液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 商工委員会
昭和53年法律第85号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S53.4.12趣旨説明・質疑商工委員会 18276
- S53.4.18質疑・附帯決議・採決商工委員会 20232
- S53.4.20委員長報告・採決・附帯決議本会議 2443
参議院商工委員会
- S53.6.14趣旨説明・補足説明商工委員会 2321
- S53.6.15質疑商工委員会 24246
- S53.6.16質疑・附帯決議・採決商工委員会 25157
- S53.6.16委員長報告・採決本会議 2665
- S53.7.21附帯決議本会議 1
提案理由
河本敏夫 通商産業大臣 昭和53年4月12日液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
液化石油ガスは、全国約千八百万世帯の消費家庭で使用される国民生活にとって重要かつ不可欠なエネルギーでありますが、最近における消費量の増加、供給の態様の変化、供給または消費のための設備や器具等の多様化、大型化等液化石油ガスの消費をめぐる諸情勢の変化には著しいものがあります。
こうした諸情勢の変化に加えて、一たん漏洩、着火すると大きな爆発事故をも惹起する液化石油ガスの特性などから、消費家庭における液化石油ガスによる災害事故は一向に減少の兆しを見せないなど、液化石油ガスによる事故の発生の防止は、今日において大きな社会的課題となっております。
このため、政府におきましても、このような情勢に対処すべく、通商産業大臣の諮問機関である高圧ガス及び火薬類保安審議会の昨年八月の答申「液化石油ガス消費者保安体制のあり方」に基づき、法的措置を含め検討を進めてまいりましたが、その結果、今般、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律について所要の改正を行うこととしたものであります。
次に、本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。第一は、液化石油ガス販売事業者に係る保安規制の改正でございます。
従来ともすれば不明確であった液化石油ガス販売事業者と消費者との責任関係の明確化を図るため、液化石油ガスの供給のための設備について保安上の基準維持義務を液化石油ガス販売事業者に課すことといたしました。また、消費家庭における液化石油ガスによる事故のかなりの部分は、一般消費者等が液化石油ガスの特性や使用方法等を十分知っていれば防ぎ得た事故であることにかんがみ、液化石油ガス販売事業者に液化石油ガスによる災害の発生の防止に関する必要な事項を一般消費者等に周知させる義務を課すことといたしました。さらに、液化石油ガス販売事業者が行うこととされている消費設備の調査業務については、都道府県知事の認定に係る調査機関に委託できることとし、適確な調査を確保する体制を確立することといたしました。
第二は、液化石油ガス設備工事の規制の強化を図ることであります。
液化石油ガス設備工事に起因する災害を防止するため、液化石油ガス設備工事のうち重要な作業については、都道府県知事から液化石油ガス設備士免状の交付を受けている者でなければ行ってはならないこととするとともに、液化石油ガス設備工事事業者に事業開始の届け出、工事後の表示、配管図面の保存等を義務づけることといたしました。
第三は、液化石油ガス器具等の規制の範囲の拡大であります。
近年における液化石油ガス器具等の大型化、多様化の状況にかんがみ、規制対象とする液化石油ガス器具等の範囲を拡大し、そのうち構造、使用条件等から特に液化石油ガスによる災害の発生のおそれが多いと認められるものを「第一種液化石油ガス器具等」として従来どおりの国家検定または登録型式承認制度による規制を行うほか、それ以外の液化石油ガス器具等を「第二種液化石油ガス器具等」として、新たにその製造事業者及び輸入事業者に対して、事業開始の届け出、技術基準への適合義務等の所要の義務を課すことといたしました。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第84回国会衆議院商工委員会議録第18号1頁(昭和53年4月12日)〔河本敏夫通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一液化石油ガスによる災害の防止に万全を期するため、一般消費者等に対する保安啓蒙活動を一層積極的に展開するとともに、液化石油ガス販売事業者に課される周知義務については、一般消費者等との対話等を通じ、保安確保の実効を期するよう強力に指導すること。
二液化石油ガス販売事業者の調査業務は、自ら行うことが本来の姿であることにかんがみ、認定調査機関に委託した場合においても、液化石油ガス販売事業者の保安意識の低下を来たすことがないよう十分指導するとともに、認定調査機関は、公益法人又は液化石油ガス販売事業者の参加する協同組合等となるよう指導すること。
三液化石油ガスによる事故について、液化石油ガスの機器別等の適確な調査分析を行い、その結果をフイード・バックする体制の確立を図り、液化石油ガス機器の改善を促進するとともに、一般消費者等に不当な事故責任が課されることのないよう措置すること。
四液化石油ガスによる災害における第三者の被害を救済するため、早急に液化石油ガス業者賠償責任保険における見舞金の内容の見直し、救済資金のプール制の導入、消費者本人と第三者の被害を救済する保険制度の創設等について検討し、その実現を図ること。
五中小企業者が大半を占める液化石油ガス販売事業者の実態並びにその保安確保及び安定供給に果たす役割りの重要性にかんがみ、中小企業施策の活用等により経営基盤の強化を図る等その育成に努めるとともに、一般ガス事業者との競合については円滑な調整が行われるよう十分指導すること。
六液化石油ガスに関する行政が一般ガス事業と異なつている現状にかんがみ、一層機能的な行政を行うことができるよう機構、予算、人員等の充実強化を図り、液化石油ガスの保安の確保とその取引の適正化に関する行政を一体的に効果あらしめるよう努力すること。
政府は、最近の液化石油ガスの流通及び消費形態の実情に対応した保安対策の充実を図るため、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一一般家庭の液化石油ガス消費に伴う災害の絶滅を期するため、法第十五条に基づき必要事項を消費者に周知させるに当たつては、液化石油ガス販売事業者が消費者との十分な対話を行う等によりその実をあげるよう指導監督を強化するとともに、広報活動、学校教育等を通じて国等の消費者保安啓蒙活動を抜本的に充実強化すること。
二液化石油ガスの既存設備の調査点検を徴底することにより、設備の改善等を促進するとともに、液化石油ガス設備の設置段階において重要な役割を果すべき液化石油ガス設備士制度の円滑な施行と液化石油ガス設備士の育成、充足及び事故を未然に防止し得るような安全な液化石油ガス器具等の研究開発の推進、ガス漏れ警報器の設置促進等に努めること。
三液化石油ガス事故による第三者の被害を救済するため、液化石油ガス業者賠償責任保険における見舞金制度の充実、救済資金のプール制の導入、保険制度の創設等について検討し、その具体化に努めること。
四液化石油ガス販売事業者の経営の近代化、体質改善のための施策を積極的に推進すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401069)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。