沿岸漁場整備開発法案
参議院 農林水産委員会
昭和49年法律第49号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S49.3.6趣旨説明農林水産委員会 17237
- S49.3.12補足説明農林水産委員会 19225
- S49.3.19質疑農林水産委員会 22176
- S49.3.20質疑農林水産委員会 23249
- S49.3.26参考人招致農林水産委員会 24301
- S49.3.27質疑農林水産委員会 25319
- S49.4.2質疑農林水産委員会 27255
- S49.4.3質疑・修正案・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議農林水産委員会 28206
- S49.4.4委員長報告・修正案・採決(修正)・附帯決議本会議 2329
参議院農林水産委員会
- S49.4.12趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・補足説明農林水産委員会 16173
- S49.4.23質疑農林水産委員会 1791
- S49.4.26参考人招致・質疑農林水産委員会 19143
- S49.5.7質疑農林水産委員会 20108
- S49.5.9質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 21152
- S49.5.10委員長報告・採決本会議 2031
- S49.6.18附帯決議本会議 1
提案理由
倉石忠雄 農林大臣 昭和49年3月6日次に、沿岸漁場整備開発法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
最近における我が国漁業を取り巻く環境には、沿岸海域にあっては漁場環境の悪化、沖合い・遠洋海域にあっては国際的な規制の強化等、きわめてきびしいものがあります。一方、水産物に対する国民の需要は、生活水準の向上に伴い、高度化、多様化しつつ増大しており、これに即応した供給体制の確立をはかることがきわめて重要な課題となっております。
このような課題に対処するため、沿岸漁業につきましては、沿岸漁場としての生産力を増進させるための生産基盤の整備開発を推進するとともに、天然の資源のみに依存してきた従来の漁業に加えて、いわゆる裁培漁業を本格的に推進することが必要であると考えております。
このため、沿岸漁場の整備開発の事業を総合的かつ計画的に推進するための沿岸漁場整備開発計画制度を確立するとともに、漁業者自らが栽培漁業等の推進のため行なう特定水産動物育成事業を推進することとした次第であります。
以上が、この法律案の提案の理由でありますが、次に、その主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、沿岸漁場整備開発計画制度の確立であります。
農林大臣は、魚礁の設置、消波施設の設置、しゅんせつ等の生産基盤の整備開発及び漁場の効用を回復するための堆積物の除去等の沿岸漁場整備開発事業の総合的かつ計画的な実施に資するため、これらの事業の実施の目標及び事業量を定める沿岸漁場整備開発計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものといたしております。
第二に、特定水産動物育成事業であります。
漁業協同組合または漁業協同組合連合会は、増殖を推進することが適当な特定の水産動物につき、都道府県知事の認可を受けて、育成水面の区域において当該水産動物を育成する事業を行なうことができることといたしております。
このほか、沿岸漁場整備開発計画を達成するため国の講ずべき措置、国及び都道府県の栽培漁業の振興の責務等につき所要の規定を設けております。
以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
第72回国会衆議院農林水産委員会議録第17号36頁(昭和49年3月6日)〔倉石忠雄農林大臣発言・発言番号235〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文はお手元に配付したとおりでありますので、その朗読は省略いたします。まず、漁業災害補償法関係について申し上げます。今回の法改正は、過去二カ年に及ぶ漁業共済制度検討協議会において行なわれた検討結果をまとめた答申に盛られた全項目にわたり、これを取り入れ制度改正の実現をはかるためのものでありまして、長年漁民をはじめ関係者の強い要望のものばかりであります。本委員会の六日間にわたる質疑によりまして、本改正案に対するさらに改善を要すべき問題点が明確になってまいったのであります。