交通安全対策基本法案
参議院 交通安全対策特別委員会
昭和45年法律第110号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院交通安全対策特別委員会
参議院交通安全対策特別委員会
- S45.4.27趣旨説明・補足説明・質疑交通安全対策特別委員会 468
- S45.5.6質疑交通安全対策特別委員会 5134
- S45.5.8質疑・修正案趣旨説明・採決・修正案交通安全対策特別委員会 659
- S45.5.12委員長報告・採決本会議 1682
提案理由
山中貞則 総理府総務長官 昭和45年3月25日ただいま議題となりました交通安全対策基本法案につき、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
近年におけるわが国の経済の著しい発展に伴い、自動車交通は急激な伸展を遂げておりますが、これとともに道路における交通事故も逐年増加の一途をたどり、昨年一年間における道路交通事故による死傷者数は九十八万人を上回るというまことに憂慮すべき事態に立ち至っているのであります。また、鉄道及び軌道における交通事故並びに船舶及び航空機による交通事故は、幸いに必ずしも増加する傾向にはありませんが、一たび事故が発生した場合には、多数の死傷者を生ずるという重大な結果をもたらすものであり、その防止は、道路における交通事故の防止と同じく、一刻もゆるがせにすることのできない問題であります。
このような情勢に対処して、政府は、交通安全対策を最重点施策の一つとして取り上げ、諸般の施策を積極的に推進しているところでありますが、今後も予想される道路における交通事故の増加を抑制するとともに、船舶、航空機等による重大事故を防止するためには、総合的な交通安全対策をより強力に推進するとともに、国民のすべてがそれぞれの立場において国及び地方公共団体の施策に協力するという、いわゆる国民総ぐるみの体制の確立をはかることが何よりも必要であると考えられるのであります。
このような見地から、交通の安全に関し、国及び地方公共団体、車両、船舶及び航空機の使用者、車両の運転者、船員及び航空機乗り組み員等の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体を通じて必要な体制を確立し、並びに交通安全計画の策定その他国及び地方公共団体の施策の基本を定めることにより、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進をはかることを目的として、ここに交通安全対策基本法案を提案することといたした次第であります。
次に、この法律案のおもな内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、交通の安全に関する国、地方公共団体、交通施設の設置者、車両、船舶または航空機の製造事業者及び使用者、車両の運転者、船員及び航空機乗り組み員、一般住民等の責務を明らかにするとともに、交通の安全に関する施策の実施に必要な財政措置等について規定いたしております。
第二に、総理府に内閣総理大臣、関係行政機関の長等をもって構成する中央交通安全対策会議を、都道府県に都道府県知事、関係地方行政機関の長等をもって構成する都道府県交通安全対策会議を置く等国及び地方公共団体における交通の安全を推進する組織を整備することといたしております。
第三に、国及び地方公共団体は、交通の安全に関する基本的な計画及びその実施のための計画を策定し、これらの計画の実施を推進することといたしております。
第四に、国は、交通環境の整備、交通安全思想の普及、車両、船舶または航空機の安全な運転または運航の確保、気象情報等の迅速な収集及び周知、車両、船舶または航空機の安全性の確保、交通秩序の維持、救急医療の充実、海難救助の充実、損害賠償の適正化、交通の安全に関する科学技術の振興等をはかるため、必要な措置を講ずることといたしております。また、地方公共団体は、右に述べました国の施策に準ずる施策を講ずることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第63回国会衆議院交通安全対策特別委員会議録第5号4頁(昭和45年3月25日)〔山中貞則総理府総務長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301088)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。