船員保険法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和35年法律第121号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
内藤隆 政府委員(厚生政務次官) 昭和35年4月5日ただいま議題となりました船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
船員の職務上の傷病に対する災害補償につきましては、船員法及び船員保険法に基づいてこれを実施いたしておりますが、船員保険法に規定いたしますところの療養の給付期間である三年を経過してもまだなおらない者に対しましては、その実情等にかんがみ、期間経過後もなお引き続き、なおるまで療養保障を行なうことが必要と考えられますので、今回、本法案を提案いたした次第であります。
次に、本法案の要点について御説明申し上げます。
第一に、ただいま申し上げました職務上の事由による傷病につきまして、療養の給付期間三年を経過してもなおらない者に対しましては、その傷病がなおるまで、引き続き療養の給付及び傷病手当金の支給を行なうことといたしました。なお、これらの者に対しましては、従来、三年間のうちになおらなかった場合でありましても、その時点において直ちに廃疾の認定を行なうこととしていた方法を改め、その傷病がなおったときに廃疾の認定を行なうことといたしたのであります。
第二に、国庫負担の規定といたしまして、政令で定めるところにより、職務上の事由による傷病のうち政令で定めるものにつき三年を経過してもなおらない者に対する療養の給付及び傷病手当金の支給に要する費用並びに職務上の事由による障害年金の支給に要する費用のうち、船員法の規定による災害補償に相当する部分を越える部分につきまして、その一部を国庫が負担することといたしました。
第三に、経過措置といたしまして、陸上の労働者を対象といたしますけい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法が適用になりました昭和三十年七月二十九日以後に、職務上の事由に基づく外傷性せき髄障害に関して障害年金の支給を受け、この法律施行の際その外傷性せき髄障害がまだなおっていない船員につきましては、この法律の施行後三カ月以内に届出をいたさせまして、この届出を行なった者につきましては、なおるまで障害年金の支給を停止し、そのかわりに療養の給付及び傷病手当金の支給を行なうことといたしました。
なお、国庫負担に関する事項につきましては、将来社会保障に関する制度全般の調整がなされる機会において検討を加えなければならない面もありますので、この点に関しましては、そのような機会に検討して必要な措置を講ずることとしたのであります。
以上が本法案を提案いたしました理由及びその概要でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
第34回国会衆議院社会労働委員会議録第24号4頁(昭和35年4月5日)〔内藤隆政府委員発言・発言番号15〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文を朗読いたします。船員保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議政府は船員保険について左の事項に努力すべきである。
一船員保険の被保険者の標準報酬は最高三万六千円に据置かれているが、賃金の実態に即して引き上げるようすみやかに措置すること。
二船員勤務の特殊な実態にかんがみ、療養給付における一部負担制度についてすみやかに検討すること。
三船員の外傷性せき髄障害患者に対する療養給付の内容(食事の熱量、附添看護等)は、陸上労働者の同一症状のものと同一の内容にすみやかに改めること。なお、船員せき損患者が労災病院に入院できるよう至急に措置すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103401115)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。