首都圏整備法案
衆議院 建設委員会
昭和31年法律第83号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- S31.3.23趣旨説明建設委員会 1892
- S31.3.28補足説明・質疑建設委員会 1973
- S31.3.30質疑建設委員会 2065
- S31.4.6質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議建設委員会 2236
- S31.4.10修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 3243
- S31.6.3附帯決議本会議 1
提案理由
馬場元治 建設大臣 昭和31年3月23日ただいま議題となりました首都圏整備法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます、
東京都がわが国の政治、経済、文化等に関し重要な機能を果しておりますことは言うまでもないところでありますが、東京都と社会的経済的に密接な関連を持つ区域は、都の行政区域を越える広い周辺地域に及んでいるのであります。従って、首都の整備のみならず、その周辺地域を含めてこれが重要施設の整備を促進して十分にその機能を発揮し得るようにする必要があると考えるのであります。
現在、首都の重要施設の整備の進推をはかりますために、昭和二十五年に制定されました首都建設法がありますが、同法によると、東京都の区域内において施行される重要施設の基本計画、すなわち、首都建設計画を首都建設委員会が作成しその実施の推進に当ることになっております。しかしながら、首都への過度の産業及び人口の集中とこれに伴う環境の悪化の現状を考えますと、単に東京都の区域内の重要施設を計画的に整備することに意を用いるのみでは不十分でありまして、その周辺の都市を市街地開発区域に指定し、積極的に工業都市または住居都市として発展せしめること、また首都の近郊地帯を緑地地帯として整備すること等の措置を講ずるとともに首都における重要施設の整備を一そう推進する必要があるのであります。
すなわち、東京都及びこれと社会的経済的に密接な関係を有する政令で定めるその周辺の地域を一体とした広域について、市街地開発区域の整備、近郊地帯並びに首都及びこれと連接した枢要な都市の整備を中心とした総合的な整備計画を策定し、その実施を推進することにより、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展をはかる必要があるのであります。これが、本法律案を提案する理由であります。
次に本法律案の要旨について申し述べたいと存じます。
第一に、首都圏整備計画の作成並びにその実施に関する事務の調整及び推進等の事務を所掌するため、総理府の外局として首都圏整備委員会を設置し、従来の首都建設委員会を発展的に解消することにいたしたのであります。この委員会は、権威のある科学的合理的な計画を策定し、これが強力な推進をはかりますため、国務大臣をもって充てる委員長と委員四人で組織することとし、委員のうち少くとも二人は常勤委員とすることにしたのであります。
第二は、首都圏整備計画の作成であります。首都圏整備計画は、基本計画、整備計画及び事業計画といたしておりますが、その中心となるものは整備計画であります。整備計画は、既成市街地、すなわち東京都及びこれと連接した枢要な都市を含む区域のうち政令で定める市街地の区域、近郊地帯すなわち既成市街地の秩序ある発展をはかるため緑地帯を設定する必要がある既成市街地の近郊で政令で定めるもの並びに市街地開発区域の整備に関する事項で、宅地の整備、道路、鉄道、軌道その他の重要施設の整備に関するもののうち根幹となるべきものを中心とした総合的な計画であります。これらの計画は、首都圏整備委員会が、関係行政機関の長、関係都県及び委員会に置かれる首都圏整備審議会の意見を聞いて慎重に策定することになっております。
第三は、首都圏整備計画に基く事業の実施であります。まず、既成市街地の周辺地域内の区域について適当なものを選びこれを市街地開発区域として指定し、各区域ごとにその性格、規模に応じた整備計画を作成し、重要施設の整備を強力に推進することといたしたのであります。次に、整備計画に基く事業は、委員会が実施せず、それぞれ当該事業に関する法律に従い各実施官庁、地方公共団体、または関係事業者が実施することとなっておりますが、整備計画の円滑な実施をはかるため、これらのものはできる限り整備計画の実施に協力すべきこととし、委員会は、整備計画の実施に関し必要な勧告をなし得ることといたしたのであります。なお、以上のほか首都への産業及び人口の過度の集中を防止するため必要があると認めるときは別に法律で定めるところにより、工業等制限区域を指定し得ること、市街地開発区域内において事業計画に基き小学校、または中学校の施設の建設を行う地方公共団体に対し国は補助をなし得ること、国は本計画に基く事業を執行する地方公共団体その他の事業者に対し必要な資金の融通またはあっせんをすること、地方公営企業の建設、改良等を行う場合に必要な地方債の許可に関する取扱い等について必要な措置を講じ、首都圏整備計画に基く事業が適正かつ円滑に実施されるよう企図した次第であります。
以上申し述べましたように、首都圏整備法案を提案いたしましたのは、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展をはかるために緊急を要するものと考えたからでありまして、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
第24回国会衆議院建設委員会議録第18号7頁(昭和31年3月23日)〔馬場元治建設大臣発言・発言番号34〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法制定に伴い首都圏整備に関する事業の強力な推進を図るため、昭和三十二年度以降の事業計画に係る予算は、首都圏整備委員会の予算に一括計上し、その実施に当っては、これを関係各省に移し替える措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401138)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。