情報処理振興事業協会等に関する法律案
参議院 商工委員会
昭和45年法律第90号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S45.3.24趣旨説明商工委員会 10287
- S45.4.8質疑商工委員会 17218
- S45.4.9質疑商工委員会 18192
- S45.4.15質疑商工委員会 20192
- S45.4.17参考人招致・質疑商工委員会 21132
- S45.4.23質疑・修正案趣旨説明・修正案・採決(修正)・附帯決議商工委員会 22224
- S45.4.24委員長報告・修正案・採決(修正)・附帯決議本会議 2247
参議院商工委員会
- S45.4.28趣旨説明・補足説明・衆議院修正部分趣旨説明・議案(衆議院修正部分)商工委員会 1614
- S45.5.6質疑商工委員会 17163
- S45.5.7質疑商工委員会 18170
- S45.5.8質疑商工委員会 1950
- S45.5.12質疑・採決・附帯決議商工委員会 21338
- S45.5.13附帯決議本会議 1
- S45.5.13採決・委員長報告本会議 1799
提案理由
宮澤喜一 通商産業大臣 昭和45年3月24日情報処理振興事業協会等に関する法律案につきまして、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。
今日のように高度に多様化し、また急速なテンポで発展している経済社会におきましては、あらゆる活動は、複雑な外部環境の変化を予測し、その変化に機敏に即応していかなければならないことは、申し上げるまでもございません。
このため、企業や行政機関などのあらゆる組織体は、日々に発生する大量の情報を迅速に処理し、その成果に基づき的確な判断を行なっていくことが要請されております。
電子計算機による情報処理は、このような要請から生まれたものでありますが、この発展のためには、ハードウエアすなわち電子計算機の機械そのもののほか、これを利用するための技術、すなわちソフトウエアの進歩が不可欠であります。
従来、政府といたしましては、電子工業振興臨時措置法の運用などによりまして、ハードウェアの技術開発などのための施策を講じ、その技術水準も国際的なものに近づきつつあります。反面、ソフトウエアについては十分な措置が講ぜられていたとは申せず、特にこの分野において進んでいる米国との格差がますます拡大しているのが現状でございます。
また、情報処理サービス業及びソフトウエア業は、情報処理技術の向上などになうものとして、その健全な発展が望まれておりますが、わが国においては、いまだ歴史も浅く発展初期の段階にあるといえます。
このような現状にかんがみ、わが国における情報処理を振興するためには、電子計算機、すなわちハードウエアの技術の振興のみならず、それに即応したソフトウエアの開発及び利用を促進すること、情報処理サービス業等の育成をはかっていくことが特に緊急を要する政策課題となっておりますので、これについて必要な措置を講ずるため、本法案を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の要旨について、御説明申し上げます。
第一は、電子計算機利用高度化計画等についての規定であります。
まず、情報処理の振興をはかるため、性能のすぐれた電子計算機の設置及び先進的かつ広く利用されるプログラムの開発についての目標を設定する電子計算機利用高度化計画を定めることといたしております。そして政府は、この計画の対象となった電子計算機の設置及びプログラムの開発の促進に必要な資金の確保などにつとめることといたしております。
また、プログラムの円滑な流通をはかるため、プログラム調査簿を作成し、これを一般の閲覧に供することといたしております。
さらに、情報処理技術者の技術の向上に資するため、情報処理技術者試験を行なうこととしています。
第二は、情報処理振興事業協会に関する規定であります。
まず、協会の設立につきましては、情報処理について専門的な知識を有する者十五人以上が発起人となって、通商産業大臣に設立の認可申請を行なうこととしております。この認可の申請が行なわれますと、通商産業大臣は、その事業の運営が健全に行なわれ、情報処理の振興に寄与することが確実であると認められるときは、一つを限り、設立を認可することとしております。
協会の資本金は、政府及び民間の出資によって構成されることとなっており、政府は四十五年度予算においては、二億円の出資を予定しております。
