会・厚生・労働連合委員会
- S29.4.2趣旨説明・質疑本会議 2875
- S29.4.13趣旨説明厚生委員会 2776
- S29.4.26詳細説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑厚生委員会 3238
- S29.4.27公聴会厚生委員会 3369
- S29.4.30質疑厚生委員会 34150
- S29.5.6質疑厚生・労働連合委員会 1156
- S29.5.6質疑厚生委員会 3555
- S29.5.7質疑厚生委員会 3654
- S29.5.10質疑厚生委員会 3738
- S29.5.11附帯決議・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案厚生委員会 3872
- S29.5.14附帯決議・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 46110
提案理由
草葉隆圓 厚生大臣 昭和29年3月30日ただいま議題となりました厚生年金保険法案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を説明いたします。
現行の厚生年金保険法は、終戦後の困難な国内経済の事情に対応して、寡婦年金、遺児年金等を新設いたしまするとともに、いまだ支給期に到達していなかつた養老年金を年額千二百円程度まで圧縮し、それによつて保険料率を引下げる等の臨時応急的な措置を講じたままになつているのでありまして、当時からある程度経済の安定したあかつきには、その全面的な改正が予期されていたのであります。
その後、わが国の経済は急速に立ち直りを示しておりまするとともに、他面勤労者の生活保障のための社会保障制度の拡充整備は、ますますその必要の度を加えつつあるのであります。のみならず本年から被保険者の一部に対し、養老年金の支給が開始されることと相なりました関係もあり、厚生年金保険法の改正は、この際どうしてもいたさなければならない段階に立ち至つているものと考えるのであります。従いまして、この際厚生年金保険制度の全般にわたつて再検討を加えまして、保険給付の内容を改善し、かつその将来にわたつての恒久的な財政計画を樹立することによつて、長期社会保険としての基礎を確立いたしたいと考えるのであります。
以下その改正の要点を申し上げますならば、第一に、保険給付及び保険料の計算の基礎となる標準報酬については、できるだけ被保険者の賃金の実態に合うようにするとともに、労使の負担増を考慮して若干の引上げを行うことといたしました。
第二に、すべての年金給付が、老齢年金の給付内容を中心として均衡を保つような体系を考慮いたしました。
第三に、年金給付の額については、定額に報酬比例額を加えたものとし、さらに被保険者によつて扶養されていた者の数によつて、加給年金を支給し、生活の実態に沿い得るようなものといたしたのであります。
第四に、現行法におきましては年額千二百円となつている老齢年金の額の最低を二万一千六百円とし、標準報酬の額に応じてさらに増額するようにいたしました。
第三に、障害給付ついては、障害の程度を合理的に区分するとともに、障害の程度の増進減退に応じまして、給付額を増減し得るように改めました。
第六に、現行の遺族年金、寡婦年金、鰥夫年金及び遺児年金を一つの綜合的な体系に統一して、新しい遺族年金の制度を設けることとしたのであります。
第七に、脱退手当金の制度を合理化いたしました。
第八に、従来支給いたしておりました年金のうち、低額なものは、一定額まで引上げるよう、特別の措置を講ずることといたしました。
第九に、坑内夫以外の被保険者についての国庫負担の割合を保険給付費の一割から一割五分に引上げることといたしました。
第十に、労使の負担を勘案しつつ、財政の均衡を将来にわたつて保ち得るようにするために、保険料率を調整するとともに、少くとも五年ごとに再計算することとしたこと等であります。
なお、本法案に関連して、政府としては、船員保険法の一部を改正するとともに、厚生年金保険及び船員保険のそれぞれの被保険者期間を相互に通算して、保険給付を行うこととするために、近くこれらに関する法律案を本国会に提案して御審議を煩わす予定であります。
この制度は、将来勤労者のための社会保障制度の中核体となるべき重要な意義を持つものでありますので、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを希望する次第であります。
第19回国会衆議院厚生委員会議録第25号18頁(昭和29年3月30日)〔草葉隆圓厚生大臣発言・発言番号18〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まずこの決議案を朗読いたします。附帯決議案今回提案せられた厚生年金保険法案を見るに、将来勤労者のための年金制度の中核体となるべきものとしては、未だ不満とする点が少くないが、政府は次回の改正期までの間に可及的速かに適用範囲を従業員五人未満の事業所へ拡大し、又標準報酬については、健康保険法等と同様その最高額を三万六千円まで引き上げる等、これが内容充実を図るとともに、進んで国民年金制度樹立への基礎として、まず現行各種年金制度について綜合的見地より根本的改正を行うことに最善の努力を払うべきである。なお本法案の運営に関しては、政府は速かに次の諸施策の実現方に邁進すべきことを要望する。
一巨額に上る厚生年金保険積立金の管理運用については、効率的民主的措置を講じ、特に醸出者の意向を反映し得るよう工夫すること。
二老人ホーム等の収容施設及び療養施設を増設して年金受給者が年金により老後生活を営み得る方途を講ずること。
三年金受給権を担保とする金融の途を講ずること。
厚生年金保険法案に関する附帯決議案政府は調査研究の上速かに左記諸施策を実施して厚生年金保険の内容充実を図ると共に、各種年金制度を整備統合して国民年金制度を樹立する様最善の努力を払うことを要望する。記
一本法の適用範囲を従業員五人未満の事業所に拡張する様直ちに調査準備すること。一「老令年金の支給開始年令を男子六十歳を五十五歳に、坑内夫及び女子五十五歳を五十歳に引下げること。
三老令年金基本額の定額分を三万六千円に引上げること。
四重筋肉労働、光熱有害作業等の特殊労働に就業する者については坑内夫と同等の取扱をすること。
五保険給付費の国庫負担金を増額すること。
六脱退手当金の支給要件を従来通りにすること。
七厚生年金積立金についてはこれを民主的、効率的に管理運用する様特別の措置を講ずること。
八厚生年金積立金を大巾に還元融資し、老人ホーム、児童保護施設、医療施設及び住宅等を増設して、被保険者の福祉増進を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901124)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。