TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第71回国会›閣法第55号
閣法第71回国会 第55号成立

労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案

昭和48年法律第85号 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律
提出昭和48年2月17日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立
昭和48年法律第85号
審議会議 9回・発言 704(政府答弁等 328)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S48.4.3趣旨説明・質疑本会議 2138
  2. S48.6.5趣旨説明社会労働委員会 23328
  3. S48.6.26質疑社会労働委員会 3465
  4. S48.7.6質疑社会労働委員会 39366
  5. S48.7.10質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 40110
  6. S48.7.10採決・委員長報告・附帯決議本会議 5050

参議院社会労働委員会

  1. S48.5.11趣旨説明・質疑本会議 1615
  2. S48.9.13趣旨説明・質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 24147
  3. S48.9.14委員長報告・採決本会議 3319
  4. S48.9.26附帯決議本会議 1

提案理由

加藤常太郎 労働大臣 昭和48年4月3日

労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明します。

 近年、わが国における交通事情等の変化に伴い、労働者が通勤の途上においてこうむる災害もまた多くなってきております。こうした情勢を背景に、通勤災害についても、より手厚い保護を行なうべきであるとの声が関係者の間で強くなってまいりました。

 このような情勢にかんがみ、労働省は、昭和四十五年二月、通勤途上災害調査会を設置し、通勤災害に係る諸問題について検討をお願いしたのであります。同調査会は、二年有余にわたる審議の結果、昨年八月、通勤災害については業務災害に準じて保護する必要があるという趣旨の報告を労使公益各側委員全員一致によって決定し、提出されたのであります。

 政府といたしましては、この報告の趣旨を全面的に尊重し、鋭意検討を進めてまいりましたが、その成案を得ましたので、これを労働者災害補償保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問し、それぞれ了承する旨の答申をいただきました。その結果に基づいて、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を作成し、ここに提案いたした次第であります。

 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。

 まず第一は、従来の業務災害に加えて、通勤災害についても保険給付及び保険施設を行なうことができるように、労働者災害補償保険の目的を改正することであります。

 第二は、労働者災害補償保険において保護の対象とする通勤の範囲であります。

 この法律案では、通勤とは、労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいうこととしております。

 第三は、通勤災害に関する保険給付についてであります。

 通勤災害に関する保険給付の種類、支給事由及び内容は、業務災害に関する保険給付の場合に準ずることとしております。

 第四は、通勤災害に関する保険給付等に要する費用の負担についてであります。

 通勤災害に関する保険給付等に要する費用に充てるための保険料は、事業主が負担することとしており、その保険料は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定による労働保険料として徴収することとしております。

 なお、療養給付を受ける労働者は、二百円以内の一定額の一部負担を行なうこととしております。

 第五は、通勤災害に関する保険給付の特例についてであります。

 保険関係が成立していない事業場の労働者であって、この法律の施行後に通勤災害をこうむった者に対しても、保険関係成立後の被災者と同様の保護を行なうため、業務災害に関する保険給付の特例に準じた措置を講ずることとしております。

 以上のほか、この法律案においては、その附則において、関係法律について所要の整理を行なうとともに、必要な経過措置を定めております。

 なお、施行期日につきましては、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することとし、この法律案による改正規定は、施行の日以後に発生した事故について適用することとしております。

 以上が労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ————◇—————

 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

第71回国会衆議院会議録第21号9頁(昭和48年4月3日)〔加藤常太郎労働大臣発言・発言番号29〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和48年7月10日

政府は、次の事項に関しすみやかに所要の措置を講ずべきである。

一通勤災害を業務上の災害とするよう検討すること。

二特別加入者についても通勤災害保護制度を適用するよう検討すること。

三通勤の範囲に関する規定については、労働者保護の見地から、実情に即した適切な運用を図ること。

四労使の協定等によつて、すでに、通勤災害に関する企業内措置が講じられているものについては、この法律の施行を理由にその実質的な利益を失なわせないように指導すること。

五労災保険の全面適用を早急に実現すること。

六労災保険の給付改善については、すみやかに必要な措置を講ずること。

七通勤災害保護制度の円滑な実施、労働災害の発生防止等を図るため、関係職員を大幅に増員すること。

八被災労働者の社会復帰のための諸措置を充実すること。

参議院 社会労働委員会昭和48年9月13日

律案に対する附帯決議(案)政府は、被災労働者及びその遺族の福祉の増進を図るため、次の事項についてすみやかに所要の措置を講ずべきである。

一通勤と業務との密接な関連性等にかんがみ、通勤災害を業務上の災害とするよう検討すること。

一通勤災害保護制度を特別加入者へも適用することについて、すみやかに検討すること。

一労災保険の全面適用を早急に実現すること。

一労災保険の給付改善については、すみやかに必要な措置を講ずること。

一被災労働者の社会復帰を一層促進するため、リハビリテーション諸措置を充実すること。

一通勤災害保護制度の円滑な実施、災害の予防及び職業病の発生防止を図る等のため、関係職員の大幅増員に努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101055)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。