国民年金法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和49年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S49.3.28趣旨説明社会労働委員会 12239
- S49.4.4質疑社会労働委員会 14214
- S49.4.11質疑・修正案・修正案趣旨説明・附帯決議・採決(修正)社会労働委員会 17125
- S49.4.25委員長報告・採決(修正)・修正案・附帯決議本会議 2654
参議院社会労働委員会
- S49.5.14衆議院修正部分趣旨説明・趣旨説明社会労働委員会 11204
- S49.5.21質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 13330
- S49.5.27附帯決議・委員長報告・採決本会議 23136
提案理由
内田常雄 経済企画庁長官・厚生大臣臨時代理 昭和49年3月28日まず、国民年金法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
国民年金制度については、老後保障のささえとなる年金制度に寄せる国民各層の期待にこたえて、昨年、厚生年金保険制度とともに年金給付水準の大幅引き上げと年金額のスライド制の導入を柱とした画期的な改善充実を行なったところであります。今後さらに本制度が老後生活のささえとしてその効果を発揮していくためには、受給者の最も多い福祉年金についてその内容を一段と充実させるとともに、拠出制年金につきまして将来にわたり適正な給付水準を確保するため年金財政の健全な運営をはかっていく必要があります。
今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、福祉年金の額を大幅に引き上げるとともに、拠出制国民年金の保険料の適正な改定等を行ない、国民年金制度の改善充実をはかろうとするものであります。また、本法案は、昨年の改正により厚生年金保険等の年金の受給権を担保とする金融の道が開かれたことに伴い、その具体化のための所要の改正を行なうことといたしております。
以下、改正法案の内容について、概略を御説明申し上げます。
第一に、福祉年金の額につきましては、五〇%引き上げ、老齢福祉年金の額は月額五千円から七千五百円に、障害福祉年金の額は一級障害について月額七千五百円から一万一千三百円に、二級障害について月額五千円から七千五百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額は月額六千五百円から九千八百円に、それぞれ引き上げることといたしております。
第二、昨年の改正により新たに設けられました老齢特別給付金につきましても、月額四千円から五千五百円に引き上げることといたしております。
第三に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の支給要件等につきまして、これらの年金の支給の対象となる子等の障害の程度を一級から二級まで広げることといたしております。
第四に、拠出制国民年金の保険料につきましてその額を現行の月額九百円から二百円引き上げ、千百円とすることといたしております。
第五に、年金受給権を担保とする金融につきましては、年金福祉事業団にこれを行なわせることといたしております。
なお、年金額の引き上げ、母子・準母子福祉年金の支給要件等の緩和は本年十月から、保険料の額の改定は昭和五十年一月から、年金受給権を担保とする金融は政令で定める日から、それぞれ実施することといたしております。
以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第72回国会衆議院社会労働委員会議録第12号13頁(昭和49年3月28日)〔内田常雄経済企画庁長官発言・発言番号79〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、老後保障において年金制度の果たす役割の重要性にかんがみ、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。
一厚生年金保険、国民年金、各種共済組合について、その相互の関連において、各制度充実のため、基本的に検討を加えること。
二年金の財政方式、特に賦課方式への移行については、将来にわたる人口老齢化の動向を勘案しつつ、積極的に検討を進めること。
三今後における厚生年金及び拠出制国民年金の年金額の水準については、社会経済情勢の推移に対応して財政再計算期を早め、賃金、生活水準の動向に応じた改善を図ること。
四各福祉年金について、その年金額をさらに大幅に引き上げ、その範囲の拡大を図るとともに、本人の所得制限及び他の公的年金との併給制限についても改善を図ること。
五国民年金の保険料免除者に対する年金給付については、さらにその増額を図ること。
六遺族給付及び障害給付に係る通算措置の実現に努めること。
七五人未満事業所の従業員に対する厚生年金の適用の問題については、具体的方策の樹立に努めること。
八掛け捨て及び脱退手当金受給者の年金受給権の方策を検討すること。
九積立金の管理運用については、被保険者の福祉を最優先とし、拠出者の意向が十分反映するよう民主的な運用に努めること。なお、児童手当制度の立ち遅れの現況にかんがみ、今後一層拡充強化するよう努力すべきである。
政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一厚生年金保険、国民年金、各種共済組合について、相互間の均衡をはかり、各制度を充実するよう基本的に検討を加えること。