以下それぞれの項目について御説明いたします。その一は、漁獲共済における共済限度額と養殖共済及び漁具共済における共済価額の定め方についてであります。現行制度におきましては、共済対象漁業を契約者ごとに漁獲金額の変動の態様に応じ、安定型、一般型、変動型、上昇型に分類し、この限度額率をそれぞれ九〇%、八〇%、七〇%、九〇%と定めておりましたものを、今回の改正案におきましては、漁業種類別に一律に定める金額修正係数を乗じたものを基準漁獲金額として九〇%、八五%、八〇%、七五%、七〇%と定めることといたしたのであります。これによりまして契約者ごとに限度額率を算定するという煩瑣な従来の事務処理が相当合理化、単純化されるものとなるのでありますが、最近の物価の暴騰が漁業用燃料油をはじめ諸資材価格に重大な影響を与え漁業経費を圧迫している実情にかんがみまして、共済限度額及び共済価額もこの物価変動に応じ適正な水準に維持されるようにしなければならないと思うのであります。その二は、今回漁獲共済のうち二十トン以上の漁船漁業を除く漁業につきましては、義務加入制を導入しているのであります。二十トン以下の漁船漁業は、そのほとんどが漁業協同組合の所属漁業者の所有漁船であります関係上、今回は二十トン未満の漁船漁業を義務加入の対象としているのであります。しかしながら、二十トン以上の漁船漁業につきましても義務加入制を認め共済事業の発展と漁船漁業の経営の安定をはかるべきであり、また養殖業につきましても集団契約方式及び連合契約方式を採用している現状にかんがみ、義務加入制の導入を検討すべき段階にきていると思うのであります。その三は、純共済掛け金に対する国の補助の拡充と補助限度率の撤廃であります。純共済掛け金に対する国の補助率は、全数加入の場合でも、今回の改正で六五%から三〇%となっており、半数以上の加入においては、最高三〇%から一五%ときわめて低率の補助となっているのであります。これに加えて補助限度率で補助率をさらに低く圧縮しているのであります。補助限度率は最高六五%から四七%となっておりまして、この率をこえて加入しても、そのこえる部分は全額自己負担となるため加入金額が必然的に押えられる結果となり加入の阻害となっているのが実情であります。純掛け金率が低率であることからして補助限度率を早急に撤廃し、加入者の契約金額を引き上げるような措置を講ずべきであると思うのであります。その四は、養殖共済においては今回赤潮による被害についても共済金を支払うという特約制度を採用しているのであります。異常な赤潮は、その発生の態様、被害の大きさ等から見て、いわゆる異常災害に属すべきものでありまして、漁業者の相互救済の範囲を越えるものであります関係上、本来の共済事業に取り入れて取り扱うべきものではないと考えられるのであります。したがいまして、その掛け金につきましても漁業者の負担に帰すべきものではない性格のものでありますので、今回の改正法案にあっても、国がその三分の二、地方公共団体がその三分の一を補助することとしているのでありますが、地方公共団体すなわち都道府県または市町村がどのように補助するか一律に定めがたい点もありまして、地方公共団体が「純掛け金に相当する部分で特約にかかわるものについて財政上の援助につとめるものとする。」と規定したのであります。したがって、全額補助するという確約がないことになっているのであります。このような異常災害に対する共済事業については純共済掛け金は加入者の負担とすべきでないと思うのであります。その五は、漁業者を対象とする各種共済保険制度の統合についてであります。現在、漁業者を対象として共済または保険の事業を行なう制度としては漁獲共済、養殖共済及び漁具共済を共済事業とする漁業災害補償制度、漁船保険を保険事業とする漁船損害補償制度並びに厚生共済及び火災共済を共済事業とする任意共済制度の三つの制度があり、おのおの別団体によって運用されているのであります。この三制度は、漁協段階にあっては、おおむねその契約、支払い等については窓口が一本化されているのでありますが、都道府県段階にありましては、漁業共済と任意共済は窓口が一本化されており事務の合理化がはかられているのでありますが漁業共済と漁船保険の双方には依然窓口の一本化がはかられていないのが現状であります。この二つの制度には大型漁船所有者が漁協組合員でないこと等もあり、その一体化にはなお検討すべき点はあるにいたしましても、都道府県段階の事務の一体化すなわち窓口の一本化は漁業者のために早急に行なうべきであると思われるのであります。また、中央各団体においても漁業者のためのおのおのの事業であるという同一の目的を持つ制度であることにかんがみまして、三者が統合して、総合的な運営を行なうべきであると思うのであります。以上が漁業災害補償制度についてであります。