盲学校及びろう学校への就学奨励に関する法律案
衆議院 文部委員会
昭和29年法律第144号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部委員会
- S29.4.14趣旨説明文部委員会 2522
- S29.5.21採決(修正)・修正案趣旨説明・附帯決議文部委員会 32115
- S29.5.22修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 5433
- S29.6.15附帯決議本会議 671
参議院文部委員会
- S29.5.18趣旨説明文部委員会 3425
- S29.5.25質疑・討論・附帯決議・採決文部委員会 36135
- S29.5.26委員長報告・採決本会議 5156
- S29.6.15附帯決議本会議 9991
提案理由
大達茂雄 文部大臣 昭和29年4月14日今回政府から提出いたしました盲学校及びろう学校への就学奨励に関する法律案について、提案の理由並びにその概要を御説明申し上げます。
昭和二十二年に学校教育法が制定実施せられましてから、新たに盲学校及び聾学校の小学部及び中学部における教育が義務教育とせられ、その就学義務は逐年進行いたしまして、昭和二十八年度において小学部が完成いたし、昭和二十九年度から中学部への就学義務が始まるに至つたのであります。しかるにこれらの学校への就学の現況は、各種の事情によつてきわめて低調な状態にありまして、教育の機会均等及び就学義務の趣旨にかんがみ、これが充実をはかる必要を痛感するものであります。
このような状態の原因として次のような事情が考えられるのであります。すなわちこれらの学校へ就学すべき児童生徒は、身体の障害者でありまするためその就学、通栄及び勉学には多くの不便が伴い、本人及びその保護者にとつて物心両面の負担も少くなく、さらに加えて、これらの者の家庭には一般にかなり貧困の度合が高いという事情が存するのであります。従つて身体健康な者の就学の場合に比較して、これらの者の就学に要する費用はかさみ、その経済的負担の過重に悩む保護者も多いのであります。
このような事情による就学状態の低調を改善するためには、少くともこれらの学校への就学による保護者の経済的負担を軽減することが必要であります。そのために国及び地方公共団体が必要な経済的援助を行うことを法律に規定し、もつてその就学を促進し、義務教育の普及向上に資しようとするのがこの法律案の根本的な考え方であります。
次にこの法律案の骨子を申し上げます。国は国立の盲学校または聾学校に就学する学齢児童生徒について、都道府県はそれ以外の盲学校または聾学校に就学する者のうち、当該都道府県の区域内に住所を有する学齢児童生徒について、その就学のために必要な教科用図書の購入費、学校給食費、通学または帰省に要する交通費及び付添人の付添いに要する交通費並びに学校付設の寄宿舎居住に伴う経費の全部または一部を支弁しなければならないこととし、国は、このために都道府県が支弁する経費の二分の一を負担しようとするものであります。
以上、この法律案を提出しました理由とその骨子を御説明いたしました。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願い申し上げます。
第19回国会衆議院文部委員会議録第25号4頁(昭和29年4月14日)〔大達茂雄文部大臣発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
附帯決議
一盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部についても将来義務学年に準じて就学奨励の措置を講ずること。
二盲学校、ろう学校及び養護学校への就学の特殊事情にかんがみ、これらの学校への就学による保護者の経済的負担を軽減し義務教育の充実をはかるため、国又は都道府県が支弁し及び負担する経費の範囲を将来速かに学用品の購入費並びに実験実習学費にまで及ぼし、更に寄宿舎居住に伴う食費その他援助費目全体について予算的措置の拡充をはかること。
三盲者ろう者以外の心身に故障のある者に対する義務教育の現状にかんがみ、これが充実を図るため、関係法令及び養護学校、特殊学級等の教育施設の整備其の他必要な措置を速かに講ずること。以上の附帯決議について各位の御賛同を頂きますよう心からお願いを申上げる次第でございます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901134)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。