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国会審議›第72回国会›閣法第57号
閣法第72回国会 第57号成立

国際協力事業団法案

昭和49年法律第62号 国際協力事業団法
提出昭和49年2月18日 内閣
付託衆議院 外務委員会
参議院 外務委員会
成立
昭和49年法律第62号
審議会議 12回・発言 1,211(政府答弁等 540)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院外務委員会・外務委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会

  1. S49.4.4趣旨説明・質疑本会議 2329
  2. S49.4.5趣旨説明・質疑外務委員会 1796
  3. S49.4.8質疑外務委員会 1894
  4. S49.4.26質疑外務委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会 1164
  5. S49.5.8質疑外務委員会 23348
  6. S49.5.10質疑・討論・採決・附帯決議外務委員会 24240
  7. S49.5.14委員長報告・採決・附帯決議本会議 3054

参議院外務委員会

  1. S49.5.10趣旨説明・質疑本会議 2031
  2. S49.5.14趣旨説明・補足説明外務委員会 11106
  3. S49.5.16質疑外務委員会 1293
  4. S49.5.21質疑・討論・採決外務委員会 13148
  5. S49.5.27委員長報告・採決本会議 23136

提案理由

大平正芳 外務大臣 昭和49年4月4日

国際協力事業団法案の趣旨について御説明を申し上げます。

 御承知のとおり、世界の平和と繁栄のためには開発途上地域等の発展と安定が不可欠な要件であり、そのための協力は国際社会全体の負うべき責務であります。わが国といたしましては、かねてよりこのような認識に基づき、これら地域の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資することを目的とする各般の施策をわが国の重要対外政策の一つとして推進いたしております。

 近来、わが国経済を取り巻く諸条件はきびしさを加えてまいりました。わが国の平和と繁栄は世界各国との互恵友好の関係の中においてのみ達成し得るものであることを考えますならば、まさにかかるきびしい状況のもとにおいてこそ、このような国際協力の意義をあらためて強く認識しなければならないと存じます。

 政府といたしましては、かかる基本的考え方に基づき、わが国の国際協力の一その拡充強化をはかるべく種々検討してまいりましたが、その方策の一つとして、従来の経済技術協力実施体制においては必ずしも十分に行ない得なかった政府ベース協力と民間ベース協力の連携の強化、あるいは資金協力と技術協力との一体的な結びつきを確保するための体制の強化をはかるべく、国際協力事業団を設立することといたしました。

 すなわち、この事業団は、既存の技術協力の機構である海外技術協力事業団と、移住事業を通じて国際協力に貢献しておる海外移住事業団を統合し、これらの事業団からの業務を引き継ぐほか、開発途上地域等の社会の開発並びに農林業及び鉱工業の開発に協力するための新たな業務を行なうことといたしております。このような国際協力体制の整備強化をはかることによって、対外的には相手国側の事情等を十分反映させた国際協力政策の推進が可能となり、また、国内的にも国際協力事業の総合的、効率的運営が確保し得ると考えるものであります。

 次に、国際協力事業団法案の概要について御説明申し上げます。

 第一は、この事業団の目的でありますが、これは三つの大きな柱から構成されております。一つは、開発途上地域に対する技術協力の実施及び青年の海外協力活動の促進に必要な業務を行なうことであります。二つは、開発途上地域等の社会の開発並びに農林業及び鉱工業の開発に必要な資金の供給及び技術の提供を行なう等の業務を行なうことであります。第三には、中南米地域等への海外移住の円滑な実施に必要な業務を行なうことであります。そしてこれら三種の業務を行なうことによって、開発途上地域等の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資することを目的とするものであります。

 第二は、この事業団の資本金でありますが、当初資本金といたしましては、設立に際して政府から出資される四十億円と、この事業団に承継される海外技術協力事業団及び海外移住事業団に対する政府の出資金等との合計額約二百二十四億円でありますが、政府は、必要があると認めるときは、事業団に追加して出資することができるものとしております。

 第三は、この事業団に、役員として、総裁一人、副総裁二人、理事十二人以内及び監事三人以内を置き、また、業務の運営に関する重要事項を審議するため、総裁の諮問機関として、四十人以内の委員で構成される運営審議会を置くことといたしております。

