身体障害者雇用促進法及び中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和51年法律第36号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院社会労働委員会
- S51.5.13趣旨説明・質疑・修正案趣旨説明・附帯決議・採決・修正案社会労働委員会 4359
- S51.5.14委員長報告・採決本会議 1167
- S51.6.11附帯決議本会議 1
衆議院社会労働委員会
- S51.5.19趣旨説明・質疑社会労働委員会 12198
- S51.5.20質疑・採決・修正案趣旨説明・附帯決議・修正案社会労働委員会 13170
- S51.5.20採決・委員長報告・附帯決議本会議 2220
提案理由
長谷川峻 労働大臣 昭和51年5月13日ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法及び中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
身体障害者及び中高年齢者につきましては、先般来の不況の中で、その雇用の確保が大きな問題となっているところであり、また、今後におけるわが国の経済情勢と労働力の高齢化等を考慮いたしますと、これらの対策を抜本的に強化することが必要であります。
まず、身体障害者の雇用対策の拡充強化につきまして御説明申し上げます。
身体障害者の雇用対策につきましては、身体障害者雇用促進法による雇用率制度を中心として、その雇用の促進に努めてまいりましたが、同法施行以来十五年余を経過した今日におきましても、身体障害者の雇用の現状はいまだ十分ではなく、雇用率未達成の事業所は四割に近く、大規模事業所ほど雇用割合が低い状況にあります。
このような情勢に対処するため、事業主に対する身体障害者の雇用義務の強化、身体障害者雇用納付金制度の創設等によって、身体障害者の雇用対策を飛躍的に拡充することとし、次のように身体障害者雇用促進法の一部を改正することといたしました。
第一に、すべて事業主は社会連帯の理念に基づき身体障害者の雇用に関して共同の責務を有することを明らかにするとともに、身体障害者自身も職業人としての自覚を持ち、自立に努めるべきであるという原則を明らかにすることといたしております。
第二に、身体障害者雇用率制度につきまして、現行の努力義務を改め、事業主は、雇用率以上の身体障害者を雇用しなければならないこととするとともに、重度障害者の取り扱い等についても改善を図り、あわせて身体障害者の雇用に著しく消極的な事業主を公表する制度を設けることといたしております。
第三は、身体障害者雇用納付金制度の創設であります。すなわち、事業主間の身体障害者の雇用に伴う経済的負担の調整を図るとともに、君業主の身体障害者の雇用を容易にすることを目的として、雇用促進事業団が当面、三百人以上の労働者を雇用する事業主から雇用率未達成の身体障害者数に応じて納付金を徴収し、雇用率を超えて身体障害者を雇用している事業主に対して身体障害者雇用調整金及び報奨金を支給するとともに、身体障害者を雇用するために必要な施設、設備の改善整備等に対して各種の助成を行うことといたしております。
第四に、労働大臣の認可により身体障害者雇用促進協会を設立し、身体障害者職業生活相談員の講習を初め、事業主に対する各種の指導援助、身体障害者職業訓練校の運営、身体障害者の雇用の促進に関する調査研究等を行わせることといたしております。
第五に、精神薄弱者につきましては、その適職に関する調査研究等の推進に努めるとともに、職業紹介、適応訓練、納付金の減額、納付金による助成等の規定を適用することといたしております。
以上のほか、身体障害者職業生活相談員の選任等身体障害者の雇用の安定に必要な所要の措置を定めることといたしております。
次に、中高年齢者の雇用対策の拡充強化につきまして御説明申し上げます。
中高年齢者の雇用対策につきましては、最近の厳しい経済事情のもとで、特に定年前後の高年齢者の再就職が困難となっており、また、高齢化社会の急激な進展に伴い、わが国の高年齢労働力人口は今後急速に増大すると見込まれ、これら高年齢者に安定した雇用の場を確保することは雇用対策上の最大の課題となっております。
このため、高年齢者については、当面六十歳までは定年延長の促進等により雇用の維持に努めるとともに、六十歳から六十五歳までは定年後の再雇用を含めて再就職を促進することが必要であると考えられますので、これらについての助成措置の充実を図る一方、高年齢者雇用率を定めて事業主の自主的努力を促すこととし、次のように中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正することといたしました。
第一は、高年齢者雇用率制度の創設であります。労働大臣は、企業における高年齢者の雇用に関し高年齢者雇用率を設定することができることとし、事業主は、高年齢者雇用率以上の高年齢者を雇用するように努めなければならないことといたしております。
第二に、高年齢者雇用率の達成を図るために、労働大臣は、雇用率未達成の事業主に対し、雇用率達成に関する計画の作成を命じ、また、その適正な実施について勧告することができることとするとともに、特に必要がある場合には、高年齢者の雇い入れその他高年齢者の雇用の安定に関して必要な措置をとることを要請することができることといたしております。
第三に、中高年齢者の適職として選定した職種につきましては、中高年齢者の雇い入れを促進するために、事業主等に対して必要な指導を行うことといたしております。
以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第77回国会参議院社会労働委員会会議録第4号2頁(昭和51年5月13日)〔長谷川峻労働大臣発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案政府は、本法の施行にあたり、身体障害者及び中高年齢者の雇用の安定をはかるため、次の各事項について、その実現に努力すること。
一身体障害者の雇用については、官公庁がすすんで雇入れに努力するとともに、民間企業への行政指導を強化すること。
二身体障害者の職業訓練については、産業の実態に即応するよう技能の修得及び設備の整備充実に努力すること。
三労働、文部行政の有機的な連携によって、盲・ろう養護学校等の卒業生の就職を一層促進させるよう、格段の努力をすること。
四障害者の適職及び作業補助具の研究開発を促進すること。
五中高年齢労働者の従来の職種別雇用率制度の廃止により、労働者の不利にならぬよう適切な措置を講ずること。
六身体障害者・中高年齢者の求人、求職業務の充実をはかるため職業安定所の機能の強化に努力すること。
政府は、本法の施行に当たり、身障害者及び中高年者の雇用の安定を図るため、次の事項について、その実現に努力すること。
一身体障害者の雇用の促進に当たつては、官公庁がすすんでその雇用に努めるとともに、民間企業への雇用の確保に積極的に努めること。
二障害者の適職及び作業補助具の研究開発を促進するとともに、身体障害者の職業訓練については、産業の実態に即応するよう技能の修得及び設備の整備充実に努力すること。
三盲、ろう、養護学校等の卒業生の就職については、労働、文部両行政の有機的な連携によつて、職域の拡大等検討を進めるとともに、その就職の促進に格段の努力をすること。
四官公需の発注に当たつては、身体障害者を多数雇用する事業所について配慮するよう努めること。
五現下の雇用失業情勢にかんがみ、中高年齢労働者の従来の職種別雇用率制度の廃止により、労働者に不利にならないよう適切な措置を講ずるとともに、中高年齢失業者等求職手帳制度の適切かつ効果的な運用を図ること。
六身体障害者、中高年齢者の職業紹介等公共職業安定所の機能の強化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107701064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。