日本学士院法案
参議院 文教委員会
昭和31年法律第27号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
清瀬一郎 文部大臣 昭和31年2月2日御上程の順序に従いまして国立学校設置法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げたいと存じます。
この法律案は、昭和三十一年度予算に照応いたしまして関係条文を改正するものであります。国立大学付置の研究所の設置について規定するものでございます。
改正の点は、京都大学に付置研究所として、ウイルスの探究並びにウイルス病の予防及び治療に関する学理及びその応用の研究を目的といたしまするウイルス研究所を設置することでございます。
以上が、二の法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
次に、日本学士院法案の提案理由と内容の概要とを御説明いたしたいと存じます。
この法案を提案いたしまするおもな理由は、現在、総理府の機関でありまする日本学術会議のうちに置かれておりまする日本学士院につきましてその会員を日本学士院自体において選定することといたし、これに伴って日本学士院を文部省に移管することでございます。
日本学士院は、明治十二年に創設せられまして、以来七十有余年の間、わが国最高の学術上の諮問機関といたしまして、碩学を集め、学術の振興に多大の貢献をいたして参りました。また、その会員たることは、科学者として最高の名誉とされてきたのでございます。この間、時代の変遷に応じまして、その権限には多少の変化が見られましたが、その基本的な性格には変りはございません。昭和二十三年に至りまして日本学術会議法が制定せられましたが、日本学士院はもっぱら学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関として、その性格を明らかにし、日本学術会議のうちに置かれることになったのでございます。そして、従前日本学士院が有していた諮問機関としての機能は、日本学術会議に引き継がれ、またその会員は、日本学術会議において選定せられることになったのであります。
その後、日本学士院においては、会員の選定について、従前通り日本学士院自体において選定いたしたい旨の強い希望がございます。また日本学術会議においても、昨年十月の総会において日本学士院を分離独立させることを適当とする旨の議決をいたしました。これを政府に要望してきたので、政府においても慎重研究いたしました結果これを適当と認め、今回この法案を提出するに至ったのでございます。
この法案の内容のおもなものを申し上げますれば、次の通りでございます。
第一は、前申した通り日本学士院の所轄を昭和二十三年以前に戻しまして文部省といたします。第二は、日本学士院会員を日本学士院みずからが選定することといたしたことでございます。その他のことにつきましては、おおむね現状通りであります。すなわち、日本学士院は、学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関としてこれにふさわしい事業を行い、学術の発達に寄与することをその目的とするのであります。従ってその事業として、日本学士院は、学術上特にすぐれた研究業績に対して恩賜賞・日本学士院賞を授与いたします。また会員が提出しまたは紹介した学術上のすぐれた論文を発表するために邦文と欧文の日本学士院紀要を編集発行いたします。そのほか国際学士院連合に加入することができるのであります。外国人に対して日本学士院客員の称号を与えることができるのであります。これらを法文上明記いたしました。
以上がこの法案の提案理由及び内容の概要でございます。
何とぞ十分御審議の上御賛成下さるようお願いいたします。
第24回国会衆議院文教委員会議録第3号2頁(昭和31年2月2日)〔清瀬一郎文部大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401006)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。