国立学校設置法等の一部を改正する法律案
参議院 文教委員会
昭和48年法律第103号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- S48.3.29趣旨説明・質疑本会議 1938
- S48.4.25趣旨説明文教委員会 15124
- S48.5.9質疑文教委員会 16359
- S48.5.11質疑文教委員会 17279
- S48.5.30質疑文教委員会 18306
- S48.6.6討論・質疑文教委員会 19348
- S48.6.8質疑文教委員会 2072
- S48.6.13質疑文教委員会 21481
- S48.6.15参考人招致・質疑文教委員会 22359
- S48.6.20質疑・参考人招致文教委員会 23191
- S48.6.22修正案・修正案趣旨説明文教委員会 2492
- S48.6.27質疑文教委員会 25337
- S48.6.28質疑・討論・採決文教委員会 26377
- S48.6.29委員長報告・討論・採決本会議 4865
提案理由
奥野誠亮 文部大臣 昭和48年3月29日国立学校設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明します。
この法律は、新しい構想に基づく筑波大学の創設を含む国立大学の新設、学部の設置その他国立学校の整備充実について規定するとともに、大学の自主的改革の推進に資するため必要な措置等について規定しているものであります。
まず、筑波大学以外の大学の設置等について御説明申し上げます。
その第一は、旭川医科大学を新設し、山形大学及び愛媛大学にそれぞれ医学部を設置するとともに、東北大学医療技術短期大学部を新設することであります。
これは、近年における医療需要の増大と医師の地域的偏在に対処し、医師養成の拡充をはかり、医学の研究を一そう推進するとともに看護婦などの医療技術者の資質の向上をはかろうとするものであります。
第二は、埼玉大学及び滋賀大学にそれぞれ工学及び経済学の修士課程の大学院を新たに設置するとともに、現在なおその病因等が解明されていない難病についての基礎的研究を推進するため、東京医科歯科大学に難治疾患研究所を設置し、大気水圏環境の構造と動態に関する総合的な研究を推進するため、名古屋大学に水圏科学研究所を設置し、千葉大学の腐敗研究所を生物活性研究所に改組し、さらに、これまでの南極観測十八年の成果を踏まえ、極地の総合的、科学的研究及び極地観測の一そうの推進をはかるため、国立大学共同利用機関として国立極地研究所を新設することといたしております。
以上のほか、国立久里浜養護学校を設置し、国立特殊教育総合研究所との相互協力のもとに、心身に障害を有する児童、生徒のうち特に障害が重度であり、あるいは重複している者の教育に当たらせることといたしております。
次に、後ほど御説明申し上げます筑波大学の新しい構想の実現と各大学における自主的な改革の推進に資するため、学校教育法を改正し、大学制度の弾力化をはかることといたしております。
第一は、大学成立の基本となる組織を従来認められてきた学部のみに限定することなく、それぞれの大学における教育、研究上の必要に応じ、学部の設置にかえて学部以外の教育、研究のための組織を置くことができるようにすることであります。
大学の学部は、特定の学問領域について教育と研究を一体的に行なうための組織でありますが、今後教育研究上の多様な要請に柔軟に対処して、大学の充実発展をはかるためには、その基本的な構成要素を学部のみに限定することなく、教育研究上の必要に応じ、それぞれの大学の判断するところによりさらに弾力的な組織形態をとり得る道を開くことが、大学改革を推進する上でこの際特に必要であると考えた次第であります。
筑波大学の構想はその一つの例でありますが、筑波大学の構想に限らず、今後、大学がみずからの発意により積極的に新しい適切な組織によることを希望する場合には、その内容を十分検討の上、それが実現できるようにしてまいりたいと考えております。
第二は、医・歯学部における履修方法の弾力化をはかることであります。
最近、医・歯学部において、六年間を通じた弾力的なかつ効率的な教育課程を編成する必要性が医・歯学教育に携わる多くの関係者から指摘されるに至っております。そこで、各大学の判断により、従来のとおり進学課程と専門課程を区分して履修させることも、あるいは六年間を通ずる一貫した教育を行なうことも、いずれの方式をもとり得るようにすることといたしております。
第三は、大学に必要に応じ副学長を置くことができるようにすることであります。大学の規模が拡大し、組織、編成が複雑化するとともに、これを有機的な総合体として教育、研究の両面にわたり適確に運営してまいることは、学長にとってまことに容易ならぬ職責となっております。とのような学長の負担を軽減し、大学の機能的な運営をはかるため、その補佐役を設ける必要があるという指摘が各方面からなされているところであり、このような観点から、大学がその事情により必要があると判断した場合には、学長の職務を助けることを任務とする副学長を置き得ることといたしたのであります。
以上御説明申し上げました諸点は、いずれも国公私立を通じてすべての大学に適用される規定であり、かつ、大学がみずからの判断によってその採否を決定し得る事項であります。このような制度の弾力化を通じて、大学自身の手による自主的な改革が一そうの進展を見ることを強く期待するものであります。
次に、この法律は、以上の大学制度の弾力化を踏まえた新しい構想に基づく国立の大学として筑波大学を新設することといたしております。
この筑波大学は、東京教育大学が自然環境に恵まれた筑波研究学園都市へ移転することを契機として、そのよき伝統と特色を受け継ぎながら、これまでの大学制度にとらわれない新しい総合大学を建設しようとするものであり、かねてから、東京教育大学との緊密な連携のもとに、同大学における検討の成果を基礎としつつ、他大学などの学識経験者の参加も求めて検討を進めてまいったものであります。
この大学の特色は、第一に、従来の大学に見られる学部、学科制をとらず、学群、学系という新しい教育、研究組織を取り入れていることであります。すなわち、これまでの学部が教育と研究を同一の組織で行なっていることに対し、学群は学生の教育指導のための組織として、もっぱら教育上の観点から編成されているものであります。また、これらの学群の教育に当たる教員の研究上の組織として、学術の専門分野に応じて編成する学系を置き、研究上の要請に十分対処し得る条件を整備することといたしております。
第二に、大学が開かれた大学として適切に運営されることを確保するため、その管理運営に当たる組織について、次のような措置を講ずることといたしております。
すなわち、学長の諮問機関として参与会を設置し、大学の運営に当たり、必要に応じて学外の有識者の意見を取り入れることができるようにすることといたしております。
また、副学長のほか、学群、学系などの教員会議と緊密な連携のもとに、評議会、人事委員会等の全学的な組織を設け、全学の協調を基礎とした機能的な運営をはかることといたしております。人事委員会は、学群、学系制度による教育、研究の機能的分化に対処して、教育、研究両面からの要請を勘案しながら、全学的、総合的な見地に立って、適正な人事を確保することを目的とするものであります。
このような大学の管理運営方法の改善を通じて、真の総合大学にふさわしい大学の自治の確立を目ざそうとするものであります。
なお、筑波大学は、昭和四十八年十月の開学後、年次計画をもって整備を進めることといたしております。また、さきに申し上げましたとおり、同大学は、一面において、東京教育大学の移転を契機として創設されるという側面を持つものでありますので、筑波大学の整備と並行いたしまして、東京教育大学については、年次的に閉学措置を進めることといたしております。
その他、この法律におきましては、以上のことと関連して、所要の規定の整備をはかることといたしております。
以上が国立学校設置法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第71回国会衆議院会議録第19号5頁(昭和48年3月29日)〔奥野誠亮文部大臣発言・発言番号18〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。