検疫法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和45年法律第59号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
内田常雄 厚生大臣 昭和45年3月10日ただいま議題となりました検疫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
現行の検疫法は、制定以来大幅な改正を経ることなく今日に至っておりますが、近年とみに、わが国に来航する船舶及び航空機は増加を示すとともに、コンテナ船の就航、大型タンカーの出現など、輸送形態も大きく変化をとげつつあります。
このような変化は、わが国のみならず世界的な動向であり、また、伝染病の近時における流行状況の変化にもかんがみ、昨年、世界保健総会において、現行の国際衛生規則にかわり、新たに国際保健規則が採択されたのであります。
わが国といたしましても、この際、同規則の趣旨にのっとり、検疫制度をその内容に即したものとするとともに、あわせて検疫業務の合理化をはかることとし、この法律案を提案いたした次第であります。
次に、改正法案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一は、発しんチフス及び回帰熱を検疫伝染病から除くことであります。
発しんチフス及び回帰熱は、近時、国際航行により伝染するおそれがほとんどなくなり、国際保健規則でも検疫伝染病から除くこととなりましたので、わが国においてもこれらを検疫伝染病から除くことといたしております。
第二は、検疫所長が、検査を行なうため、貨物の陸揚げ等を指示できることとすることであります。
近時国際輸送手段としてコンテナによる輸送が大幅に取り入れられてまいりましたが、この船舶内または航空機内での検査には、技術的な困難が伴いますので、その検査に当たり検疫所長が必要と認めるときは、これを検疫所長の指示する場所、例えばコンテナ埠頭等に陸揚げさせ、または運び出させて検査を行なうことができるようにし、貨物の検査を効果的に行なうものであります。
第三は、衛生的に安全な船舶については、検疫区域で停船させずに、直接に、港に入れることとする道を開くことであります。
すなわち、現在の検疫方式では、来航する船舶を検疫区域で停船させた上で検疫を実施することを原則としておりますが、衛生的に安全であると判断される船舶については、直接に港に入れる方途を講じ、効率的な検疫を行なえることとするものであります。
第四は、検疫港及び検疫飛行場の衛生管理を強化することであります。
現在、検疫所長は、検疫港または検疫飛行場において、検疫伝染病について一定の調査を行ない、衛生措置を行なうこととしておりますが、検疫伝染病に準ずる伝染病についても、これらの措置を講ずる等これをさらに強化することといたしております。
以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第63回国会参議院社会労働委員会会議録第3号1頁(昭和45年3月10日)〔内田常雄厚生大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301017)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。