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閣法第64回国会 第19号成立修正あり

人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律案

昭和45年法律第142号 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律
提出昭和45年12月2日 内閣
付託衆議院 法務委員会
参議院 法務委員会
成立昭和45年12月18日
昭和45年法律第142号
審議会議 15回・発言 2,353(政府答弁等 1,017)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院法務委員会・産業公害対策特別委員会地方行政委員会法務委員会社会労働委員会農林水産委員会商工委員会運輸委員会建設委員会連合審査会

  1. S45.12.3趣旨説明法務委員会 113
  2. S45.12.4質疑産業公害対策特別委員会地方行政委員会法務委員会社会労働委員会農林水産委員会商工委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 1225
  3. S45.12.5質疑産業公害対策特別委員会地方行政委員会法務委員会社会労働委員会農林水産委員会商工委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 2371
  4. S45.12.7質疑法務委員会 3145
  5. S45.12.8修正案・修正案趣旨説明・質疑法務委員会 4201
  6. S45.12.9参考人招致・質疑・修正案法務委員会 5177
  7. S45.12.10質疑・討論・附帯決議・採決法務委員会 667
  8. S45.12.10委員長報告・討論・採決・附帯決議本会議 773

参議院法務委員会・公害対策特別委員会、地方行政委員会、法務委員会、社会労働委員会、農林水産委員会、商工委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会

  1. S45.12.10趣旨説明法務委員会 214
  2. S45.12.11質疑公害対策特別委員会、地方行政委員会、法務委員会、社会労働委員会、農林水産委員会、商工委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会 1316
  3. S45.12.12質疑公害対策特別委員会、地方行政委員会、法務委員会、社会労働委員会、農林水産委員会、商工委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会 2349
  4. S45.12.15質疑法務委員会 3141
  5. S45.12.17参考人招致・質疑法務委員会 4192
  6. S45.12.18質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案法務委員会 5254
  7. S45.12.18委員長報告・討論・採決本会議 797
  8. S45.12.18附帯決議本会議 1

提案理由

小林武治 法務大臣 昭和45年12月3日

 次に、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。

 この法律案は、最近における公害の実情にかんがみ、事業活動に伴って人の健康にかかる公害を生じさせる行為等について特別の処罰規定等を設けることとするものであります。

 申すまでもなく、公害を抑止するには、まずもって、的確にして強力な行政諸施策の実施を必要とするものでありまして、刑事司法の関与する分野にはおのずから限界があり、その果たすべき役割りも補充的なものでありますが、現行の刑法の規定及び関係法令の罰則が公害の実態に照らして必ずしも十分なものとは言いがたい状況にあることにかんがみ、この際、新たに特別の処罰規定等を設けることにより、現下特に問題とされている人の健康にかかる公害の防止に資するため、この法律案を提出することとした次第であります。その意味におきまして、この法律案は、その内容において他の公害関係行政法規との調和をはかりつつ、総合的な公害防止対策の一環として、公害の防止に寄与しようとするものであります。

 この法律案の骨子は、次のとおりであります。

 第一は、各種公害のうち、人の健康にかかるもののみを対象としている点であります。

 公害対策基本法第二条にいう「公害」には、人の健康にかかる被害のほか、生活環境にかかる被害も含まれておりますが、公害による健康上の被害の防止が当面の課題として強く要請されていることのほか、人の健康にかかる被害と生活環境にかかる被害とでは、それを生じさせる行為に対する可罰的評価にかなりの差異があること、公害による生活環境にかかる被害の態様は千差万別で類型性に欠けていること等にかんがみ、当面、人の健康にかかる被害のみを対象とすることが適当であるとする考えによるものであります。

 第二は、事業活動に伴う有害物質の排出により、公衆の生命または身体に危険を生じさせる行為を処罰すべき行為の基本類型として定めている点であります。

 まず、事業活動に伴って生ずる公害に限った趣旨は、今日問題とされている人の健康にかかる公害のほとんど大部分が何らかの事業活動に関連して生ずるものであり、家庭暖房、家庭排水等の日常生活に伴うものは、その性質上、これを事業活動に伴うものと同等に評価してこの法律案の対象に含めることは妥当でないとする考えによるものであります。次に、公衆の生命または身体に危険を生じさせた段階で処罰することといたしました理由は、人の健康にかかる公害の防止をはかるためには、現実に人の健康を害する結果の発生を待つまでもなく、公衆の生命、身体に危険を生じさせた段階で、これを処罰し得るものとしなければ十分な効果を期待することができないからであります。

 第三は、行為者のほか、法人等の事業主をも処罰し得るものとするため、いわゆる両罰規定を設けることとしている点であります。

 この法律案が対象としている公害を発生させる行為は、事業活動の一環として行なわれるものでありますので、直接の行為者である従業者等のほかに当該事業活動の主体である事業主をも処罰するたてまえをとることが、事柄の実態に照らして必要かつ当然であると考えるからであります。

 第四は、厳格な条件のもとに推定規定を設けることとしている点であります。

 公害の実態を見ますと、特定の工場または事業場から人の健康を害する物質が大量に排出されており、現に公衆の生命または身体に危険な状態が発生しておりましても、同種物質の混入等により、その工場または事業場から排出された物質と右の危険状態との結びつきを確証し得ない場合もあり得るものと考えられます。そこで、このような公害現象の特殊性にかんがみ、人権保障の要請を十分考慮しつつ、厳格な条件のもとに右の排出された物質と現に発生している状態との関係を推定するものとする規定を設けることとしたのであります。

 そのほか、この種事件の特殊性、複雑性等にかんがみ、その適正かつ妥当な処理をはかるため、事業主に対する公訴の時効期間及び第一審の裁判権について、それぞれ所要の措置を講ずることといたしております。

 以上が人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律案の趣旨であります。

 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願いいたします。

第64回国会衆議院法務委員会議録第1号5頁(昭和45年12月3日)〔小林武治法務大臣発言・発言番号9〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 法務委員会昭和45年12月10日

一政府は、複雑多岐にわたる公害の実情にかんがみ、不断の努力によりいやしくも企業責任が現場責任者のみに転嫁されることのなきよう努める等適切な運用をはかるとともに、今後公害の状況に応じ必要により関係法令について所要の改正措置を講じ、将来いわゆる食品薬品公害等の防止についても規制措置を検討するなど公害の防止に万全を期すること。

二政府は、公害監視につき適切な措置を講ずることによりいわゆる公害犯罪の未然防止及びその的確な把握に努めるとともにこの種事件の迅速かつ適正な処理に資するため裁判、検察その他関係機関について人的物的両面にわたりその整備強化をはかること。

参議院 法務委員会昭和45年12月18日

いわゆる複合公害についても、刑法の共犯の条件がみたされる場合には、本法の適用がある。よって、政府においては、この種事件についても積極的に取締るべきである。右決議する。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106401019)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。