農村地域工業導入促進法案
参議院 農林水産委員会
昭和46年法律第112号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会・農林水産委員会商工委員会連合審査会
- S46.3.11趣旨説明・質疑本会議 1645
- S46.5.7趣旨説明・補足説明農林水産委員会 23115
- S46.5.18質疑農林水産委員会商工委員会連合審査会 1106
- S46.5.18質疑農林水産委員会 28128
- S46.5.19参考人招致・質疑・修正案・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議農林水産委員会 29259
- S46.5.20委員長報告・修正案・採決(修正)・附帯決議本会議 3445
参議院農林水産委員会
- S46.5.21趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・補足説明・質疑・討論・附帯決議・採決・議案(衆議院修正部分)農林水産委員会 17123
- S46.5.24附帯決議本会議 1
- S46.5.24委員長報告・採決本会議 1582
提案理由
倉石忠雄 農林大臣 昭和46年3月11日農村地域工業導入促進法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
最近におけるわが国経済の推移を見ますと、農業にあっては、米の生産過剰等農産物の需給が問題となっている中にあって、中高年齢層を多数かかえた就業構造の改善をはじめ農業構造の改善をはかるとともに、農業所得の確保をはかることが重要な課題となっております。他方、工業にあっては、大都市周辺における過密等による生産効率の低下と労働力確保難に対処し、新たな地域における立地基盤の確保が強く要請されております。さらに職種間、地域間の労働力需給の不均衡を是正することも大きな課題であります。
これらの農業、工業及び雇用をめぐる諸情勢に適切に対処するためには、総合農政を強力に推進するとともに、産業基盤の育成対策、過密過対策、雇用対策等を積極的に講ずる必要がありますが、特に、農村地域への工業の導入を積極的かつ計画的に促進するとともに、農業従事者が円滑にその導入された工業に就業することを促進し、並びにこれらの措置と相まって農業構造の改善を促進する措置を一体的に講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容について御説明いたします。
第一は、農村地域への工業の導入、その工業への農業従事者の就業及び工業の導入と相まって促進すべき農業構造の改善を一体的に促進するための計画制度の創設であります。
すなわち、国は農村地域工業導入基本方針を定めて農村地域への工業の導入に関する指針を示すこととし、これを受けて都道府県知事は、地域の実情に応じた農村地域工業導入基本計画を策定することとしております。さらに、この基本計画に即して、都道府県及び市町村は、工業導入地区の設定、導入すべき工業の業種、工場用地と農用地との利用の調整、労働力の需給の調整及び農業従事者の就業の円滑化、農業構造の改善並びに公害防止に関する事項等を内容とする農村地域工業導入実施計画を樹立することとしております。
なお、これらの計画の樹立にあたっては、既存の農業振興地域整備計画、都市計画、工業開発に関する諸計画等と十分調整をはかることとしております。
また、これらの計画の対象地域につきましては、農業振興地域及びその予定地域を中心とし、これ以外の振興山村及び過疎地域をも含めることとしております。
第二は、農村地域工業導入実施計画で定める農村地域への工業の導入を促進するための金融及び税制上の所要の措置等についてであります。
まず、工業の導入に伴う離農者等に対しましては、農地を工場用地に提供したことによって生じた譲渡所得についての所得税の軽減をはかるほか、その転職を円滑化するための職業紹介の充実、職業訓練の実施等につとめることとしております。また、立地企業に対しましては、事業用資産の買いかえの場合の課税の特例措置及び減価償却の特例措置を講ずるほか、立地企業に対し地方税の減免を行なった地方公共団体に対する地方交付税による補てん措置を講ずることとし、さらに、工業用施設の整備に必要な資金の確保の措置の一環として立地企業及び工場用地を造成する非営利法人に対し、農林中央金庫からの融資の道を開くこととしております。
このほか、農村地域への工業の導入を促進するための所要の関連措置を講ずる旨の規定を設けております。
以上が農村地域工業導入促進法案の趣旨でございます。(拍手)
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農村地域工業導入促進法案(内閣提出)の趣旨
