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国会審議›第34回国会›閣法第128号
閣法第34回国会 第128号成立

薬剤師法案

昭和35年法律第146号 薬剤師法
提出昭和35年4月26日 内閣
付託参議院 社会労働委員会
衆議院 社会労働委員会
成立昭和35年7月15日
昭和35年法律第146号
審議会議 10回・発言 930(政府答弁等 359)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院社会労働委員会

  1. S35.4.27趣旨説明・補足説明・質疑社会労働委員会 2862
  2. S35.4.28質疑社会労働委員会 29107
  3. S35.5.9質疑社会労働委員会 30137
  4. S35.5.10質疑社会労働委員会 31124
  5. S35.5.12質疑社会労働委員会 32181
  6. S35.5.17質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 33159
  7. S35.6.20附帯決議・委員長報告・採決本会議 2656

衆議院社会労働委員会

  1. S35.5.10趣旨説明社会労働委員会 34254
  2. S35.7.12採決社会労働委員会 4145
  3. S35.7.15委員長報告・採決本会議 4150

提案理由

渡邊良夫 厚生大臣 昭和35年4月27日

ただいま議題となりました薬剤師法案及び薬事法案の提案の理由を説明いたします。

 現行薬事法は、戦後早々の間に立法されたものでありまして、種々不備の点もありましたし、また、その後における実施の経験に徴し、かつ、医薬品の飛躍的進歩の事情等に照らし、必ずしも今日の実情に沿わない点が多いのであります。

 よって、今回これらの点について検討を加えまして、その整備改善をはかろうとするものであります。すなわち、医薬品の範囲につき再検討し、実情に応じた措置をとるとともに、医薬品等が、生命身体に直接影響するものであり、医療上きわめて重要なものであることにかんがみ、薬局、製造業、販売業を通じ、管理その他の規制について、また、医薬品の表示取り扱いないし広告に関し、遺憾なきょう、所要の整備をはかろうとするものであります。

 次に、法律の形につきましても、現行法は薬剤師の身分に関する事項と薬局並びに医薬品、化粧品及び医療用具に関する事項を一本に規定し、かつ、条文の配列、用語、表現が理解にきわめて不便でありますので、これについてはいわゆる身分法と業務の実体法とを分離するとともに、条文、体裁を整備せんとするものであります。

 なお、薬事法の改正については、右のような事情で、かねてから非常に要望が強かったものでありますが、今回、薬事審議会の答申を基礎として立案をいたし、薬剤師法案及び薬事法案を上程する運びといたした次第であります。

 まず、薬剤師法案について、御説明申し上げます。

 第一に、薬剤師の任務については、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与すべき旨を明らかにし、もって国民の健康な生活の確保に資する上に努力をいたすべきことを期待する趣旨でございます。

 第二に、薬剤師の業務たる調剤につきましては、現行法の不備を補い、調剤録の備付、保存その他の規定を整備することにしております。

 次に、薬事法案について御説明申し上げます。

 第一に、新たに、医薬部外品の制度を設け、口中清涼剤、殺虫剤等で人体に対する作用の緩和なもの等を医薬部外品として医薬品の範囲外とし、一面において医薬品の特殊性を明確にするとともに、これらのものの取り扱いを簡易にすることにいたしております。

 第二に、都道府県知事の諮問に応じ、薬事に関する重要事項を調査審議するために、地方薬事審議会を置くことができることといたしております。

 第三に、薬局、医薬品等の製造業、販売業等についてその業務が適正に行なわれることを確保するため、まず、登録制を許可制に改め、その許可基準を整備し、また、薬局、製造業等の管理についてその規定を整備するとともに、新たに、医薬部外品、化粧品及び医療用具の製造所にも責任技術者を置かなければならないことといたしたいと考えております。

 第四に、医薬品の販売業につきましては、医薬品が生命身体に直接作用するものでありますので、これに関する相当の知識経験を有する者に取り扱わせるという本来の建前と、現下の実情とを勘案して、これを一般販売業、薬種商、配置販売業及び特例販売業の四種としております。すなわち、すべての品目を取り扱う者は、これを一般販売業者とし、指定医薬品以外のすべての品目を取り扱う者に薬種商の名称を付し、配置による販売を行なう者は、配置販売業者とし、また、医薬品販売業の普及が十分でない地域等特に必要がある場合に、品目を指定して認める者を特例販売業者とし、それぞれにつき、許可の内容について規定を設けました。

