地方道路譲与税法案
参議院 地方行政委員会
昭和30年法律第113号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会・大蔵委員会地方行政委員会運輸委員会建設委員会連合審査会
提案理由
川島正次郎 行政管理庁長官・自治庁長官 昭和30年5月13日ただいま議題に供されました地方道路譲与税法案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明いたします。
すでに一昨年におきまして、道路整備費の財源等に関する臨時措置法が制定され、揮発油の大部分を使用して運行される自動車が道路を損傷いたしますことから、揮発油税による収入は道路整備の財源に充てるべきものとなされ、また昨年度におきましては、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律が制定され、揮発油税収入の三分の一を都道府県及び五大市に道路に関する費用の財源として付与いたしましたことは、御承知の通りであります。
しかしながら、この揮発油譲与税の制度を恒久の制度といたしますことは、国の道路財源としての揮発油税との間に相当の調整をはかる必要がありましたので、さしあたり、これを昭和二十九年度限りにいたし、爾来昭和三十年度以降の措置について鋭意検討を加えて参ったのであります。
今ここに道路行政の実態を見まするに、自動車の利用度のきわめて多い国道及び都道府県道の維持管理の責任者は、都道府県及び五大市またはその長でありまして、これらの道路の維持管理に要する費用も、原則として都道府県及び五大市の負担となつており、その額は決して少くないのであります。また道路整備五ヵ年計画の実施に伴う費用のみならず、この計画に取り上げられていない一般の都道府道その他の道路の改築、修繕等に関する費用も多額に上っている現状であります。
従いまして、ここに恒久的制度として、地方道路税を創設し、その収入額の総額に相当する額を都道府県及び五大市に対してその区域における国道及び都道府県道の面積を基準として譲与し、その使途については道路に関する費用に充てなければならないものとする地方道路譲与税制度をとることにより国道及び都道府県道の維持、修繕、改築等のための自主的財源を与えるとともに、他面国庫補助金制度に伴いがちな弊害をできるだけ排除いたしたいと考えたのであります。これが今回地方道路譲与税制度を設けようとする趣旨であります。
以下この法律案の具体的内容を簡単に御説明申し上げます。第一は地方道路譲与税の額でありますが、すでに御説明いたしましたように、地方道路税の収入額に相当する額とし、これを都道府県及び五大市に譲与するものといたしております。その額は昭和三十年度は初年度でありますため七十三億円でありますが、平年度におきましては九十四億円となる見込みであります。
第二は譲与の基準でありますが、それぞれの都道府県及び五大市の区域内にある国道及び都道府県道の面積に按分して譲与するものといたしております。
なお、この道路の面積につきましては、各都道府県の道路の実面積とそれに要する経費とは必ずしも正比例しませんので、幅員による道路の種別、自動車一台当りの道路の延長等により、これを補正することができるものといたしておるのであります。
第三は譲与時期でありますが、地方交付税及び入場譲与税の交付または譲与時期との調整をはかりまして八月、十二月及び三月の三回とし、地方道路譲与税が地方道路税の実績に基いて譲与されることにかんがみ、原則として前四ヵ月間に収納した地方道路税の収入額に相当する額を譲与することにいたしております。
第四は地方道路譲与税の使途であります。すでに御説明いたしましたように、地方道路譲与税は、道路に関する費用に充てなければなりませんが、道路に関する費用である限り、特にその範囲を限定するものではありませんので、道路整備五ヵ年計画の対象になっているかどうかにかかわらず、広く道路事業に充てることができるものとしたのであります。
以上、地方道路譲与税法案につき、その提案理由並びにその内容の概略を御説明申し上げたのでありますが、これらのほか地方道路譲与税の会計につきましては一般の歳入歳出と区分して経理する必要がありますので、別途関係法律の改正案を用意いたしております。
何とぞ慎重御審議の上すみやかに本法律案の成立を見ますようお願いいたす次第であります。
第22回国会衆議院地方行政委員会議録第7号4頁(昭和30年5月13日)〔川島正次郎行政管理庁長官発言・発言番号19〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201032)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。