アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 大蔵委員会
昭和47年法律第89号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S47.5.23趣旨説明・質疑大蔵委員会 30203
- S47.5.24質疑・採決・附帯決議大蔵委員会 31257
- S47.5.25委員長報告・採決・附帯決議本会議 3358
提案理由
田中六助 政府委員(大蔵政務次官) 昭和47年5月23日ただいま議題となりましたアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
アジア開発銀行は、アジアにおける開発途上加盟国の経済開発の促進に寄与するため、昭和四十一年末に発足した国際開発金融機関であります。同銀行の業務は、昭和四十三年ごろから本格化し、その後、業務の規模は急速に拡大して、域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを果たしつつあります。
わが国は、域内最大の二億ドルの出資をもって同銀行に加盟し、域内先進工業国として同銀行を積極的に支援してまいりました。
同銀行の当初加盟国の出資の払い込みは、昭和四十五年の第五回分の払い込みをもって、滞りなく完了いたしました。一方、同銀行の通常資金の融資は、今後、さらに増大が予想されます。このため増資の要請が高まり、昭和四十六年四月の第四回年次総会において、同銀行の理事会が増資について必要な検討を早急に行なうべき旨の決議がなされました。同理事会は、この決議に基づく検討の結果、総額十六億五千万ドルの増資とその割り当てに関する決議案を総務会に勧告しました。同決議案は、各国を代表する総務の投票に付され、昨年十一月末成立いたしました。わが国は、同決議案に対しわが国総務である大蔵大臣が賛成投票を行なっております。
ここにおいて、わが国といたしましては、決議の定めるところに従い、同銀行に対し、一九六六年一月三十一日現在の量目及び純分を有する合衆国ドルで三億ドル相当額の追加出資に応ずるため、所要の国内措置を講ずる必要が生じたものであります。したがいまして、この法律案により、新たな出資についての規定を設けることとし、この法律成立後、同銀行の増資に応募する旨の正式通告を行ないたいと考えております。
なお、今回の出資のうち、払い込み資本は、その五分の一に当たる六千万ドルとされております。さらに、その一部は本邦通貨にかえて、国債で払い込むことが認められておりますので、この部分につきましては、当初出資と同様、さしあたり国債で行なうことを予定しております。現金で払い込みを要する部分につきましては、第一回払い込みの所要財源として二十六億七千六百万円を昭和四十七年度予算に計上し、御承認を得た次第であります。
以上が、この法律案の提案理由であります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第68回国会衆議院大蔵委員会議録第30号1頁(昭和47年5月23日)〔田中六助政府委員発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文でございますが、案文はお手元に配付してありますが、いま朗読をいたします。アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、次の事項に留意しつつ、アジア開発銀行が本来の使命を達成し得るよう積極的に協力するものとする。
一アジア開発銀行にいまだ加盟していない国の同銀行への加盟が促進されるように配慮するのがのぞましいこと。
二アジア開発銀行の融資が、同銀行設立協定の趣旨にのっとり、各開発途上国に均てんするのがのぞましいこと。
三地域の経済社会の開発の促進に資するため、技術教育関係に対する融資並びに技術援助が拡充されるのがのぞましいこと。以上が、附帯決議の案であります。わが国の国民総生産は自由世界において第二位の規模に達し、いまやその国際経済社会に対する責務は六〇年代とは異質ともいえるほどの増大を示しているのであります。かかる重大な責務をになうに至ったわが国が、国際経済社会において最も重要な課題であります発展途上国の開発のために、その経済規模にふさわしい協力を進めていく必要があることはいまさら申し上げるまでもないことであります。特に、わが国と発展途上国との相互依存関係には他の先進国に例を見ないほどの深いものでありまして、わが国の貿易面での総輸入の四〇%、総輸出の四三%が発展途上国、さらにはわが国の海外投資の五〇%がこれも発展途上国に向けられており、これらによってわが国は世界最大の資源輸入国で、その資源の大多数量を発展途上国に依存しているのであります。このようなわが国の置かれております立場から見ますと、わが国における経済協力は、単に国際的な責務であるにとどまらず、わが国経済自体の円滑な運営のためにも不可欠の要請と見ることができるところであります。かかる見地からいたしまして、わが国の経済協力は、世界経済の発展と人類福祉の向上のために欠くことのできない主要な課題でありまして、これに対処し、先進国としては発展途上国の開発に一そうの前進をもたらす形での新しい経済秩序の形成に最大限の努力を払うべきであります。アジアにおける開発途上国の経済開発については、わが国はアジア開発銀行に加盟し、その業務の規模を逐次拡大して、域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを果たすよう期待し、協力体制をとってまいったのであります。したがいまして、このたびのわが国がアジア開発銀行への出資を追加するに際しては、一段とアジア開発が健全な発展を遂げるために、政府においては、アジア開発銀行にいまもって加盟を見ていない国の同銀行への加盟が促進されるように配慮する、またアジア開発銀行の融資にあたっては、同銀行の設立の協定の趣旨にのっとり、各開発途上国に均てんする、さらに地域の経済社会の開発の促進に資するため、技術にかかる教育関係に対する融資並びに開発促進に資する技術援助が拡充されるのが望ましいことでありますので、この点に留意しつつ、アジア開発銀行の本来の使命を達成し得るように積極的に協力するものであります。以上、附帯決議案の趣旨を終わりますが、
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106801036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。