租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和53年法律第11号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S53.2.17趣旨説明・質疑本会議 815
- S53.3.1趣旨説明・質疑大蔵委員会 9244
- S53.3.3質疑大蔵委員会 10254
- S53.3.8参考人招致・質疑大蔵委員会 12239
- S53.3.15質疑・討論・附帯決議・採決大蔵委員会 13105
- S53.3.16委員長報告・討論・採決・附帯決議本会議 1316
参議院大蔵委員会
- S53.3.17趣旨説明大蔵委員会 512
- S53.3.17趣旨説明・質疑本会議 938
- S53.3.23質疑大蔵委員会 6281
- S53.3.24参考人招致大蔵委員会 740
- S53.3.28質疑大蔵委員会 8193
- S53.3.30質疑・討論・附帯決議・採決大蔵委員会 997
- S53.3.31委員長報告・討論・採決本会議 1254
- S53.4.10附帯決議本会議 1437
提案理由
村山達雄 大蔵大臣 昭和53年2月17日初めに、租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
まず、租税特別措置法の一部改正について申し上げます。
租税特別措置につきましては、税負担の公平確保の見地から引き続きその整理合理化を推進する一方、最近における社会経済情勢の推移に顧み、住宅建設及び民間設備投資の促進に資するための諸措置及び中小企業対策のため必要な措置を講ずるほか、外国子会社等を通じる租税回避に対処するための税制を導入するなど、所要の改正を行うことといたしております。
すなわち、第一に、既存の租税特別措置の整理合理化につきましては、まず公害防止準備金など十一項目の企業関係特別措置を廃止することといたしております。
次に、技術等海外取引に係る所得の特別控除制度について、工業所有権等の控除率を収入金額の五五%から三五%に引き下げることとし、特別償却制度について、航空機の特別償却割合を五分の一から六分の一に引き下げる等の措置を講ずるほか、準備金制度については、価格変動準備金の積立率を引き下げる等の縮減合理化を図ることといたしております。また、登録免許税の減免措置につきましても、電源開発株式会社等の増資登記に対する軽減税率を引き上げる等の縮減合理化を行うことといたしております。
第二に、住宅・土地税制につきましては、住宅取得控除を拡充し、民間金融機関等から融資等を受けて新築住宅を取得した者に係る控除額を引き上げるとともに、土地譲渡益重課制度について、優良宅地を供給する場合の適用除外要件のうち適正利益要件を適正価格要件に改めるなど、所要の措置を講ずることといたしております。
第三に、民間設備投資の促進に資するため、一年限りの臨時の措置として、省エネルギー・公害防止関連設備等及び中小企業者の取得する機械について、特別償却にかえて、その取得価額の一〇%相当額を、当期の税額の二〇%相当額を限度として、税額控除を認めることといたしております。
第四に、外国子会社等を通じて行われる租税回避に対処するため、租税負担の著しく低い国等に所在する特定の外国子会社等の留保所得を、本邦親会社等の所得に合算して課税する制度を創設することといたしております。
以上に加え、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法に基づく認定を受けた中小企業者に対して、欠損金の繰り戻しによる還付について特例措置を講ずるとともに、中小企業倒産防止共済法に基づき納付した共済掛金の損金算入を認めることとするほか、みなし法人課税を選択した場合の課税の特例、中小企業者の貸し倒れ引当金の特例、揮発油税、地方道路税及び自動車重量税の税率の特例等期限の到来する租税特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等、所要の改正を行うことといたしております。
次いで、国税収納金整理資金に関する法律の一部改正について申し上げます。
昭和五十三年度の税収の伸び悩みを補い、財源の確保を図るとともに、地方財政対策等にも資するため、毎年度の歳入に組み入れるべき国税収納金等の受け入れ期間の末日を、一月間延長して翌年度の五月末日に改めることとし、これにより、同月中に収納される国税収納金等のうち、当該年度内に納税義務が成立しているものを当該年度の歳入として組み入れることといたしております。
第84回国会衆議院会議録第8号1頁(昭和53年2月17日)〔村山達雄大蔵大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
この決議案は、不公正税制として指摘されておる各種準備金、利子配当の分離課税制度及び社会保険診療報酬課税の特例制度の合理化等について、政府の検討を要請するとともに、社会経済情勢の推移に応じての中小所得者の所得税負担の軽減、法人課税の基本的あり方の検討及び税務職員の処遇改善等について、同じく政府の十分な努力を要請するものであります。個々の事項の趣旨につきましては、法案の審議の過程の中で明らかにされておりますし、また、案文はお手元に配付してありますので、御了承願いたいと思います。
政府は、左記事項の維進に努めるべきである。
一各種準備金、特別償却等の租税特別措置については、その政策目的、政策効果等の実態に即して整理合理化すること。
一法人の受取配当益金不算入制度及び支払配当軽課制度等を含め、法人課税の基本的あり方について、今後さらに検討すること。
一利子・配当課税については、その総合課税への移行を検討すること。
一現行の社会保険診療報酬課税の特例については、社会保険診療報酬のあり方との関連を考慮しつつ、五十四年より適正化すること。
一交際費に対する課税強化措置についてさらに検討することとし、その社会に与える影響について配意すること。
一住宅税制については、住宅政策との関連において、その対象範囲の拡大等効果的な税制のあり方について今後さらに検討すること。
一土地譲渡益重課制度の適用除外要件の改正に伴い、地価の騰貴を生ぜしめないよう諸制度の適正な運用により遺憾なきを期すること。
一所得・物価水準の推移等に即応し、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減合理化に努めるとともに、税負担の一層の公平化を図ること。
一医療費控除、雑損控除については、実情に即し適切に配慮すること。
一通勤手当の非課税限度額については、通勤の実情に即応して、再検討すること。
一深夜労働に伴う割増賃金及び寒冷地手当については、税の軽減について検討すること。
一変動する納税環境の下において、複雑、困難で、かつ高度の専門的知識を要する職務に従事している国税職員について、職員構成の特殊性等従来の経緯及び今後の財政確保の緊急かつ重要性にかんがみ、今後ともその処遇の改善、定員の増加等に一層配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401007)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。