採血及び供血あっせん業取締法案
衆議院 社会労働委員会
昭和31年法律第160号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
小林英三 厚生大臣 昭和31年4月17日次に、採血及び供血あっせん業取締法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
人の血液から製造される医薬品である保存血液、人血漿その他の血液製剤の品質等につきましては、薬事法の規定によって指導取締りが行われ、また、患者に対して輸血を行う場合の保健衛生上の危害防止につきましては、これを行う医師、歯科医師の責任において行うよう、医師法、歯科医師法に基いて指導がなされているのでありますが、血液製剤の利用が盛んになるにつれて、その原料となるべき人血が血液製剤以外の物に利用されるため、医療上不可欠の血液製剤等に不足を生じることのないよう規制するとともに、たとえ血液製剤等の原料とする場合でありましても、採血という行為が行われる機会が必要以上に多くなりますと、被採血者の保健衛生その他の保護に欠けるおそれがありますので、これを防止する必要も生じて参りました。また、輸血のための血液を提供する者については、これを病院等に対してあっせんする業者がありまして、これに対しては、昭和二十年に輸血取締規則が制定せられていたのでありますが、独立命令でありましたために、昭和二十二年に失効し、その後は、これらの業者に対する取締法規がなく、全く放任された状態にありますために、とかく供血者に対する搾取、その他の弊害が起っている実状にかんがみまして、これらについても、開業に当って許可を受けさせ、あっせん手数料を制限する等、ある程度の取締りを行うことが必要であります。これらの必要性を考慮いたしまして、人の血液の利用の適正、血液製剤の製造等に伴う採血に当っての危害防止及び供血のあっせん業等における被採血者の保護を目的として、本法案を提出いたしました次第であります。
次に、この法案の大要について、御説明申し上げます。
第一に、採血及び人の血液を原料とする物の製造の制限であります。本来、採血という行為は、医療等やむを得ない目的のため以外には認めないようにすることが保健衛生上必要でありますし、従って、血液を原料とする物の製造についても、これが血液製剤等不可欠な物の原料に限らなければならないのでありまして、その意味で、医療、学術研究または血液製剤等の原料とする目的以外の採血を禁止するとともに、血液を原料としての物の製造は、原則として血液製剤等に限ることといたしております。
第二に、血液製剤等の原料とする目的で採血する業者については、その業務所ごとに厚生大臣に申請させ、一定の条件に適合しない者については、許可を与えないこととし、さらに必要に応じて採血量、血液の買入価格等について指示することができることとして、血液の利用の適正及び被採血者の保護をはかっております。
第三に、供血あっせん業の取締りであります。輸血の用に供する血液の提供者をあっせんするいわゆる供血あっせん業者は、現在、何ら法的規制の対象となっておりませんために、とかく血液提供者に対する搾取その他の弊害を生じている傾きがありますので、これを都道府県知事の許可にかかわらしめ、悪質な者に対しては許可を与えないこととし、また、許可を受けた者に対しても、あっせん手数料の制限、業務上守るべき義務等を規定して、弊害の防止をはかっております。
第四に、血液製剤の原料としてまたは輸血のために人体から相当多量の血液を採取する者につきましては、事前の健康診断及び貧血者等から採血してはならない旨の義務を課することによって、被採血者の健康の保護をはかることといたしております。
以上が、この法律案を提案するおもな理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決せられるようお願い申し上げます。
第24回国会参議院社会労働委員会会議録第24号1頁(昭和31年4月17日)〔小林英三厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401122)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。