 次に、医療用具の販売業につきましても、特定の医療用具については、その取り扱いに遺憾なきを期するため、新たに届出制をとることにしたいと思います。

 第五に、医薬品等の取り扱いに関しましては、その特質にかんがみ、品質の確保、使用上の適正をはかるについて特別の留意をいたさなければならないことは、言うまでもありません。この趣旨にかんがみまして、医薬品等には、製造番号、記号及び成分分量等の表示をさせることとするとともに、医薬品には封を施すこととしています。また、ホルモン剤等特殊成分を含有する化粧品につきましては、これによる障害等を防止するため、品目ごとの承認を要することとし、また、その成分分量等一定の表示をさせることとしています。

 次に、医薬品の広告に関しましても、ガン等の特殊疾病用の特定医薬品の広告、承認前の医薬品の広告についても、所要の制限をしようとしております。

 なお、これらの法律の施行に伴う必要な経過措置につきましては、その移行が円滑に行なわれるように留意いたしております。

 以上が、この二法案を提出いたしました理由及び改正のおもな要点であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

第34回国会参議院社会労働委員会会議録第28号1頁(昭和35年4月27日)〔渡邊良夫厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

参議院 社会労働委員会昭和35年5月17日

(1) 本法第一条に言うところの「薬事衛生」とは、調剤、医薬品の製造、保存、管理、試験、鑑定、販売授与を含むほか、薬剤師がなすところの食品衛生、水質検査等環境衛生、犯罪の化学的鑑定その他公衆衛生上の薬学的、衛生化学的行為を含むものであることの解釈を、政府として明確にし徹底せしむべきである。(2) 政府は、薬剤師会の法制化について検討すべきである。次に、薬事法案に対する附帯決議案(1) 医薬品の乱売は厳として慎しむべきである。政府は、速かに各地の乱売を終熄せしめるよう、極力対策を講ずべきである。(2) 政府は、行政措置を以て医薬品の卸売業と小売業の区分を明確にし、両者の販売方法については、混乱を来たさざるよう指導し、小売商業調整特別措置法第十四条に規定する政令を以て、医薬品の指定をなし、且つ医薬品製造業者、卸売業者及び中小企業者に非ざる者がそれぞれ小売営業を行って、小売業者との間に経済的紛争を起した場合については、都道府県知事は速かに小売商業調整特別措置法第十五条による調停斡旋を行なうよう、政府は、都道府県知事に強く要請すべきである。政府は、中小企業団体の組織に関する法律に基づく商工組合の結成を指導促進せしめ、特に適正且つ効果的なる調整規定の設定を認めるよう、考慮すべきである。(3) 政府は、地方薬事審議会の任務の重要性に鑑み、之が都道府県洩れなく設置せられるよう適当な配慮をなすべきである。(4) 特例販売業については、医薬品の特殊性に鑑み、極力新規の許可をなさざるよう努力し、特例販売品目は、速かに改訂し、且つその品目を極力圧縮し、特例販売品目を都道府県知事が指定する場合は、政府が定めたる基準の範囲内でなさしむべきである。(5) 「医薬部外品」については、作用極めて緩和なるもののみに限定し、本法第二条第二項の各号に挙げられたるものと雖も、医薬品と認めらるべきものは、之を医薬部外品となさざるよう、政府において十分の注意をなすべきである。(6) 政府は、本法第二条第四項による「医療用具」には、歯科材料を含むものであることの解釈を徹底せしめ、且つ可及的速かに、この用語の改正をなすべきである。(7) 本法第三十九条の届出等については許可事項にすべきもの等検討すべきである。(8) 薬局の適正配置をはかり、以て国民皆保険に協力せしめ得るよう、対策を講ずべきである。(9) 医薬品の製造発売に関して、徒らに他の製品を模倣し、宣伝広告を競うが如き現状の改善措置を講じ、特に医薬品の広告については、諸外国の例に照らし、その取締に関し厳重なる規制をおき、且つ発売者が十分の自粛をなすよう、政府において指導すべきである。(10) 合成医薬品の製造方法特許申請に対しては、優秀なる新医薬品を速かに医療用に供せしめることの必要性に鑑み、その審査の促進を計るべきである。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103401128)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。