説明に対する質疑
第65回国会衆議院会議録第16号28頁(昭和46年3月11日)〔倉石忠雄農林大臣発言・発言番号36〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法が総合農政の推進上に占める重要性にかんがみ、関係各省との密接な連携のもとに本法を適正に運用し、農村地域への工業の導入を積極的かつ計画的に行なうとともに、とくに併せて一体的に行なうべき農業構造の改善の積極的な推進を図るため、具体的な施策の拡充に努めるほか、左記の事項の実施に十分留意すべきである。記
一農村地域の範囲については、地域の実情に応じ、適正なものとなるよう設定すること。この場合、とくに新産業都市の区域または工業整備特別地域の実情に十分配慮するものとすること。
二基本方針、基本計画および実施計画を樹立するにあたっては、地域住民の総意に基づいたものにするよう関係の農業団体、商工団体、下請等関連企業、学識経験者等の意見を広く徴する等によりその運営に万全を期すること。
三基本方針、基本計画および実施計画の策定および実施に際しては、とくに次の点に留意すること。(1) 導入される工業は、成長性が高くかつ安定的なものであるとともに、その安定的発展を図るため、積極的な指導および助成に努めること。(2) 導入される工業は、公害をもたらすおそれのないことを旨とし、公害防止対策に万全を期するほか、農地のスプロール化、不当な地価の上昇等の弊害を招かないよう努めること。(3) 農業従事者のうち中高年令者の雇用の促進のため、職業紹介、職業訓練等に努めるとともに、これらの者の長期的かつ安定的な就業条件を確保するため適切な措置を講ずること。なお、これと関連し、中高年令者の雇用を促進するため、これらの者を雇用する企業に対する特別な配慮を行なうこと。(4) 工業導入を促進するため、周辺における道路、交通、通信網、リクリエーション施設等の産業関連施設の整備を拡充するとともに、あわせて農村地域の生活環境の整備の促進を図ること。(5) 進出企業と地場産業との相互協和を図るとともに、当該地域の発展に貢献してきた地場産業の育成につき、十分な配慮をすること。なお、とくに農協系統を中心とした工業の積極的な導入とその育成に努めること。
四法第十条の地区を限定する政令は、他の地域開発制度との均衡等に十分配慮し、所期の工業導入が図られるものとなるよう努めること。
五積雪寒冷地帯の工業導入については、特殊事情を考慮し、その円滑な導入が図られるよう配慮すること。
六農村地域工業導入促進センターの規模および事業内容の充実強化に努めること。
政府は、本法の施行にあたり、農村地域への適正な工業の導入を図り、導入工業への円滑な農業従事者の就業を促進し、あわせて農業構造改善、地域環境の整備等が健全に進められるよう左記各項を十分検討し、その実現に努めるべきである。記
一本制度の対象地域の設定については、地域の実情に適応した農村地域の範囲を定めるとともに、とくにその際新産業都市の区域、工業整備特別地域に関しては、いわゆる線引きを行なうこととなっている都市計画区域を含む市町村以外の市町村を本法の対象とすること。
二基本方針、基本計画、実施計画の樹立およびその実施にあたっては、適正な国土利用、農地の有効利用と産業立地の計画的な調和等につき配慮するとともに、地域の住民・団体等の意向が集約・反映される等その効果的な運用を期すること。
三地域に適合した安定堅実な工業の立地を図るため、必要な経営指導、助成、適切な情報の提供等の措置を講ずるとともに、地元農民の意向にそった適正な工場用地の供給等が行なわれるよう指導すること。
四工業の導入については、公害回避と環境保全の観点からその業種を選定するとともに、公害防止対策の積極的な措置に遺憾なきを期すること。
五工業導入にあたっては、農用地区域の確保と地価上昇防止対策に努め、農業生産条件の整備等をはじめ、農業構造改善の充実強化を一段と促進すること。
六導入工業への農業者の安定就業に資するため、地元雇用の促進と適正な就業条件の確保、職業の訓練と紹介等による転職対策等の拡充を図り、とくに中高年令者対策に特別な配慮を行なうこと。
七法第十条の地区を限定する政令は、他の地域開発制度との均衡等に十分配慮すること。
八以上のほか、本制度の農村地域における産業関連施設および生活環境施設の整備を進めるとともに農協系統を中心とした工業の導入、積寒地域への工業導入等が円滑に行なわれるよう配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106501077)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。