健康保険法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
衆議院 社会労働委員会公聴会
昭和48年法律第89号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会・社会労働委員会公聴会・社会労働委員会地方行政委員会大蔵委員会公害対策並びに環境保全特別委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会
- S48.3.27趣旨説明・質疑本会議 1874
- S48.4.26趣旨説明・質疑社会労働委員会 18141
- S48.5.10質疑社会労働委員会 20284
- S48.5.31質疑社会労働委員会 22512
- S48.6.7質疑社会労働委員会 24517
- S48.6.15質疑社会労働委員会 28428
- S48.6.18公聴会社会労働委員会公聴会 1124
- S48.6.22質疑社会労働委員会 31108
- S48.6.23質疑社会労働委員会 32326
- S48.6.25質疑社会労働委員会 33294
- S48.6.27質疑社会労働委員会地方行政委員会大蔵委員会公害対策並びに環境保全特別委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 1207
- S48.6.28修正案・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)社会労働委員会 36207
- S48.6.29委員長報告・修正案・討論・採決(修正)本会議 4865
- S48.9.18参議院回付案・参議院回付案同意本会議 5931
参議院社会労働委員会
- S48.5.9趣旨説明・質疑本会議 1545
- S48.7.3議案(衆議院修正部分)社会労働委員会 16252
- S48.7.10趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑社会労働委員会 1866
- S48.7.17質疑社会労働委員会 20156
- S48.8.28質疑社会労働委員会 2142
- S48.9.4質疑社会労働委員会 22228
- S48.9.11質疑社会労働委員会 23306
- S48.9.14質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議社会労働委員会 25387
- S48.9.17附帯決議・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 3441
提案理由
齋藤邦吉 厚生大臣 昭和48年3月27日ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
医療保険制度の問題につきましては、財政の健全化をも含めた抜本的な改善がかねてから重要な課題となっているところでありますが、制度の中核的存在である政府管掌健康保険が現在まで十年間深刻な財政難を続けてまいりましたこともありまして、昭和三十六年の皆保険達成以来、健康保険においては見るべき改善が行なわれないまま今日に至っております。医療保険の分野では関係者の間で利害がいろいろと錯綜し、問題の根本的な解決をはかることが困難なものが多々あることも事実でありますが、これを何とか解決の方向へ導く努力の積み重ねが必要と考えるものであります。
今回は、これまでの経緯にかんがみ、また、関係審議会の意向等を尊重いたしまして、国民の福祉水準の向上を求める要請にこたえるべく、福祉重点施策の一環として、実現可能なものから段階的に制度の改善に着手するとの見地に立ち、改正を行なうこととしたものであります。
すなわち、今回の改正は、制度創設以来三十年間改善されないままになっている家族療養費の給付率の引き上げ、高額療養費の支給等家族医療給付の改善を中心に、国民医療の確保に関する医療保険の側での対策を充実強化するため給付改善を行なうとともに、保険の運営上重要な問題である保険財政の恒常的な安定を確保するための諸施策を講じようとするものであります。この改正によって懸案の抜本改正の第一歩が踏み出せるものと確信いたしておる次第でございます。
まず、健康保険法の改正について申し上げます。
第一は、医療給付の改善でありまして、家族療養費の給付率を五割から六割に引き上げますとともに、高額な医療につきましては、家族療養費にあわせて高額療養費を支給し、自己負担とされているもののうち一定限度額をこえるものを保険から全額給付することといたしております。第二は、現金給付の改善でありまして、本人分娩費の最低保障額を現行二万円から四万円に引き上げ、さらに配偶者分娩費について現行一万円から本人分娩費の最低保障額と同額の四万円に引き上げるとともに、家族埋葬料につきましても改善をはかることといたしております。