二年金の財政方式、特に賦課方式への移行については、将来にわたる人口老齢化の動向を勘案しつつ、積極的に検討を進めること。
三今後における厚生年金及び拠出制国民年金の年金額の水準については、社会経済情勢の推移に対応して財政再計算期を早め、賃金、生活水準の動向に応じた改善を図ること。
四各福祉年金について、年金額の大幅引き上げ及び支給対象範囲の拡大を図るとともに、本人の所得制限の緩和及び他の公的年金との併給制限について改善を図ること。
五国民年金の保険料免除者に対する年金給付について、さらに増額をはかること。
六遺族給付及び障害給付に係る通算措置の実現に努めること。
七五人未満事業所の従業員に対する厚生年金の適用の問題について、具体的方策の樹立に努めること。
八掛け捨て及び脱退手当金受給者の年金受給権の方策を検討すること。
九積立金の管理運用については、被保険者の福祉を最優先とし、拠出者の意向が十分反映するよう民主的な運用に努めること。
その要旨は、地方公共団体が実施しまたは今後実施する農業緑地等保全制度については、生産緑地法の規定と異なるものについては、できる限り存続をはかるよう行財政制度の運用等について適切な配慮を行なうこと。いわゆる宅地並み課税については、都市農業の必要性を考慮し、昭和五十年度末までに抜本的検討を加えること。都市農業については、市街化区域内の農地についても適切な農業施策を実施し、それに伴う行財政措置、金融措置等を講ずること。相続税及び贈与税の課税にあたっては、農業経営を存続奨励すべき農地について所要の負担軽減措置を検討することであります。—————————————次に、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について申し上げます。工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案のおもな内容は、第一に、工業再配置・産炭地域振興公団を改組拡充し、その名称を地域振興整備公団に改めること、第二に、公団の業務として、新たに大都市及びその周辺地域以外の地方都市開発整備のため必要な宅地造成等の業務及び特定の地域の開発整備のための事業にかかわる業務等を行なうことができることとすること、第三に、公団はこの新たな業務の実施については、地方公共団体の要請をまって行なうものとし、その業務を行なおうとするときは、事業実施基本計画を作成し、関係地方公共団体の長に協議するとともに、内閣総理大臣及び主務大臣の認可を受けなければならないこと、第四に、公団の経理については、地方都市開発整備等業務、工業再配置業務及び産炭地域振興業務を区分し、整理するものとすること、第五に、公団の主務大臣は、一般管理業務については原則として内閣総理大臣とするとともに、事業の実施についてはその内容に応じて通商産業大臣、建設大臣等とすること、第六に、工業再配置・産炭地域振興公団の地域振興整備公団への移行、関係法律の整備等であります。なお、衆議院において、改組後の公団の名称を地域振興整備公団とし、筑波学園都市建設事業は引き続き日本住宅公団に施行させることとする等の修正が行なわれております。都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案のおもな内容は、第一に、都市計画法の改正でありますが、市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画が定められていない都市計画区域についても開発許可の制度を適用すること、コンクリートプラント、ゴルフコース等の一定の工作物の建設を目的とする開発行為を開発許可の対象に加えること、開発許可の基準として、樹木の保存、表土の保全等の措置が講ぜられていること及び騒音等による環境の悪化を防止するための緑地帯等が配置されていることを加えること、新たに市街地開発事業等予定区域の制度を創設し、区域、施行予定者等を内容とする予定区域に関する都市計画を定めることができること、予定区域に関する都市計画決定後三年以内に事業の施行区域、区域内の公共施設の配置、宅地の利用計画等を内容とする都市計画を決定しなければならないこと、さらに二年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならないこと、予定区域内の建築等を都道府県知事の許可制とすること及び土地所有者に買い取り請求権を付与すること等であります。なお、衆議院において、市街化調整区域における建築等の制限に関して、一定の要件に該当する土地において行なう建築物の新築等は、都道府県知事の許可を要しないこととする修正が行なわれております。第二に、建築基準法の改正でありますが、工業専用地域内における建蔽率を強化し、十分の三から十分の六までの範囲内で当該地域の都市計画で定めること、製造施設等の一定の工作物について、新たに用途規制を実施し、建築主事の確認を行なうこと等であります。委員会におきましては、両法案を一括して審査し、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。質疑を終局し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、まず、工業再配置・産炭地域振興公団法の一部を改正する法律案を採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定し、次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申し上げます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107201047)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。