教育職員免許法の一部を改正する法律案
衆議院 文教委員会
昭和39年法律第137号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
灘尾弘吉 文部大臣 昭和39年3月17日このたび政府から提出いたしました教育職員免許法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
このたびの改正案は、高等学校教育の充実に資するため、高等学校の教諭の免許状について特例を設けるとともに、小学校、中学校、高等学校及び幼稚園の教員の免許資格を上進するために必要とされている在職年数の取り扱いを改め、教員の資質向上への意欲を助長しようとするものであります。
まず第一に、高等学校の教諭の免許状の特例を設けたことであります。最近に至り高等学校の教育が普及し、その教育内容も漸次改善充実を見つつありますが、高等学校においては、小学校または中学校と異なり、普通教育とあわせて専門教育をも施すのでありまして、技能に関する教育、指導が特に必要とされる分野が多くなっております。これに対し、現行の教員免許状は、教科の全分野について、大学において所要単位を包括的に履修した者に授与されるたてまえになっておりまして、特定の分野のみについて深く指導を必要とする場合に対処するためには必ずしも十分とは申せません。このため、特定の技能に関する分野に限って、大学の教育を受けたかいなかの別を問わず、文部大臣が行なう試験によって、教員として適当な資質、能力を有すると認められた者に対し、教諭免許状が授与されるものとし、現行の包括的な教科の一部に属する専門的な事項の教授を担任できるようにしたものであります。なお、この高等学校教諭免許状を有する者は、中学校におけるこれらの分野の教育を担任する教諭または講師になることができる特例を当分の間認めることとし、中学校における教育の充実にも役立つようにいたしました。
第二に、小学校、中学校、高等学校及び幼稚園の教員免許状について、その免許資格を上進させる場合に必要とされる在職年数の取り扱いを改めたことであります。教員の上級免許状の取得は、良好な成績で一定年数勤務し、かつ、大学において所定の単位を修得した場合に認められることとなっております。この場合、各学校種別に教員の担当する職務の専門性に着目し、修得すべき単位はもとより、必要な在職年数も当該学校に関するものに限ることを原則としております。過般、盲学校、聾学校及び養護学校の各部の教員の在職年数を、その者の所持する小学校、中学校、高等学校及び幼稚園の教員免許状を二級免許状に上進する場合に通算するよう措置しましたが、今回これらの教員の職務の類似性にかんがみ、資格上進のすべての場合に在職年数を同様に取り扱うことといたしました。これにより、教員の資質向上への意欲を助長し、当該教員の利益を保障できるものと考えます。なお、中学校または高等学校の実習教科関係教員の資格の上進の場合においても、実習助手を含めて、さきに述べたところと同趣旨の取り扱いをすることといたしました。
この法律は、公布の日から施行することといたしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、御賛成くださるようお願い申します。
第46回国会参議院文教委員会会議録第15号1頁(昭和39年3月17日)〔灘尾弘吉文部大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104601129)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。