第三は、標準報酬の改定でありまして、その等級区分が最近における給与の実態と著しくかけ離れるに至っておる結果生じておる負担の不公平を是正するため、現行三千円から十万四千円までの三十六等級でありますのを、二万円から二十万円までの三十五等級に改めるものであります。
第四は、保険料の改定でありまして、政府管掌健康保険の保険料率を七%から七・三%に改定するとともに、当分の間の措置として、現在保険料の算定の基礎とされていない賞与等について、支給のつど、その一%を労使折半により特別保険料として徴収するものであります。なお、この特別保険料は、報酬月額五万円未満の者からは徴収せず、賞与等が五十万円をこえるときは、五十万円として計算することとしております。
第五は、国庫補助の拡充でありまして、財政基盤の脆弱な政府管掌健康保険に対して、これまでの定額国庫補助を改め、定率制の国庫補助を導入することとして主要な保険給付に要する費用の一〇%を国庫補助するものであります。
第六は、保険料率の調整とこれに連動した国庫補助率の引き上げの問題でありまして、政府管掌健康保険の保険料率について、厚生大臣は必要あるときは社会保険審議会の意見を聞いて、法定料率の上下〇・七%の範囲内でこれを調整できる規定を設け、同時に、この規定により法定料率をこえて保険料率を引き上げた場合は、さきに述べました定率国庫補助の割合を料率〇・一%につき〇・四%ずつ増加することとしております。
第七は、健康保険組合関係でありまして、それぞれの組合の規約で定めるところにより、特別保険料を徴収できることとするとともに、保険料率の調整幅が現行三%から八%までであるのを三%から九%までに、被保険者の負担料率の限度が現行三・五%であるのを四%にそれぞれ改めることとしております。
次に、船員保険法の改正について申し上げます。
船員保険の疾病部門につきましても、さきに述べました健康保険の改正に準じ、家族療養費の給付率の引き上げ等保険給付の改善を行なうとともに、標準報酬の改定等所要の改正を行なうものであります。
また、国民健康保険法の改正につきましては、健康保険法の改正に準じて高額療養費を支給することとしております。
次に、厚生保険特別会計法の改正について申し上げます。
この改正は、昭和四十八年度末における政府管掌健康保険の借り入れ金に係る債務をたな上げするとともに、新規の借り入れを限定し、また、昭和四十八年度以前に健康勘定において生じた損失を一般会計からの繰り入れによって補てんする方途を講ずるものであります。
なお、この法律の実施時期につきましては、本年四月一日からとしておりますが、高額療養費の支給に関する部分につきましては、諸般の準備手続等を考慮いたしまして本年十月一日から実施することとし、また、国民健康保険法の改正は昭和五十年十月一日からとしております。
以上が健康保険法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第71回国会衆議院会議録第18号5頁(昭和48年3月27日)〔齋藤邦吉厚生大臣発言・発言番号41〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。
一年金の財政方式、特に賦課方式への移行については、将来にわたる人口老齢化の動向を勘案しつつ、積極的に検討を進めること。
二最近における物価高騰の事態にかんがみ、関係審議会の意見を求め、財政再計算期を早めて、賃金、生活水準の動向に応じた改善を図ること。
三各拠出制の年金については、さらにその年金額の引き上げを図るとともに、各年金、手当の合理的な併給及び障害等級の統一について検討すること。
四各福祉年金について、その年金額をさらに大幅に引き上げ、その範囲の拡大を図るとともに、本人の所得制限及び他の公的年金との併給制限についても改善を図ること。
五国民年金の保険料免除者に対する年金給付については、さらにその増額を図ること。
六遺族給付及び障害給付に係る通算措置の実現に努めること。
七五人未満事業所の従業員に対する厚生年金の適用の問題については、具体的方策の樹立に努めること。
八排け捨て及び脱退手当金受給者の年金受給権の方策を検討すること。
九積立金の管理運用については、被保険者の福祉を最優先とし、拠出者の意向が十分反映するよう民主的な運用に努め、そのための措置を検討すること。
十厚生年金基金制度のあり方について、早急に根本的検討を加え、その合理的改善のための方策を考究すること。特に免除料率の問題について、十分検討のうえ措置すること。
十一二級障害者に対する障害福祉年金の支給については、昭和四十九年一月を目途として実施するよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101047)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。