学校給食法案
衆議院 文部委員会
昭和29年法律第160号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部委員会・文部委員会厚生委員会連合審査会
- S29.4.14趣旨説明文部委員会 2522
- S29.5.10質疑文部委員会厚生委員会連合審査会 176
- S29.5.26討論・採決・附帯決議文部委員会 3420
- S29.5.27委員長報告・採決本会議 5629
- S29.6.15附帯決議本会議 671
参議院文部委員会
- S29.5.18趣旨説明文部委員会 3425
- S29.5.29質疑・附帯決議・討論・採決文部委員会 38128
- S29.5.30委員長報告・採決本会議 5483
- S29.6.15附帯決議本会議 9991
提案理由
大達茂雄 文部大臣 昭和29年4月14日ただいま上程になりました学校給食法案について、その提案の理由及び大綱を御説明申し上げます。
学校給食は、児童の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものでありまして、その普及充実をはかることが必要であることは申し上げるまでもないところであります。
小学校等において、その教育の一環として学校給食が適正に実施されるということは、とりもなおさず、児童がみずからの体験を通して、望ましい日常の食生活の営みを学びとることであつて、学校給食が児童の現在及び将来の生活を幸福にするゆえんであり、教育的に実施される学校給食の意義はまことに重要であると存ずるのであります。学校給食の重要性は、この点に存するものと考えられるのでありまして、すでに全国各地で学校給食が行われました結果、その効果はきわめて顕著であり、学校給食に対する認識も深まり、今や世論は学校給食の普及充実を強く要望するに至つておるのであります。
さらにわが国の現下の食糧事情から申しまして、今後国民の食生活は、粉食混合の形態に移行することが必要であると思うのでありますが、米食偏重の傾向を是正し、また粉食実施に伴う栄養摂取方法を適正にすることは、なかなか困難なことありますので、学校給食によつて幼少の時代において教育的に配慮された合理的な食事になれさせることが国民食生活の改善上最も肝要であると存じます。
ところが現在、小学校等において実施されております学校給食につきましては、いまだはつきりした法的根拠はないのであります。そこで政府といたしましては、多年にわたる学校給食関係者の学校給食に関する法制化の熱望にこたえるとともに、学校給食の重要性にかんがみ、その普及充実をはかるために、ここに学校給食法案を立案上程いたした次第であります。
本法律案の骨子といたしますところは、学校給食の目標及び定義を明らかにし、学校給食に関し、小学校等の設置者地方公共団体及び国の任務について所要の規定を設けたのであります。
すなわち小学校等の設置者は当該小学校等において、学校給食が実施されるように努めなければならないものとし、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるもの、すなわち主として人件費は小学校等の設置者の負担とし、これら以外の学校給食に要する経費は給食費として、給食を受ける児童の保護者の負担といたし、一応その負担区分を明確にいたしたのであります。
次に国及び地方公共団体の任務は、学校給食の普及と健全な発達をはかるように努めなければならないのでありまして本法律案におきましては特に国の補助について規定しておるのであります。すなわち国は、公立または私立の小学校等の設置者に対し、予算の範囲内において、学校給食の開設に必要な施設又は設備に要する経費の一部を補助することができるものとし、また国はその負担において、学校給食用小麦等の代金について特別低廉な価格を定めることができるのでありまして、給食を受ける児童の保護者の負担である給食費はおのずから相当に軽減されるわけであります。以上のほか学校給食用小麦粉等の用途外使用の禁止、報告の徴取等について規定を設け、いずれも学校給食の実施に関し、その管理の適正を期しておるのであります。
以上がこの法律案を提案いたしました理由とその趣旨の大要でございます。なにとぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同賜わらんことをお願い申し上げます。
第19回国会衆議院文部委員会議録第25号24頁(昭和29年4月14日)〔大達茂雄文部大臣発言・発言番号20〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
学校給食の教育上の重要性にかんがみ政府は速かに左の事項の実現を講ず可きである。
一学校給食費の負担に困難を感ずる保護者(準要保護者に)対して適当な援助の措置をなすこと
一学校給食法の適用を義務教育諸学校の全体に及ぼすこと
一脱脂粉乳に就ても国庫補助の措置をなすこと
本法律案は、学校給食に関する最低基準について規定したものに過ぎない。本委員会は、学校給食が教育上、並びに国民の食生活改善上重要な意義を有することに鑑みその対象、内容、施設及び設備等の充実拡張のため、将来政府が、根本的綜合的計画を樹立し、特に次の諸点について速かにその実施に努力することを、強く要望する。
一学校給食を義務教育諸学校及び夜間の定時制高等学校の児童生徒全体に対して行うこと。
二学校給食費の負担に困難を感ずる保護者(準要保護者)に対して適当な援助の措置を講ずること。
三小麦粉について全額国庫補助の措置を講ずること。
四脱脂粉乳等についても国庫補助の措置をなすこと。
五学校給食の施設及び設備の必要経費について国庫補助の増額を計ること。
六学校給食を担当する栄養管理職員及び必要な員数の調理に従事する職員の給与費についても国庫補助の途を開くこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901140)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。