繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
昭和54年法律第34号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S54.2.28趣旨説明・質疑商工委員会 4120
- S54.3.16参考人招致商工委員会 580
- S54.3.20質疑・採決・附帯決議商工委員会 6278
- S54.3.22採決・委員長報告・附帯決議本会議 1740
参議院商工委員会
- S54.3.22補足説明・趣旨説明商工委員会 4184
- S54.4.10質疑商工委員会 5309
- S54.4.24参考人招致商工委員会 6211
- S54.4.26質疑・附帯決議・採決商工委員会 7175
- S54.4.27附帯決議・採決・委員長報告本会議 1374
提案理由
江崎真澄 通商産業大臣 昭和54年2月28日繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
繊維工業につきましては、現行繊維工業構造改善臨時措置法に基づきまして、昭和四十九年度から、繊維工業の知識集約化を目指して、新商品または新技術の開発等に関する構造改善事業を実施してまいりました。しかしながら、この間のわが国の繊維工業をめぐる内外環境は、当初の予想を上回る、まことに厳しいものとなりました。すなわち、国内におきましては、石油危機後の景気の著しい冷え込みにより、繊維製品の内需が大幅に減少し、長期にわたり停滞を見せました。また、対外的には、発展途上諸国における繊維工業の発展により、わが国の繊維工業は、輸出国市場において次第に後退を余儀なくされるとともに、わが国市場におきましても、厳しい競合関係に置かれてまいりました。これに加うるに、一昨年来円相場が急激かつ大幅に高騰いたしましたが、この面からもわが国の繊維工業の国際競争力は、大きな影響を受けたのであります。
このような繊維工業をめぐる厳しい内外環境の中で、本法律に基づき進められてきた構造改善事業は、必ずしも順調な進捗を見せておらず、本年度末をもって当初の目的を達成したとすることは、困難な状況となっております。これらの状況を踏まえ、繊維工業審議会及び産業構造審議会におきまして、今後の構造改善のあり方について慎重な審議が重ねられ、昨年十一月、今後の繊維工業をめぐる厳しい内外環境から見て、わが国繊維工業は、製品の一層の高付加価値化、差別化を図っていく必要があるが、繊維事業者の自主的努力のみをもって、このような対応を早急に進めていくことは、困難であると考えられること、関係業界においても、懸案の過剰設備の処理が進み、これから、知識集約化を目指した構造改善に取り組むべき段階に来ていること等の理由から、構造改善期間を五年間延長するとともに、構造改善の一層の促進を図るべき旨の答申を得た次第であります。
政府といたしましては、この答申に沿って政策を進めるため、本法律案を提案することとした次第でございます。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、この法律が廃止されるものとされる期限につきまして、従来、本年六月三十日までとなっているものを、昭和五十九年六月三十日まで五年間延長することであります。
第二は、構造改善事業制度に関するものであります。現行制度では、構造改善事業計画を単独で作成することができる特定組合は、異なる種類の事業をあわせて行うものに限られておりますが、今回、新たに、異なる種類の事業をあわせて行う特定組合以外のものであっても、通商産業省令で定める一定の要件に該当するものは、構造改善事業計画の作成主体として認めようとするものであります。また、これとあわせて、構造改善事業計画の対象となる繊維工業の範囲を拡大することといたしております。
第三は、衣服関連の人材育成に関するものであります。繊維工業構造改善事業協会に、人材育成基金を設置する旨の規定を置くとともに、同協会の新たな業務として、衣服に関する新商品の開発、需要の開拓等に必要な人材の育成事業に対する助成金の交付等の業務を追加することといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第87回国会衆議院商工委員会議録第4号1頁(昭和54年2月28日)〔江崎真澄通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法施行にあたり、国民衣料の安定供給、繊維産業の地場産業としての特色等の観点から今後における繊維産業の位置づけを明確にするとともに、構造改善事業の所期の目的を達成するよう、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
一構造改善事業を計画的かつ強力に推進するため、中核的役割を果すべき繊維工業構造改善事業協会の機能を拡充強化するとともに、構造改善事業の実施にあたって産地組合等が指導助言できるような運用を図ること。
二アパレル産業の振興の重要性にかんがみ、その基礎的共通基盤の整備を図るための施策を講じ、特に、人材育成基金については、業界等が十分活用できるよう、その適正な運営を図るとともに、人材育成機関の一層の充実強化を図ること。
三繊維製品の生産・流通段階における取引について、不当返品の排除、書面契約の励行、決済条件の改善、賃加工等下請取引の適正化等をはじめ、不合理な取引慣行の是正のため、業界の自主努力と相まって、強力な指導を進めること。
四構造改善の阻害要因となるような特定品目の集中的な輸入急増を回避するため、輸入動向等を的確かつ早期に把握するとともに、輸入急増があった場合には、それによる国内産業の被害を最小限に止めるための諸般の施策を強力に講ずること。
五繊維工業の家内労働への依存が少なくない実情にかんがみ、適正な家内労働工賃の確保並びに従業員の労働条件及び労働環境の改善等が図られるよう、関係事業者に対し適切な指導を行うこと。
六繊維関連の商品取引所が健全に運営されるよう指導監督に遺漏なきを期するとともに、上場品目の見直し等について検討を進めること。
政府は、本法施行にあたり、わが国の繊維産業が国民生活に密着し、地域経済の中で重要な役割を果している実情にかんがみ、国内外の厳しい情勢に対応しつつ、その安定的発展を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一構造政善事業を円滑に進めるために、構造改善事業計画の承認基準の緩和及び運用の弾力化、手続きの簡素化を図るとともに、本制度の周知徹底に努めること。
二産元、親機を対象とする構造改善事業計画の承認にあたっては、中小企業及び下請事業者に対する下公正な取扱いや優越的地位の濫用の防止等を配慮するとともに、計画の実施についても必要な指導を行うこと。
三アパレル産業の振興を図るため、人材育成基金の充実、既存の人材育成機関及び教育機関の効果的な助成・活用に努めること。
四繊維産業における雇用問題の深刻化にかんがみ、雇用の確保に一層努めることとし、とくに中小企業労働者の雇用対策には万全を期すること。
五繊維製品の生産・流通段階における取引については、書面によらない取引契約、不当な返品及び値びき等不合理な取引慣行を改善するため、必要な指導を行うこと。
六繊維製品の特定品目の輸入が急増し、国内の繊維産業に重大な被害が生じたり、その恐れをもたらすような場合には、輸入及び海外投資に対する行政指導、相手国への自粛要請、さらには繊維貿易に関する国際ルールに基く措置等適時、適切な対策をとること。
―――――――――――――次に、船舶整備公団法の一部を改正する法律案は、内航貨物船の近代化促進等を図るため、内航海運事業者が金融機関から借り入れる代替建造資金等について、船舶整備公団が債務保証を行えるよう業務の範囲を拡大しようとするものであります。委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申し上げます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108701012)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。