 第四は、この事業団の業務でありますが、一としては、従来海外技術協力事業団が行なってまいりました条約その他の国際的約束に基づく技術協力の実施に必要な業務、及び条約その他の国際的約束に基づき海外協力活動を志望する青年等を開発途上地域へ派遣すること等の業務であり、二としては、海外移住事業団が行なってまいりました移住者の援助及び指導その他海外移住の円滑な実施に必要な業務であります。三といたしましては、新しい業務でありますが、開発途上地域等の社会の開発並びに農林業及び鉱工業の開発に必要な資金の供給及び技術の提供を行なう等の業務であります。この新規業務の特徴について申し上げますと、第一の特徴としては、この事業団は、日本輸出入銀行、海外経済協力基金から資金の供給を受けることが困難な事業について円滑な資金の供給を確保しようとするもので、具体的には、各種開発事業に付随して必要となる関連施設であって周辺の地域の開発に資するものの整備、ないし、試験的事業であって技術の改良または開発と一体として行なわれなければその達成が困難であると認められるもの等を対象といたしております。次に、このような資金の供給を受ける事業等に必要な技術の提供をあわせて行なうこととしており、資金と技術の一体的な結びつきをはかろうとするところに第二の特徴がございます。第三の特徴といたしましては、条約その他の国際的約束に基づいて、開発途上地域の政府等からの委託を受けて事業団みずからがこれらの地域の開発に資する施設等の整備事業を行なうこととした点であります。さらに、四といたしましては、ただいま申し上げました技術協力業務や、社会開発、農林業及び鉱工業の開発の業務に従事する技術者の充実をはかるため、これら技術者の養成及び確保を行なうための業務があります。

 このほか、事業団の事業年度、事業計画等の認可、財務諸表、区分経理、借入金及び債券、余裕金の運用、罰則等について規定いたしております。

 なお、附則におきましては、海外技術協力事業団と海外移住事業団の解散及びこれに伴う権利義務の承継、並びに海外貿易開発協会からの一部権利義務の承継等について規定しております。

 以上をもちまして、この法律案の趣旨の説明を終わります。(拍手)

     ————◇—————

 国際協力事業団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

第72回国会衆議院会議録第23号17頁(昭和49年4月4日)〔大平正芳外務大臣発言・発言番号20〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 外務委員会昭和49年5月10日

先進国と開発途上国との間の、経済的格差はますます広がり、加うるに、最近の世界的な通貨、貿易面での動揺やエネルギー資源問題或いは食糧危機の問題の顕在化は、南北問題を一段と複雑多様化せしめ、これら相互間に摩擦と緊張を招いている。かかるとき、先進国の一員である我が国は、国際連帯の原理に立脚し、互恵平等、内政不干渉の原則を確認するとともに、長期ビジョンの策定等を行つてこれまでに蓄積した資本と技術を活用、供与して、これら開発途上地域の経済及び社会開発と国民福祉向上のための自助努力に協力し、開発途上地域の緊張と摩擦を和らげ、究極的に永続的な世界平和と経済的繁栄の基礎固めに貢献すべきである。よつて政府は、本法施行に当たり、左記事項につき適切な対策を講ずるとともに国際協力事業団の適正な運営に努むべきである。記

一我が国の経済協力は、従来ややもすれば輸出の振興、企業の海外進出の促進の手段とされる傾向があつたことにかんがみ、今後政府は、民間主導型の対外経済関係の形成を是正し、開発途上地域の経済及び社会の均衡ある発展に寄与することを第一義的目的とし、政府主導のもとに開発協力相手国住民の生活と福祉の向上のための分野にその重点を置き、いやしくも経済進出の姿勢について批判を招かないよう万全を期すること。

二海外企業進出については、開発途上地域の自主的な国民経済の発展に資する見地から協力相手国の立場を尊重しつつ我が国の国際協力を効果的に推進するため万全な措置を講ずること。

三国際協力の効果的な推進を図るため、特に国際協力事業団の新規業務と連けいせしめて政府借款を供与する等技術協力と資金協力の一体化に一層の努力を払うとともに、国際協力事業団、海外経済協力基金、日本輸出入銀行を含む我が国国際協力の推進体制の整備について、さらに検討を行うこと。

四国際協力に貢献する人材の確保を図るため、専門家の養成、研修及び待遇改善に努めるとともに、既就職の者の在籍参加の途を拡大し、地方公務員の積極的な活用については、所要の措置を講ずるとともに官民の協調による統一された意識のもとに技術協力事業の推進を図ること。

五開発途上地域の人口、食糧問題の重要性にかんがみ、特に稲作等アジアの食糧増産のための農業開発についても国際協力事業団の新規業務の一環として政府ベースにより積極的な協力を行うこと。

六国際協力事業団による農林業開発の推進に当たつては、国内の農林業に悪影響を及ぼすことのないよう万全の配慮を払うとともに、他方、国内の食糧自給度の維持向上のための諸施策を推進して、国民食糧の安定供給に遺憾なきを期すること。

七国際協力事業団全体を主管する外務省は、農林業開発に関する事項及び鉱工業開発に関する事項についてそれぞれ共管官庁である農林省及び通商産業省と密接に協議するとともに、その他の関係省庁とも十分連絡をとり、もつて、事業団の各種業務の円滑かつ効率的実施に努めること。

八国際協力事業団は、海外技術協力事業団及び海外移住事業団などから引き継がれるこれら職員の処遇について、その給与、身分、労働条件等に関し、不利益を与えないよう適切な措置を講ずること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107201057)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。