勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和53年法律第47号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S53.2.28趣旨説明社会労働委員会 3316
- S53.3.22質疑社会労働委員会 6257
- S53.3.28質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 8279
- S53.3.28委員長報告・採決・附帯決議本会議 1622
参議院社会労働委員会
- S53.4.6趣旨説明・質疑社会労働委員会 6230
- S53.4.13質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 876
- S53.4.17附帯決議・採決・委員長報告本会議 1655
提案理由
藤井勝志 労働大臣 昭和53年2月28日ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
いまや国民の大部分を占めるに至っている勤労者とその家族の生活の動向は、わが国経済社会の将来に深く関連する問題でありますが、勤労者生活の現状を見ますと、賃金水準はこれまでの経済成長のもとで改善されたものの、貯蓄や住宅等の資産保有の面では、なおいまだ相当の立ちおくれが見られるところであります。
このような勤労者生活の実情にかんがみ、勤労者の財産形成を促進して、その生活の一層の安定を図るため、昭和四十六年に勤労者財産形成促進法が制定され、昭和五十年には、同法の一部改正が行われました。
現行制度においては、勤労者の行う財産形成貯蓄及びこれに対する事業主の援助としての財産形成給付金について税制上の優遇措置等が講ぜられるとともに、財産形成貯蓄を原資とする勤労者のための持ち家融資制度が設けられております。財産形成貯蓄を行う勤労者数は、制度発足以来六年余にして、七百四十万人に達し、その貯蓄額は一兆六千億円を超える等、勤労者の本制度に対する期待の大きさがうかがわれるところであります。
このような勤労者の期待とその努力にこたえ、その生活を真に豊かで安定したものにするためには、現行の勤労者財産形成促進制度の内容は、まだ必ずしも十分とは申せません。
政府は、このような観点から勤労者財産形成促進制度を大幅に拡充したいと考え、そのための案を勤労者財産形成審議会に諮問し、これを了承する旨の全会一致の答申をいただきましたので、ここに勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案として提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一は、勤労者財産形成基金制度の創設であります。勤労者の財産形成のための事業主の援助を一層促進するため、当該事業場の労使の合意を前提とし、財産形成貯蓄を行っている勤労者を加入員として、労使をもって組織する勤労者財産形成基金を設立することができることとしております。
基金は、事業主が拠出した金銭について信託会社、銀行等と勤労者財産形成基金契約を締結し、その加入員である勤労者に対して財産形成基金給付金が支払われるようにすることとし、その給付金について課税上特別の措置を講ずるとともに、基金の設立についての奨励金及び事業主の拠出についての助成金を支給することといたしております。
第二は、勤労者財産形成持ち家融資制度の拡充であります。
勤労者の持ち家の取得を一層促進するため、勤労者財産形成持ち家個人融資の貸付限度額を引き上げるとともに、融資の対象について、現行の新築住宅の建設または購入のための資金のほか、中古住宅の購入及び住宅の改良のための資金を加えることとし、さらに、公務員等に対する融資について、その仕組みを改善することといたしております。
第三は、進学融資制度の創設であります。
勤労者の長期的な生活設計を一層容易にするため、雇用促進事業団は、勤労者財産形成持ち家融資のほか、勤労者またはその子弟の進学に要する資金の貸し付けを行うことといたしております。
その他、この法律案におきましては、その附則において、所得税法、法人税法、租税特別措置法等関係法律の所要の整備を行うことといたしております。以上、この法律の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第84回国会衆議院社会労働委員会議録第3号38頁(昭和53年2月28日)〔藤井勝志労働大臣発言・発言番号314〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一勤労者財産形成促進制度全般について、諸外国の勤労者財産形成促進法等を参考にして、今後更に改善に努めること。
一物価政策及び土地対策の一層の充実を図り、もつて勤労者の財産形成の基礎的条件を整備すること。
一勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置のあり方について検討を続けること。
一勤労者財産形成給付金、勤労者財産形成基金への拠出金は、全額事業主負担であることから、当該事業場のなるべく多くの勤労者が給付金の支給を受けられるよう制度の改善について検討すること。
一勤労者財産形成貯蓄の伸びが著しい一方、これを原資とする還元融資が伸び悩んでいる状況にかんがみ、還元融資の一層の内容の改善に努めるとともにその普及促進を図ること。
一勤労者財産形成融資に当たつては、公正に使用されるよう勤労者財産形成促進制度の趣旨に沿つて監督官庁の指導を強化すること。
一勤労者の住宅取得を計画的に促進するため、諸制度の整合を図る等の積極的な施策を推進すること。
一勤労者財産形成促進制度における各種制度が広く活用されるようこれが周知に努めるとともに、手続の簡素化等を図ること。
一勤労者財産形成基金制度の効果が実質的に中小零細企業の勤労者の持家促進等に及ぶ方途を検討し、財産形成促進のための施策がこれらの勤労者にとって一層機能するための措置を講ずること。
律案に対する附帯決議(案)政府は次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一勤労者財産形成促進制度全般について、諸外国の勤労者財産形成促進法等を参考にして、具体的な方策を確立し、計画的に実施するよう努めること。二、物価政策及び土地対策の一層の充実を図り、もって勤労者の財産形成の基礎的条件を整備すること。
三勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置の在り方について検討を続けること。
四勤労者財産形成給付金、勤労者財産形成基金給付金に係る拠出金は、全額事業主負担であることから、当該事業場のなるべく多くの勤労者が給付金の支給を受けられるよう制度の改善について検討すること。
五勤労者財産形成貯蓄の伸びが著しい反面、これを原資とする還元融資が伸び悩んでいる状況にかんがみ、還元融資の一層の内容の改善に努めるとともに、その普及促進を図ること。六、勤労者財産形成融資が、その制度の趣旨に沿って公正に使用され、かつ円滑に運営がなされるよう指導強化に努めること。
七勤労者の住宅取得を計画的に促進するため、積極的な施策を推進すること。
八財産形成促進のための施策が、中小零細企業の勤労者にとって一層機能するための措置を講ずること。
九勤務者財産形成促進制度における各種制度が広く活用されるようこれが周知に努めるとともに、国の援助制度の充実及び手続の簡素化等に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。