次に、漁業近代化資金助成法関係について申し上げます。漁業近代化資金の利率は、年七分以内と法定されており、具体的には政令で六分と七分の二種類とされているのであります。本制度資金の利率は前述のとおりでありますが、融資機関が受ける実質的な利率すなわち基準金利は九分とされ、その差額を国及び都道府県が助成しているのであります。しかしながら、基準金利を九分とすることについては問題の存するところであります。特に漁協系統金融機関は、農協系統のそれに比較して規模等の関係からコスト高となること等特殊事情を考慮して、漁業近代化資金にかかわる国及び都道府県の利子助成額の増大をはかり、適正な水準に基準金利を設定することにつとめて漁協系統金融機関の経営の安定をはかることが不可決であると考えられるところであります。次に、中小漁業融資保証法関係について申し上げます。今回の改正案により、新たに融資保険及び低利融資を行なうため中央漁業信用基金を設置することとしているのでありますが、この場合、保証保険を行なう中小漁業融資保証保険特別会計は従来どおり存続されることとしているのであります。しかしながら、同種の制度である農業信用保証保険制度の仕組み等を考慮する場合、中央基金の仕組みについて特別会計との関連を含めて検討する必要があると考える次第であります。また、中央基金の資金の充実についてであります。四十九年度予算におきましては、国は、七億九千七百万円を計上し中共基金へ出資するとともに、農林中央金庫、漁業信用基金協会が出資することとしているのでありますが、これらの出資の確保につとめるとともに、次年度以降においても中央基金の業務の拡充実施に必要な基金造成をはかるため、政府の出資を継続実施する必要が痛感されておるところであります。さらに、新設される中央基金は、改正案附則第九条によって、いわゆる農林年金制度の対象から除外することとしているのでありますが、農林水産業における同種の団体の取り扱いと関連して検討する必要があることはもとよりであります。次に、沿岸漁場整備開発法関係について申し上げます。本法案に対しましては、すでに二点について修正議決したところでありまして、修正事項との関連等をも考慮して、次の三点につきまして附帯決議を行なおうとするものであります。その第一は、閣議決定に基づく五年を一期とする沿岸漁場整備開発計画が、今後におけるわが国沿岸漁業に対する国民の期待とその将来の発展を約束する重要性にかんがみ、特に必要な事業量が十分確保されなければならないことは申すまでもないところであります。その第二は、沿岸漁場整備開発事業の実施主体についてであります。当面政府は、政令で都道府県、市町村等を定めることとしているようでありますが、当然国が事業の実施主体となり、規模の大きい、また技術的に必要なもの等につきましては事業を実施して沿岸漁業者の期待にこたえるべきものであり、その実施体制、事業内容等について今後検討する必要があることであります。さらに、本事業を積極的に推進するための指導及び財政的な援助につとめることが肝要と考えられる次第であります。その三は、水産動植物の種苗の生産施設の整備についてであります。本案による漁場づくりとともに人工種苗を大量的に生産する施設を整備することが、今後における沿岸漁業振興のための重要な柱であることは申すまでもないところであります。そこですみやかに計画的に全国的な普及をはかるとともに、適正な規模を確保することはもとより、技術開発、施設の運営に対して国が積極的な指導助成につとめることが重要課題であると考えられる次第であります。以上が、三法案に対する附帯決議の趣旨であります。何とぞ委員各位の御賛同を賜わりますようお願いいたします。—————————————漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たりすみやかに左記事項の実現に努めるべきである。記
一漁獲共済における共済限度額並びに養殖共済及び漁具共済における共済価額については、漁業実態の推移に即応して適切な措置を講ずること。
二義務加入制については、二十トン以上の漁船漁業及び養殖業についてもこれを適用対象に加えることについて検討すること。
三純共済掛金に対する国の補助を更に拡充するよう努力するとともに補助限度率を撤廃すること。
四養殖共済における赤潮等特約事業の実施に当たつては、共済加入者に一切の負担をかけないよう措置すること。
五漁業災害補償制度、漁船損害補償制度及び任意共済制度を統合し、一元化を図ることについて検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107201070)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。