協会の業務でございますが、これは、大別して二つございます。第一は、先進的かつ汎用的なプログラムの開発を委託し、その成果を対価を得て第三者に使用させることであります。第二の業務内容は、情報処理サービス業者等が業務の高度化に必要な資金を借り入れる場合及び一般事業者がプログラムの開発に必要な資金を借り入れる場合に、債務保証を行なうことであります。
協会の業務のうち、債務保証業務に関しましては、資本金と、民間からの出損金によって構成される信用基金を設けることとしております。
なお、協会の適正な運営を確保するため、通商産業大臣がその監督を行なうこととしております。
以上、この法律案の提出の理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、御賛同をくださいますようお願い申し上げます。
第63回国会衆議院商工委員会議録第10号22頁(昭和45年3月24日)〔宮澤喜一通商産業大臣発言・発言番号108〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
決議の案文は、お手元に配付したとおりでございます。第一点は、情報化に関する基本法についてであります。新時代に即応して、情報化に関するあらゆる分野の総合的、基本的計画を樹立することが今日の急務であります。先ほど議決いたしました本法律案は、この総合基本政策の一環であり、当面緊急を要する施策として、是認したのでありますが、政府は、これで一段落ということでなく、情報化に関する基本法案の立案を今後さらに精力的に進め、できるだけ早い機会に国会に提案されるよう強く要請するものであります。第二点は、情報化政策に関する基本原則であります。電子計算機の性能が幾ら高くても、それはあくまで機械であり、これを中心とする情報処理、情報提供は、ともすれば機械的となり、そこには人間性不在、人間疎外、さらには反社会的な要素が生ずるおそれなしとしないのであります。この点を十分考慮して情報化に関する基本的施策が立案されるよう、本決議案に示したような事項につき特に留意すべきことを要望したいのであります。第三点は、情報処理に関する標準化及び情報処理技術者の養成でありまして、これらは、産業構造審議会情報産業部会の答申においても、当委員会の審議においても重点項目でありましたので、政府は、これらの促進のために鋭意努力すべきであると存じます。第四点は、行政機関における電子計算機の利用が必ずしも満足すべき状態にないことにかんがみまして、早急に電子計算機利用の高度化、効率化をはかるため総合利用、共同利用を進めるべきことを要請したいと存じます。第五点は、中小企業における電子計算機の普及及びプログラムの開発の推進であります。今後における情報化の進展は必然的であり、それに伴って企業が導入する電子計算機はますます高性能となり、プログラムの開発も進んでまいりますが、資力の乏しい中小企業は、この趨勢についていくことができず、大企業とのコンピューターギャップが拡大する一方となるおそれがあります。これに対処していくために、情報処理振興事業協会及び中小企業近代化関係諸制度の果たすべき役割りは、きわめて大きいものがあります。政府は、この点に十分留意して、一つ一つすみやかに改善をはかる必要があると存ずるのであります。以上が附帯決議案提出の趣旨であります。
政府は、本法施行にあたり、次の諸点に留意すべきである。
一情報化の進展は、政治・経済の全般に亘り、広範多岐な影響を及ぼすものであるから、すみやかに情報化に関する基本法を提案するよう努めること。
一情報化に関する基本的政策の立案に際しては、平和と民主主義および国民生活の健全な発展に寄与し、基本的人権の保護、プライバシーの完全な保障等について留意するとともに、国民各層の高見を十分聴取し、国民の合意と納得を得るものとすること。
一情報処理技術の国際的ギヤップをうめるためには、官民一体となつた強力な体制が必要であり、就中政府は一体的推進体制の整備に努めること。
一政府および政府関係機関における電子計算機の計画的導入、利用の総合化に努め、また、その情報はできる限り国民に公開すること。
一日本電信電話公社の通信回線の開放については、電信電話の通信需要の充足等を十分考慮して今後慎重に検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301074)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。