補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和30年法律第179号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S30.7.19趣旨説明大蔵委員会 3468
- S30.7.26質疑大蔵委員会 38144
- S30.7.28質疑大蔵委員会 40181
- S30.7.29質疑・修正案・採決(修正)大蔵委員会 41299
- S30.7.30修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 5179
参議院大蔵委員会・大蔵・決算委員会連合審査会
- S30.7.19趣旨説明・補足説明大蔵委員会 2971
- S30.7.22趣旨説明・補足説明・質疑大蔵・決算委員会連合審査会 166
- S30.7.30委員長報告・採決本会議 43186
- S30.7.30衆議院修正部分趣旨説明・質疑・採決大蔵委員会 34118
提案理由
藤枝泉介 政府委員(大蔵政務次官) 昭和30年7月19日ただいま議題となりました補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
国の歳出予算は、国民から徴収された税金その他貴重な財源でまかなわれており、厘毛たりといえども、これが不正、不当に支出されるがごときことは許されないのでありまして、政府におきましては、常にこれを公正かつ効率的に使用するように努めている次第であります。しかしながら昭和二十八年度決算検査報告によれば、不当事項として二千二百余件が指摘され、そのうち支出に関係するものが千四百余件であり、このうち約九割近くを占める千二百余件は補助金に関するものでありまして、累年その件数は増加の一途をたどってきた現状であります。その内容は、事業費について過大に積算したり、不実の積算をしたものや、設計通りの工事を施行しなかったり、自己負担を免れたり、はなはだしいのは、架空の工事や二重の申請をして国庫補助金等の交付を受けたもの等があります。補助金等が国の歳出予算の約三割を占めている現在、これらの補助金等にかかる予算の執行の適正化をはかることは喫緊の要請であり、今回ここにこの法律案を提案した次第であります。
この法律案は、補助金等の交付の申請、決定その他補助金等にかかる予算の執行に関する基本的事項を規定することによりまして、補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止等をはかるとともに、他面補助金等の交付を受ける者に対する不当な取扱いを防止する等の措置を講じ、もって、補助金等にかかる予算の執行の適正化をはかることを目的とするものであります。
以下この法律案の主たる内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律の適用を受ける補助金等とは、補助金、負担金、利子補給金及びその他国が相当の反対給付を受けないで交付する給付金であって、政令で定めるものとし、補助金等に関しまして他の法律またはこれに基く命令に特別の定めのない限り、この法律によることといたしているのであります。
第二に、補助金等の交付の申請及び決定につき、必要な手続を明確にいたしました。すなわち、補助金等の交付の申請及び決定の手続を規定するほか、決定に際し必要な条件を付することといたしますとともに、交付決定後に天災地変等、特別の事情により補助事業の全部または一部を継続する必要がなくなった場合等において、当該交付決定の全部もしくは一部の取り消し、または決定の内容もしくはこれに付した条件の変更ができることとしております。
第三に、補助事業等または間接補助事業等の遂行に当っては、常に善良な管理者の注意をもって遂行すべき義務を課するとともに、補助事業者等の提出する報告等により、必要がある場合には、当該補助事業等を適正に遂行すべきことを命じ、また必要に応じ一時停止を命じ得ることとし、さらに専業完了後は必ず実績報告を徴し、その審査及び必要に応じて行う現地調査等により、補助金等の額を確定することといたしているのであります。なお補助事業等により取得した財産等につきましては、補助金等の交付の目的に反する使用、処分等を原則として禁止することといたしているのであります。
第四に、補助事業者等または間接補助事業者等が補助事業等または間接補助事業等に関し、法令等に違反し、または補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした場合には、補助金等の交付の決定の全部または一部の取り消しをすることができることとし、この取り消しがあった場合で、すでに補助金等が交付されているときはその返還を命ずることとし、右の返還命令があったときば加算金を納付させることとし、返還金を納期日までに納付しないときはさらに延滞金を納付させることとするとともに、これら返還金等の納付がない場合には、他の補助金等の交付を一時停止し、もしくは他の補助金等と未納付額とを相殺することができることとし、さらに、これら返還金等の徴収に当っては国税徴収の例によることができることとしているのであります。
第五に、偽わりその他不正手段により補助金等の交付を受けまたは間接補助金等の交付もしくは融通を受けた者、あるいは補助金等もしくは間接補助金等の他の用途への使用をした者等に対し、所要の罰則規定を設けているのであります。なお地方公共団体に対しては、その団体の性格上、団体自体には罰則を適用しないことといたしているのであります。
第六に、右のごとく補助事業者等に対し相当厳格な規律をもって臨むことといたしたのでありますが、他面補助金等を交付する側においてもその取扱いをより適正にするため、補助金等に関する事務、その他補助金等にかかる予算の執行に関する事務に従事する職員に対し、事務を不当に遅延させたり、または必要な限度を越えて補助来業者等もしくは間接補助事業者等に対し干渉してはならない義務を課したほか、補助金等の交付の決定その他の処分に不服のある地方公共団体に対しては、不服申し立ての道を開くことといたしているのであります。なお日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社に対しましても、この法律を準用することといたしているのであります。
以上、この法律案の提案の理由及びその概略を申し述べた次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
第22回国会衆議院大蔵委員会議録第34号5頁(昭和30年7月19日)〔藤枝泉介政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201147)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。