国の援助等を必要とする帰国者に関する領事館の職務等に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 外務委員会
昭和30年法律第43号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
園田直 政府委員(外務政務次官) 昭和30年6月1日ただいま議題となりました国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を説明いたします。
まず提案の理由を説明いたします。
現行の国の援助等を必要とする領事官の職務等に関する法律は、その施行以来一年九カ月となりますが、この間にこの法律を実際に運営してみた結果、次に申し述べますように、この法律の一部を改正することを適当と考える次第であります。
まず現行法律第三条により帰国費を貸し付ける場合には、帰国者の在留地から本邦までの船車賃並びに途中の生活費及び医療費を貸し付けることができますが、法律第二条に基き船長に対する送還命令により帰国者を送還する場合には、乗船地までの船車賃並びに生活費及び医療費を貸し付けることができない現状なので、このような場合にも帰国者が乗船するまでの諸費用は、これを貸し付けることが適当と考えられます。
次に領事官は、もともとその管轄区域内の行政事務についてのみ職務を行うことになっているので、領事官の管轄区域外の地に帰国を援助する必要がある者がいる場合には、現行法律では帰国を援助することができないのであります。しかし、このような場合にも、もよりの領事官が帰国を援助することが適当と考えられます。
次に夫婦は、民法第七百五十二条により互いに協力し扶助しなければならず、また同七百六十条により婚姻から生ずる費用を分担する等の趣旨にもかんがみまして、どちらか一方が、国の援助等を受けて帰国した場合には、他の一方が返済能力があれば、一方が借りた帰国費等を他方が国や船会社に対し返済するのが妥当と認められますので、帰国費等の償還義務者として新たに配偶者を加えるのが適当と考えられます。
以上三項目の理由によりまして、この際この法律を改正するのが適当と考えますので、これらの改正を主眼とした今次の改正法律案をここに提出する次第であります。
以上が本法律案の提案理由であります。
次に本法律案の内容を概略説明いたします。
まず第二条に第二、第三及び第四の三項を追加し、乗船するまでの必要な旅費、すなわち乗船地行き旅費を貸し付け得ること、貸付の場合の手続規定及び乗船地行き旅費の定義を掲げました。この定義中には、領事官の管轄区域外から乗船地までの旅費も貸し付け得るように配慮されてあります。
次に第三条を改正しまして、領事官の管轄区域の内外を問わず、いずれの地にある者に対しても帰国費を貸し付け得るように措置しました。
次に第五条を改正しましたが、これは乗船地行旅費の五字を加えるとともに、条文の表現を整理しただけで、文意は変っておりません。
最後に第六条及び第七条の改正でありますが、これは乗船地行き旅費、帰国費等の新たな償還義務者としての配偶者の三字及び乗船地行旅費の五字を当該条項中必要な個所に差し入れたものであります。
以上をもちまして、本法律案の提案理由及び内容の説明を終ります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あられんことをお願いいたします。
第22回国会衆議院外務委員会議録第14号1頁(昭和30年6月1日)〔園田直政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201076)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。