中国横断自動車道建設法案
参議院 建設委員会
昭和40年法律第132号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- S40.5.31委員長報告・採決本会議 5249
- S40.5.31趣旨説明・質疑・採決建設委員会 2056
参議院建設委員会
- S40.6.1採決・委員長報告本会議 2492
- S40.6.1趣旨説明・質疑・採決建設委員会 2350
提案理由
逢澤寛 議員(発議者) 昭和40年5月31日ただいま議題となりました中国横断自動車道建設法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その提案の理由並びに要旨を御説明申し上げます。
現下われわれの当面する最も緊要な政治的課題は、経済の高度成長、社会諸情勢の急進展に伴って醸成せられた地域格差を是正し、経済のひずみを解消して、広域的見地に立った国土の均衡ある発展を期するにあることは申すまでもありません。これがためには、まず、特に地方における交通体系の確立、なかんずく、今後の新しい時代趨勢たる幹線高速道路網の建設が最も喫緊の基本的命題であると思うのであります。
ひるがえっておもんみるに、中国地方は、さきに中国地方開発促進法に基づく開発計画がようやくその緒につかんとし、かつまた、いわゆる新産、工特両法の実施に伴い、瀬戸内沿岸地域に中核的産業拠点が設定せられ、それぞれの建設計画が進められているのでありますが、本地方全般について見れば、なおいまだ全国的水準を下回っており、特に山陰地方はいまなお低位後進性を脱却し得ず、現に山陽地方との格差は依然として顕著なものがあります。
したがって、この際、中国地方全域にわたる総合一体的開発の実をあげるためには、比較的先進性を持つ瀬戸内ベルト地帯と、裏日本的宿命にあえぐ山陰地方とが、中国山脈によってさえぎられた相互間の距離的、時間的断層を除去して、有機的に相つながることが先決の要諦であります。これがため、現行道路整備五ヵ年計画における陰陽連絡一般国道の整備促進を期することはもとよりでありますが、他面、あたかも本年度より中国縦貫高速自動車道の着工を契機として、竿頭さらに一歩を進め、陰陽の枢要地域を結ぶ肋骨的高速自動車道を建設し、両々相まって、幹線高速道路としての機能を十全せしむることが必然の要請であり、長期的展望に立った本地方開発のビジョンを実現するゆえんであると思うのであります。しかも本地方は、延々六百キロに及び長大な地域を擁する形状等にかんがみ、道路交通体系上、それぞれの拠点地域を結ぶ複数路線の設定が必要不可欠であります。
すなわち、本法案においては、新産業都市、工業整備特別地域その他工業地帯を周辺に擁して、特にわが国屈指の重化学工業地帯としての夢を将来に託する瀬戸内ベルト地帯と日本海への門口を挺する山陰の拠点とを結ぶ二路線を建設せんとするものであります。これら横断自動車道建設の暁においては、縦貫自動車道と経緯相結び、本地方総合開発の幹線的大動脈を形成するのみならず、隣接する阪神、瀬戸内、北九州との交流を円滑迅速化して西日本広域経済圏の重要な一翼をになうこととなり、かつまた、日本海を隔てて一衣帯水の間にある大陸との交易においても、その地位的優位と役割りは、将来に多大の期待を嘱し得ること必定でありまして、広くわが国経済の伸長発展と民生の安定向上に寄与するところきわめて大なるものがあると思うのであります。
如上の観点に立って、地元関係住民の間には、多年の懸案たりし縦貫道の着工とともに、本横断道の建設要望がほうはいとして高まってまいりました。われわれは、このような地域的住民年来の宿願にこたえ、盛り上がる世論の趨向と本地方の発展的将来に対処して、これが実現をはかるため、特に本法案を提出することといたしたのであります。
以上が本法案提出の趣旨でありますが、次に本法案の要旨について若干の御説明を申し上げます。
第一は、本法案の目的についてでありますが、山陽地方と山陰地方との交通の迅速化をはかり、相互間の産業経済等の関係を一そう緊密にし、かつ、国土開発縦貫自動車道たる中国自動車道と相まって、中国地方の総合的な開発をさらに強力に推進するため、全国的な自動車交通網の枢要部分を構成するものとして、緊急に中国地方を横断する自動車の高速交通の用に供する幹線たる自動車道を建設し、もって産業基盤の強化に資するとともに、国民経済の発展に寄与せんとするものであります。
第二は、本自動車道の予定路線についてでありますが、本路線は、起点を岡山市付近及び終点を境港市とし、主たる経過地を岡山県真庭郡落合町付近とする路線、並びに起点を広島市及び終点を浜田市とする二路線でありまして、この基準に基づき、政府は別に法律を作成し、すみやかに国会に提出しなければならないことといたしております。
なお、本路線の指定については、国土開発縦貫道の方式に準じてこれを行なうことといたしまして、内閣総理大臣は、国土開発縦貫自動車道審議会の議を経て、予定路線を決定することと相なっております。
第三は、本路線の建設に関する基本計画についてでありますが、これが決定にあたっても内閣総理大臣は、前述の予定路線同様の手続きを経て、これを行なうことといたして、さらにこの基本計画立案等のための基礎調査についても所要の規定を設けております。
第四は、現行高速自動車道法の一部改正を行ないまして、同法に準拠する本自動車道の整備計画を作成する等、所要の規定を設けることといたしております。
以上が本法案の提案理由並びにその要旨でありますが、こいねがわくば慎重御審議の上、すみやかに御議決賜わらんことを切に御願いする次第であります。(拍手)
第48回国会衆議院建設委員会議録第20号2頁(昭和40年5月31日)〔逢澤寛議員発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104802045)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。