恩給法等の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
昭和51年法律第51号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- S51.3.2趣旨説明・質疑内閣委員会 3358
- S51.3.4質疑・採決・附帯決議内閣委員会 4269
- S51.3.5採決・委員長報告・附帯決議本会議 1024
参議院内閣委員会
- S51.5.11趣旨説明・質疑内閣委員会 3222
- S51.5.13質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案内閣委員会 4157
- S51.5.14委員長報告・採決本会議 1167
- S51.6.11附帯決議本会議 1
提案理由
植木光教 総理府総務長官・沖縄開発庁長官 昭和51年3月2日ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
これは、昭和五十年度における公務員給与の改善傾向の分析結果に基づき、従来の平均改善率による一律増額方式にかえて、上位号俸の約七%から下位号俸の一一・五%に至る上薄下厚的な増額を行うこととするものであります。なお、傷病恩給の基本額及び公務関係扶助料の最低保障額については、一一・五%引き上げることとしております。
その第二点は、普通恩給等の最低保障の改善であります。
これは、長期在職の老齢者の普通恩給の最低保障額を四十二万円から五十五万円に引き上げる等、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を大幅に引き上げようとするものであります。
その第三点は、扶助料の改善であります。
これは、妻に給する普通扶助料については、その者の年齢または有する子の数に応じ、また、公務関係扶助料については、扶養遺族の数に応じ、その年額に二万四千円、三万六千円または六万円を加算する制度を新設しようとするものであります。この措置によりまして、公務扶助料については最低六十万二百円が給されることになっております。
その第四点は、扶養加給額の引き上げであります。
これは、傷病恩給及び公務関係扶助料に係る扶養加給額を、現職公務員の扶養手当相当額に引き上げようとするものであります。
その第五点は、長期在職の老齢者等の恩給の算出率の特例であります。
これは、七十歳以上八十歳未満の者並びに七十歳未満の妻子及び傷病者に給する普通恩給または扶助料の年額を計算する場合には、普通恩給の最短資格年限を超える実在職年の年数が五年に達するまでの一年につき、さらに基礎俸給の三百分の一に相当する額を普通恩給の年額に加えることによって、その処遇の改善を図ろうとするものであります。
その第六点は、六十歳以上の旧軍人等の加算減算率の緩和であります。
これは、六十歳以上六十五歳未満の者に給する加算による普通恩給または普通扶助料の年額を計算する場合には、減算率を百五十分の二・五から百五十分の二に緩和しようとするものであります。
その第七点は、普通恩給と併給される傷病年金の減算額の緩和であります。
これは、普通恩給と併給される傷病年金及び第二款症以下の特例傷病恩給の減額率一五%を一〇%に緩和するとともに、普通恩給と併給される第七項症の増加恩給及び第一款症の特例傷病恩給の年額について、所要の調整を図ろうとするものであります。
その第八点は、扶助料を支給されていない傷病年金等の受給者の遺族に対する年金の支給であります。
これは、傷病年金または特別項症から第一款症までの特例傷病恩給を受ける者が、当該恩給の給与事由である傷病以外の傷病により昭和二十九年四月一日以降に死亡した場合において、その者の遺族に扶助料等が支給されないときは、これに対し十万円の年金を支給しようとするものであります。
以上のほか、昭和十六年十二月八日前の傷病者に対する傷病年金の支給条件の緩和、女子公務員の夫に対する扶助料の支給条件の緩和、旧満州農産物検査所の職員期間の通算等所要の改善を行うこととしております。
なお、以上の措置は、実施時期を昨年より一カ月繰り上げて、昭和五十一年七月から実施することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第77回国会衆議院内閣委員会議録第3号2頁(昭和51年3月2日)〔植木光教総理府総務長官発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、次の事項についてすみやかに善処するよう要望する。
一恩給法第二条ノ二については、国家公務員の給与にスライドするようその制度化を図ること。
一恩給の改定時期については、年度当初からの実施を目途とすること。
一恩給の最低保障額については、引き続きその引上げを図ること。
一扶助料の給付水準については、さらにその改善を行うこと。
一恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。
共産党提案に係る恩給法の修正案につきましては、その内容についてはわが党としてもかねがね主張しているところであり、その救済措置の実現のために努力してきたところであります。内容的には同一の立場に立つものであり、その立場からすでにわが党といたしましては特例法案を本日提出をして審議を願っているものであります。わが党が同一の立場に立ちながら、修正案ではなく特例法案として提出をいたしましたのは、今期も残り旬日を残すのみとなって、この段階で政府案を修正をするということになったならば再度衆議院の審議を行わなければならないことになり、衆参両院あわせて内閣委員会の開催の日程が、会期内では残りは二回程度しかないという現段階でこれを修正をすることは、政府の提出の原案をも含めて日程的に成立が危ぶまれるとの危惧を持つものであります。このことは、もしそのような形で原案の成立が危ぶまれるということになった場合には、恩給年金の改正の実現を一日千秋の思いで待ち望んでいる恩給受給者の期待を裏切る結果を招く懸念を持っており、そのために内容的には同一でありますけれども、別の形で特例法として審議をお願いするという立場に立ったものであります。したがって、内容的には私どもも実現を図るべき賛意を表すべき内容でありますけれども、現段階の日程上の都合から、手続上この修正案には賛成いたしかねる、こういう立場をとるものであります。以上をもって討論を終わります。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107701022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。