建築基準法の一部を改正する法律案
衆議院 建設委員会
昭和32年法律第101号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
南條徳男 建設大臣・首都圏整備委員会委員長 昭和32年4月2日ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
建築基準法は、御承知の通り建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護をはかり、もって公共の福祉の増進に資することを目的として、昭和二十五年五月に制定されたのでありますが、以来六年余にわたり、わが国の建築物の質の向上と災害の防止に貢献し、社会福祉の増進に寄与して参ったのであります。
その間、他の法令の改正に伴う一部の改正が若干ございましたが、最近における建築事情や、同法の施行の状況にかんがみ、次のような諸点について改正を行う必要が生じて参りました。
まず第一に、建築物は、道路内にまたは道路に突き出して建築することは原則として禁止されており、地下室、公衆便所、巡査派出所等の公益上必要な建築物のみが特例として認められているのでありますが、その他にも必ずしも禁止する必要のないものがあると考えられますので、今回、公共用歩廊及び新たに政令で定める建築物で、安全上、防火上もしくは衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認められるものにつきましては、特定行政庁が、あらかじめ、建築審査会の同意を得て許可した場合に限り、この規定の適用を除外することにいたしました。
第二に、従来は商業地域内で、かつ準防火地域内にある建築物の建築面積の敷地面積に対する割合は、七割をこえてはならない旨を規定いたしているのでありますが、耐火構造の建築物については、防災上若干これを緩和しても差しつかえないと考えられますし、また、この割合を緩和することによって耐火建築の促進に役立つことと存ぜられますので、その割合の限度を八割までに緩和することにいたしました。
第三に、本法の規定の一部の適用を緩和する仮設建築物の種類に、工事期間中設ける仮設店舗等を加えることといたしました。最近各都市において耐火建築物の建築が増加し、かつ政府におきましても耐火建築物の建築を促進しているのでありますが、従来は木造建築物等を耐火建築物に改築する場合に、道路上または防火地域内等においては仮設店舗等を建築することを認めていなかったため、工事期間中営業を停止しなければならない場合が多く、これが改築等の促進の障害となっているのであります。そこで、このたび工事を施工するために既存の建築物にかえて必要となる仮設店舗等につきましては、これを建築基準法に定める仮設建築物の種類に加え、特定行政庁の許可を受けた場合には、道路、防火地域等の規定を適用しないことといたし、また、その存続期間も工事施行上必要と認める期間とすることにいたしたのであります。
第四に、空地地区内における中高層の住宅の建設を促進するため、都市計画として決定した一団地の住宅経営について、空地地区内の制限を緩和することといたしました。すなわち、都市計画として決定した一団地の住宅経営において、当該都市計画に建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合等の基準が適切に定められており、この計画に基いて建設される住宅等がこの基準に適合し、かつ空地地区内の住居の環境の保護に支障がないと認められるときは、空地地区内の制限の規定に適合していない場合においても、その趣旨が達成されると考えられますので、このような場合に限り、空地地区内の制限の規定を適用しないことといたしたのであります。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
第26回国会衆議院建設委員会議録第14号7頁(昭和32年4月2日)〔南條徳男建設大臣発言・発言番号54〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102601122)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。